数年前に世間を騒がした言葉、ノマドワーカー。
今この記事を読んでいる読者の皆さんは、少なからずこのノマドワーカーという言葉を聞いたことがあり、また、ノマドワーカーになりたいと思っている人たちではないでしょうか?
今回は、そんなノマドワーカー、特に海外でのノマドワーカーになるためのノウハウ、そして必要な語学力やスキルを数回にわたって紹介していきたいと思います。
海外ノマドワーカーになる道は、決して過酷ではありません。なろうと思えばすぐになれます。
では実際どうしたらいいのか、あなたの海外ノマドワーカーになるための手助けになれたら幸いです。
1.なぜ、海外ノマド生活をしたいのか?
1-1.そもそも「ノマド」ってなに?
「ノマド」という言葉をはじめて耳にしたとき、その聞き慣れない音感に戸惑いました。頭のなかに真っ先に浮かんだのは、大きなクエスチョンマークです。
「ノ(NO)マド(窓)!?」
「ノマド」という言葉がいったい何を意味しているのか、さっぱりわかりません。そこで、ググってみました。
ノマド(nomad)は、英語で「遊牧民」の意味。
近年、IT機器を駆使してオフィスだけでなく、様々な場所で仕事をする新しいワークスタイルを指す言葉として定着した。このような働き方をノマドワーキング、こうした働き方をする人をノマドワーカーなどと呼ぶ。ことばんく ノマドとは」より引用
ノマドの意味を知っても、なんとなくピンと来ませんでした。でも、最近は海外に出てパソコンを使ってフリーランスとして働くノマドワーカーが、ちょっとしたブームになっていることを知り、やっと気がつきました。
「ん?それってつまり、私のこと……だよね」
「ノマド」という言葉を聞いたこともなければ、意識したこともなかったものの、すでに十年以上続けている私自身のライフスタイルが、海外ノマドワーカーそのものなのだと知ったのです。
私は日本を離れてから早十数年、アジア各地をときには放浪し、ときには定住しながら、なんとか食をつないできました。生きるためには働かなければなりませんが、収入はいつでもパソコンを通して稼ぎ出してきました。
ライターとしての業務とweb制作やSEO対策などの業務が、私にとって二本の生計の柱です。
とはいえ、世間一般でイメージされているような海外ノマドワーカーとしてのカッコ良さや華やかさなど、私の住む世界にはまったく見当たりません。海外ノマドワーカーと聞くだけで、高城剛さんや安藤美冬さんのようなイメージを重ねるのは、大間違いです。
そりゃ、高城剛さんはカッコいいですよ。私だって憧れます。高城さんのように沢尻エリカのような美女と結婚してみたいと猛烈に思います。
え?多くの人が高城さんに憧れるポイントは、そこじゃないって?
そうですよね、多分沢尻エリカとは関係なく、世界を旅しながら大きな仕事を次々とこなしている高城さんのライフスタイルそのものが、憧れの的なのでしょう。
知名度が抜群の高城さんが、海外ノマドワーカーの頂点に君臨するのであれば、私ことドン山本は、海外ノマドワーカーの底辺に位置しているという自信が大いにあります。
でもですね、底にいるからこそ、はじめて見えてくる世界ってやつがあります。
今、あなたがこの記事を読んでくれているってことは、あなたも海外に飛び出してノマドライフを送ってみたいという願望が、ちょっとはあるってことですよね?
だったら、その方法を教えちゃいましょう。
高城さんのように優雅な海外ノマドワーカーになるのはメチャクチャ大変ですが、私のようにとりあえず海外に飛び出して、成り行きでノマド生活にチャレンジすることは、実はそれほど難しいことじゃありません。
海外で一人で暮らしていくために必要なのは、踏まれて踏まれても陽の光を目指す雑草のような精神力と、生計を立てるためのノウハウです。
さぁ、あなたも海外ノマドライフの扉を開けてみましょう!
1-2.人は昔から「自由」に憧れてきた
でも本題に入る前に、あなたが目指す「ノマド」というライフスタイルのポジションについて、もう少し深く踏み入ってみましょう。
なにを目的とするのかわからないまま闇雲に突き進んでみても、道に迷うのがオチです。「私は誰?ここはどこ?」と道行く人に問いかけることになっては大変です!
