「〜のように」を意味する「like」と「as」。日常会話でとても頻繁に使われる便利な言葉ですね。
どちらも似た意味で使われることが多いですが、実は使い方によってニュアンスに少し違いがあります。
ジブリ映画を観ながら英文法を学ぶシリーズでは、実際にジブリ映画に使われているセリフをもとに、ネイティブスピーカーが使う英語のニュアンスと英文法を学びます。
今回は、「like」と「as」の違いを学びます。
likeの意味 〜のような 類似性のニュアンスを表す
「〜のようだ、〜みたい」という意味を表します。類似性(similarity)を表すニュアンスです。
ハウルの例を見てみましょう。
ソフィが荒地の魔女に呪いをかけられ、お婆さんにさせられてしまいました。母親にバレないように、部屋に閉じこもり、風邪を引いたと話しているシーンです。
英語訳:You sound ghastly, like some 90-year-old woman.
「You sound ghastly」で、「ひどい声をしている」という意味です。
この後に「like some 90-year-old woman.」と続くことで、「90才のおばあさんみたい」というニュアンスになりますね。つまり、「ソフィの声=90才のおばあさん」という類似性(similarity)を表すニュアンスになります。
例を見てみましょう。
My daughter smiles like an angel.
私の娘は天使のように笑う。
Surfing is like snow-boarding.
サーフィンはスノーボードみたいです。
She has cat allergies like me.
彼女は私の様に猫アレルギーがあります。
もう1つ、ハウルの例をみてみましょう。
ソフィとカルシファーが話しているシーンです。カルシファーが、ハウルに奴隷のように扱われていると訴えている台詞です。
英語訳:and Howl treats me like I’m his slave.
「like I’m slave」で、「奴隷のように」という意味ですね。実際に奴隷ではないですが、まるで奴隷のようということで、「カルシファーの扱われ方 = 奴隷」という類似性のニュアンスを表しますね。
実は、この「like + SV」の形は、厳密に言うと文法的には正しくはありません。
前置詞としてlikeは、その後に名詞しか続くことができないからです。
しかし、実際の日常会話ではこのカルシファーの台詞の様に非常によく使われていて、口語的な使われ方として一般的です。
文法的に正しく言うならば、「Howl treats me like his slave.」と言っても良いでしょう。
asの意味・・・〜として/〜のように 機能や方法を表す
「〜として」「〜のように」 という意味を表します。機能や方法を表すニュアンスで使われることが多いです。
ハウルの例を見てみましょう。
ハウルが魔法を使って、幼少期に過ごした場所をソフィに見せるシーンです。小さな小屋をを指してハウルが説明しています。
英語訳:my uncle gave me this place as my private study.
意訳になっていますが、直訳すると「my uncle gave me this place as my private study.」で、「叔父が勉強場所としてこの場所を与えてくれた」という意味になりますね。
この様に、as の後に名詞が続くと、「〜として」という機能を表す意味を表しています。
I have been working at hospital for 10 year as a doctor.
私は医者として病院で10年働いています。
I have to say this as your best friend.
あなたの親友としてこれを言わなきゃいけないわ。
She is known as a greatest novelist in Japan.
彼女は日本で最も素晴らしい小説家の一人として知られています。
We can use a sofa as a bed.
私たちはソファをベッドのように使えます。
もう一つ、風立ちぬから例を見てみましょう。
主人公、堀越二郎の妻、菜穂子が病気になり、状態が悪くなったのでこっそり実家に帰ったシーンです。お世話をしていた女性がポツリと言う台詞です。
英語訳:She wants him to remember her as she was.
この文章も意訳されていますが、「She wants him to remember her」で彼女は彼に覚えていてもらいたいという意味ですよね。
その後に続く、「as she was.」は、「(美しい)彼女が彼女であったように」という様なニュアンスですね。
ここでは、彼女が美しかった姿だけを覚えていて欲しいと言う意味になりますが、この様に、「as + S + V」で、方法や機能を表す「〜のように」という意味を表します。
I drink tea, as most English people do.
私はほとんどの英国人が飲むように、紅茶を飲みます。
Do it as I showed you.
私がやったようにやりなさい。
As I said, he is coming to the office soon.
私が言ったように、彼はもうすぐオフィスにやってきます。
As you know, I’m from Italy.
ご存知の通り、彼はイタリア出身です。
実際の会話では、LikeもAsも同じような意味を持つ時もあれば、違った意味を持つ場合もあります。基本的な考え方として「like」は類似性を表すニュアンスがあり、「As」は機能や方法を表すニュアンスがあると思っていれば、理解しやすいのではないでしょうか。
同じ様な意味になるのか、ならないのかを、同じ文章で比べてみましょう。
違う意味になる使い方
Like your mother, I will protect you as much as I can.
あなたの母親の様に、できる限りあなたを守るわ。
As your mother, I will protect you as much as I can.
あなたの母親として、できる限りあなたを守るわ。
My dad is like a taxi driver for me at times.
私の父は時々私のタクシードライバーの様です。
My dad works as a taxi driver.
私の父は、タクシードライバーとして働いています。
同じ意味になる使い方
Like I said before, I am happy.
前に言ったように私は幸せです。(ややカジュアルな印象)
As I said before, I am happy.
前に言ったように私は幸せです。(ややフォーマルな印象)
Like you know, he moved to NY, right?
あなたも知ってる通り、彼、NYに引っ越したじゃない?(ややカジュアルな印象)
As you know, he moved to NY, right?
あなたもご存知の通り、彼、NYに引っ越したじゃない?(ややフォーマルな印象)
まとめ
「like」と「as」のニュアンスの違い、掴めたでしょうか?
日常会話でとてもよく使う単語なので、ぜひ練習してみてくださいね。
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#26 「like」と「as」の意味の違いと使い方