“would”は、日常会話で最もよく使われる助動詞の一つです。
とても便利であると同時に何通りも意味があり、分かるようで分からないという方が多いのではないでしょうか。
まず、wouldの基本的な考え方を理解しましょう。
一言で言ってしまえば、wouldは「不確定なこと」を表します。そしてもう一つは「丁寧な言い方」である、ということです。
英語を英語のままニュアンスで掴むことが英会話を上達させるコツです。そのために大切なことは、実際に使われている英語にたくさん触れること。そして楽しく続けられることが何より大切です。
ジブリ映画を観ながら英文法を学ぶシリーズ、今回は、「天空の城ラピュタ」の映画から、日常会話でよく使う”would”の4つの用法と使い方を解説します。
wouldの基本的な考え方
不確定なことに対して使う
willが未来に対してほぼ確定している意志を表すのに対し、wouldは確定していないニュアンスを伝えるために使います。
:I would go on a business trip next month. (来月、出張に行くかもしれません。)
丁寧で控えめな言い方に使う
ビジネスシーンなどで丁寧に伝えたい時や、友人間でも控えめに言いたい時に使います。
:I would like to have a meeting. (ミーティングをさせて頂きたいのですが。)
この2つの基本ルールを理解しておけば、山ほどあるwouldのニュアンスがより理解しやすいですよ。それでは、ラピュタの例と共に、実際の英会話ではどの様に使われているかを見てみましょう。
wouldの用法その1. ~だろう/~かなぁ 推測を表す
ある仮定した状況において、「~だろう」と結果を推測する使い方です。あくまでも不確定なので、断定した言い方ではありません。
ラピュタのシーンを見てみましょう。ポム爺さんが、「石が騒いでいる時は、山の上にラピュタが来ている証拠だ」と言うのを聞いたパズーが、興奮して話す場面です。
英語訳:If you went up to the sky then, you would find Laputa!
この時、彼らは地下にいますよね。つまり、空へのぼるというのは仮定の話です。空へのぼったら、ラピュタを見つけることが出来るだろう!という推測の意味で、you would findが使われています。
If + 主語 + 動詞(過去形), 主語 + would +動詞(原形)でまるっと覚えましょう。
If I were you, I would…という言い方もよく使います。実際の英会話では、If I were youが省略されることが多く、日本語で言う、(私なら)~するかなぁのニュアンスです。
(ずっとサービス残業してるの。あなたはどうする?)
I would change the job.
(私なら仕事変えるかなぁ)
この文でYou should change the job. というと、(あなたは仕事を変えるべき!)と、とても強い言い方になってしまいますが、私なら~するかなぁ、と不確定なニュアンスを残して控えめに伝えることができる言い方です。
wouldの用法その2. ~がしたいのですが、~してもらえますか? 丁寧な言い方
「Will you/Can you~?」や「want to」を丁寧な言い方にしたニュアンスで、~がしたい、~してもらえますか?などの丁寧で控えめな言い方をする時の使い方です。
ラピュタの例を見てみましょう。
シータ(女の子)が初めてポム爺さんに出たったシーンです。シータが持っている飛行石の力が余りにも強く、ポム爺さんの気分が悪くなってしまい、彼女にこう言います。
英語訳:Dear, would you mind covering the stone?
~してもらえますか?という意味の、Would you mind ~ing を使っています。
この時、ポム爺さんとシータは初対面ですよね。2人の間にはまだ距離があるし、丁寧な言い方で、Would you mind ~?と使っているのでしょう。
「Can you cover the stone?」でも意味は伝わりますが、その場合、もう少し2人の関係がフランクな印象に聞こえるでしょう。
Would you like something to drink? (何か飲まれますか?)
この様な丁寧な言い方は、会話をする相手との関係性や状況で決まってきます。
ビジネスシーンやレストラン等、お店の人、目上の方と話すには「want to」より「would like to」、「Can you~?」より「Would you/Would you mind~?」が使われます。
時制の一致ともいわれますが、過去の話の中で未来の事を話す時に使います。
可愛いシータ(女の子)に会いたい為に、キッチンへやってきた海賊の一人が言い訳っぽく言うシーンです。
英語訳:I thought I would give you a hand in my spare time.
もしこの文章が現在形のI think を使うと、I think I will give you a hand…となり、これから手伝おうと思ってるという未来へのニュアンスになります。
でもここでは、I thought (思った)と過去形が使われていますよね。この海賊は手伝おうと思ったから、キッチンへやってきたのです。その、思った時点での未来(will) は過去形のwouldに変換しないといけません。
少しややこしいですが、時間軸を合わせる必要があります。
I knew she would do that. (彼女がそうすると知ってたよ。)
wouldの用法その4. 否定文で強い拒絶 ~しなかった
基本ルールの不確定な意味で使われるwouldや丁寧なニュアンスで使われるwouldとは違う意味になりますが、過去の強い拒絶を表すにもwouldが使われます。
パズーがシータを救うことが出来ず、落ち込みながら家に帰ってきた時、ドーラに「娘(シータ)を金で買ったのかい?」と言われ、必死に反抗するシーンです。
英語訳:No! I wouldn’t do that!
絶対にそんな事しない!というパズーの強い意志が感じられる部分です。
これは「I will not do that」(絶対にやらないよ!!)というwillの強い意志を表す過去形だと思えば、分かりやすいのではないでしょうか。
前後の文脈によって、現在や未来の話をしているのか、過去の話をしているのか理解をする必要がありますね。
まとめ
Wouldの代表的な使い方、ニュアンスを掴めたでしょうか?
実は今回説明できなかった他の用法や意味もまだあるくらい、wouldの用法は幅が広く難しいイメージがありますよね。
しかし、wouldの基本的なルールとして、「不確定なこと」を表すという意味か「丁寧にな言い方」の表現であると考えていれば、日常会話で多く使われるwouldは理解できるでしょう。
まずは、ラピュタで出てきた4つのwouldの使い方を自分のシーンに合わせて練習してみてくださいね。Wouldがうまく使いこなせると、より細かいニュアンスを伝えることができ、英会話がぐんとレベルアップしますよ!
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