現在完了というと、中学でならう英文法の一つですが、実際英会話で使いこなすには難しいですよね。
英会話力をアップするには、英語を英語のままニュアンスで掴むことが重要です。そのためには、実際に使われている英語を知ることが効果的です。そして何より楽しく続けられることが最も大切です。
ジブリ映画を観ながら英文法を学ぶシリーズ、今回は、「天空の城ラピュタ」の映画から、この”have done(過去分詞)”、”have been ~ing”の使い方とニュアンスの違いを解説します。
過去形と現在完了の違い
まず、過去形と現在完了の大きな違いをしっかり理解しましょう。
過去形は、過去に起きたことを言います。
例:I knew her when I was a child. (私は子供の時、彼女を知りました)
現在完了は過去から現在まで継続していることを言います。
例:I have known her since I was a child. (私は子供の頃から彼女を知っている)
現在完了have doneには色々な用法がありますが、基本ルールは、過去から継続しているということです。このルールを理解していれば、それぞれの微妙なニュアンスが掴みやすいですよ!
have done(過去分詞)の用法その1. 継続して~している
過去から現在まで継続して~している、という使い方です。では早速、冒頭の画像にあるラピュタのこのシーンをみてみましょう。
シータ(女の子)が、ポム爺さんに地下で出会い、質問をするシーンです。
英語訳:Have you always lived underground?
疑問文になっていますが、過去から今もずっと継続して住んでいる、という意味を表すために、have livedが使われています。
もし、かつて地下に住んでいたの?と過去の事を聞きたいなら、Did you live undergroud?になりますよね。過去からずっと住んでいたか?というニュアンスを伝えるためにhave doneが使われています。
I have belonged to the club since April. (私は4月からそのクラブに所属しています)
have done(過去分詞)の用法その2. つい先ほど完了した/もう~した?
過去から行っていたことがちょうど完了した、疑問文では、もう~した?という、直近のことをあらわす使い方です。
ラピュタの中ではどのように使われているでしょうか。
軍隊のモウロ将軍が、ずっと探し続けていた天空の城ラピュタをついに見つけました。そして、隣にいる眼鏡をかけたムスカに尋ねるシーンです。
英文訳:Have you reported that we found Laputa?
報告したか?と聞くのなら、Did you report~? の過去形でも意味は通じますが、Have you reported ~? と使うことで、もう報告したのか?と、完了を確認する意図があるでしょう。
日本語に訳して考えるより、英語のままニュアンスで掴みましょう!
実際の英会話では、recently、lately、justなどの時勢を表す副詞と一緒に使われることが多いです。
Have you had lunch yet? (もうお昼食べた?)
have done(過去分詞)の用法その3. 今まで~したことがある
今まで~したことがある、という意味で使われます。
まずはラピュタの例をみてみましょう。
シータ(緑の服の女の子)が胸につけている飛行石のペンダントがピカピカと石に反応をしているのを見て、驚いたポム爺さんが感嘆して言うシーンです。
英語訳:I’ve never seen one before.
私は今まで一度も見たことがない、という意味でhave never seenが使われています。
この使い方は、英会話でよく使われるフレーズなので、まるっとそのままニュアンスで掴みましょう。
I have never heard such a thing. (そんな事今まで一度も聞いたことないよ!)
また、今まで~したことがありますか?と聞きたい時は、Have you ever ~?を使います。
Have you ever tried real Sushi? (本物の寿司、食べたことある?)
以上、have doneの3つの用法を説明しましたが、これらを細かく日本語で理解する必要はありません。
あくまでも、過去から現在まで継続しているという現在完了のルールを理解し、実際に使われている英語のシーンを聞いて、前後の文脈から使い方のニュアンスを掴むことが重要です。
have+been+~ing の用法 過去から継続して現在も~している
では次に、have been ~ing 現在完了進行形の使い方をみてみましょう。意味は、過去から継続して現在も~している という使い方です。
ラピュタのシーンを見てみましょう。
シータ(女の子)がポム爺さんに、「Have you always lived underground?」(ずっと地下に住んでいるの?) と、聞いた後、ポム爺さんが回答するシーンです。
英語訳:The rocks have been stirring (since last night).
ポム爺さんは石のプロです。夕べから、ずっと継続して石がそわそわと騒いでおり、今もやむ気配がなく騒ぎ続けているから地下にやってきた、という過去から石の動きが継続しているニュアンスを表すためにhave been ~ingが使われています。
have done(過去分詞)とhave been ~ingの違い
では、先ほどラピュタの例にでてきた、
Have you always lived underground? は、
Have you been living underground? とは言えないのでしょうか?
答えは言えます。
実は、どちらも日本語に訳すと(地下にずっと住んでいるの?)という意味で使うことができます。しかし、話の内容や話し手の気持ちにより、少しニュアンスが変わってくるのです。
例えば、
Have you always lived underground? と言うと、過去から今までずっと地下に住んでいたの?という、ひとまず今現在までの事を聞いているニュアンスが伝わります。未来の事への気持ちは特に含まれていませんよね。
一方、Have you been living underground? というと、過去から今まで進行形で、そしてまだこれからも、ずっと地下に住み続けるの?という気持ちが隠れてみえるニュアンスなのです。
些細な違いですが、使い方や状況によって、ニュアンスが変わってきますよね。
これこそ、英語のニュアンスです!
I have worked around the house all day.
どちらも、一日中家で忙しくしている、の意味ですが、
I have been working around the house all day! の方が、より家でバタバタ動き回っているニュアンスが伝わります。
また、使う動詞の種類によってhave doneでしか使用できない場合もあります。
have done(過去分詞)でしか使用できない動詞
状態動詞とよばれ、状態を表している動詞です。これらは進行形にできない為、have been ~ingで使うことはできません。(belong, know,exist,love,like,hope,want,need など)
(私は彼女を5才の時から知っています)
まとめ
いかがでしたか?
実際のところ、ネイティブスピーカーがhave doneとhave been ~ingをしっかり区別をして話をしているかというと、そうとも限りません。
前後の文脈や伝えたい内容によって些細なニュアンスの違いはありますが、あまり深く考えすぎないほうが良いでしょう。
一見、とてもややこしく思える文法ですが、様々なシーンを英語のニュアンスで掴むことが大事です。まずは、ラピュタのシーンを実際の自分のシーンにあてはめて練習してみてくださいね。
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