フィリピン留学で英語漬け!という宣伝フレーズをよく目にしますよね。
英語漬けがどういった内容かという解釈は人それぞれですが、大きくは3つに分類されると思います。
平日外出禁止で1日12時間のスパルタコースで英語漬け
1日中徹底的な詰め込みでTOEICなどのスコアUPで英語漬け
日本語禁止のEOP学校で英語漬け
私としては、本気で英語力を伸ばしたければ1日6時間以上のレッスンも絶対にお勧めしませんし、詰め込みタイプの学習も日本で出来ることをわざわざフィリピンでしなくても良いのに。。。と思ってしまいます。
また、英語漬けになれる!と宣伝されている「EOP:イングリッシュオンリーポリシー(英語以外の言語で喋ることを禁止すること)」は、しばしば誤解されている事も多いです。今回は2年間EOPの学校を管理してきた私が、バシッとEOPの理想と現実を解説します。
EOPが効果的ではない3つの理由
1,形だけになっている
まず、一つ目の理由として、英語漬けの代表的なルールはEOPと呼ばれる「イングリッシュオンリーポリシー」ですが、形だけで効果の無いEOPがほとんどです。
例えば、学校の中や一定の場所がEOPの場合は、そこから一歩出ればOKなので「ちょっとあっちで・・・」と別の場所で母国語を話しますし、学校から出てしまえば母国語だらけです。
それでも、『24時間日本語を話しまくるよりマシ!』という声もありますが、私が2年ほどEOP校舎を管理していた経験からすると、
EOPで大事なポイントは、日本語を話さない環境、日本語が聞こえない環境….ではなくて、英語を常に話さないといけない環境であり、英語が常に聞こえてくる環境なのかどうかです。
確かにどんなEOPでも、英語を話すことに対して多少は度胸がつくようにはなると思います。しかし、生徒同士ではカタカナ英語でも、ブロークン英語でも通じてしまうので勉強にはなりませんし、聞こえる英語がアジア人の生徒の、拙い英語ばかりではリスニング力UPにも効果はありません。
『いろんな英語を聞けて良い!』
なんて声もありますが、そんなものはわざわざ習得の途中にしなくても、英語力が一定レベルを越えれば、どんなアクセントで話されてもすぐに慣れるので、必要になった時で対応可能です。
仮に、英語を常に話しているネイティブやフィリピン人に囲まれて暮らしていて、しっかりと自分からコミュニケーションを取るなら大きな効果があると言い切れます。
が、一般的なフィリピンにある語学学校では非常に難しいですね。
2,EOPにすると英語を話さなくなる
そして、2つ目の理由としては「EOPなら英語を話すのか?」と聞かれれば答えはNOです。
自分はある程度話せるからとEOPに行ったところで、相手が居なけれ会話は成り立ちませんし、EOPに行ったら英語が話せるようになるなんてこともありません。
そして、EOPを選ぶ人ほど、自分を追い込んで学習することを求めて来るのですが、勉強することに集中して積極的に話さない、または自分より低レベルな生徒の下手な英語に引きずられたくないために話さなかったりで、英語で話す相手は結局講師だけという残念な結果に終わります。
そうなるとEOPじゃなくて、「No Talking Policy」です。
ごく稀に起こる、積極的な生徒が集まった時のEOP校舎は異常なほど楽しいんですが、いつどんな性格の生徒が集まるか、自分と気が合う人がいるかどうかは運でしかありません。
3,そんな簡単に英語でものを考えれるようにはならない
他にも、『EOPなら英語で物を考えるようになるから効果はある!』
などとも言われますが、実際は最低でも12週間程は留学しないと、そんなに簡単に日本語脳を捨てられるものでもありません。
否定的なことばかり書いてしまいましたが、EOP校舎を運営していた以上、もちろんEOP校舎をお勧めするポイントもあります。
EOPをおススメする人はこういう人
そこで私がどういった方へお勧めしていたかと言いますと。。。
●中学3年間の文法は理解していて、簡単な日常英会話ができる状態の人
●12週間以上は留学できる方
このうち2つか3つがクリアできる人は、EOP校舎も良いと思います。
滞在が短いと効果が無いですし、正直なところ学校としても、この3つをクリアしている方を集めた方が相乗効果が高く、良い雰囲気の学校を維持できるので大事です。
なので、人と話すより一人でいる方が気が楽!なんて方は絶対にEOPは止めておきましょう(苦笑)
そして、3つの理由と書きながら申訳ありませんが、私がEOPをお勧めしない最大の理由がもう一つあります。
それは何かというと、海外で出会ういろいろなタイプの人達と知り合うチャンスを捨てるのは非常にもったいないということです。
本気で勉強することは、日本語を話さず、一切遊ばず英語習得に集中すること!!
そんな風に考えられがちですが、そんなことは無いですよ。
実際にしっかり勉強して、しっかり遊んで英語を伸ばした人もたくさんいますし、コミュニケーション能力や新しい知識を身に付けるためにも、フィリピンで出会う色んなタイプの人達と日本語で話す余裕くらいあってもいいと思うんですよね。
ちなみに、CAEAの場合は社会人の方が圧倒的に多いです。
生徒さんには、会社経営者、投資家、弁護士、起業家、フリーランスで働く人などの普通の会社員とは違った経歴を持つ人が多いですので、お互いに少し話をするだけでもいろんな話が聞けて勉強になります。
日本では住んでいる環境が違って袖振り合うこともない人と気軽に知り合えることも留学の大きな魅力の一つです。日本語を話すデメリットよりも、話すことで得るメリットの方が遥かに大きいので、そこも考慮することをお勧めしたいですね。
以上、参考になれば幸いです。
カエア(CAEA)マネージャー
岸上 誠