なにがあっても最後まで、自分を見失わないようにしてくださいね。
ノマドとフリーター・派遣社員の関係性
そのために、まず考えておきたいことは、「海外ノマドワーカーってすごいよね、自由だよね、あこがれるよね」と持ち上げる人が多い最近の風潮です。
その手の雑誌やブログを読む度に、「本当か?」と思わずつぶやいてしまいます。
ノマドこそが自由な生き方・自由な働き方の代表のように扱われ、企業や国家に束縛されない新しいライフスタイルだと持ち上げられている風潮には、なにやら得体の知れない気持ち悪さを感じてしまいます。
だってこれって、脱サラブームとか「フリーター」という言葉がもてはやされたときと、同じだと思いませんか?
フリーターは今でこそ、ちょっと痛い人たちのような扱いを受けていますが、「フリーター」という言葉がはじめて世に登場したときには、新しいライフスタイルとして大いに脚光を浴びました。
「フリーター」という言葉を流行らせたのは、リクルート社が発行するアルバイト情報誌「フロム・エー」の編集長だった道下裕史氏です。道下氏はフリーターを次のように定義しました。
「既成観念を打ち破る新自由人種。敷かれたレールの上をそのまま走ることを拒否し、いつまでも夢を持ち続け、社会を遊泳する究極の仕事人」
なにやらめちゃくちゃ、カッコ良くないですか?
ほら、あなたも明日から名刺の肩書きに「フリーター」と入れなくなったことでしょう。
でも、多分やめておいたほうがいいですよ。1980年代後半には新自由人としてもてはやされたフリーターですが、時代は移り変わり、今日では「まともに就職できないので、仕方なくやっています」的なニュアンスが強くなっています。
少なくともフリーターと書かれた名刺を見てカッコ良いと憧れる人など、今では一人もいないことでしょう。
フリーターの次に自由な働き方としてもてはやされたのが、2000年頃登場した「派遣社員」です。当時は会社に縛られない新しいライフスタイルとして、派遣社員になることをすすめる就職求人雑誌があふれていました。
でも平成の今、非正規社員の悲惨な現状が問題になっています。きちんとしたスキルをもって企業を渡り歩く一部の人たちは別としても、いつのまにか「派遣社員はかわいそうな人たち」と思われているようです。
そして今、フリーターや派遣社員に続く新しいライフスタイルとして「ノマド」が登場しました。「ノマドこそが、新たな自由な生き方・自由な働き方なのです!」と言われて、素直にうなづけますか?
というより、いつも「新しい」という言葉がつけられていますが、それって本当に新しいのでしょうか?
結局のところ、いつも「新しい自由な生き方」を模索しているだけで、時代に合わせて言葉が変わっているだけなんじゃないの、とつい思ってしまいます。
今はもてはやされている「ノマド」ですが、数年後にはフリーターや派遣社員という言葉同様に、ちょっと残念な響きをもって語られることになるのかもしれません。
だからこそ、ノマドがカッコ良くて新しいライフスタイルともてはやされている現在の状況は、少し疑ってかかったほうがよいでしょう。
人が自由な生き方に憧れを抱くことは、なにも今にはじまったことじゃないはずです。
人類は古くから自由を求めて戦ってきたのだと、なにも大上段に構えて拳を振り上げなくても、私たちの暮らしがある程度の自由を犠牲にして成り立っている以上、なにものにも縛られることのない究極の自由を求めることは、当然のことといえるでしょう。
人は自分にないものを求めます。
時間からの自由、場所からの自由、あらゆる人やモノからの自由、金銭からの自由、そうしたわずらわしい一切のことから離れて自由に生きてみたいと、心の底では私たちの誰もが思っているはずです。
日本でノマドの火付け役となったのは、2009年に佐々木俊尚氏が著した「仕事するのにオフィスはいらない-ノマドワーキングのすすめ-」です。その前後も含め、ここ十年ほどでノマドについての賛否両論が渦巻き、ネットで論争になっています。
しかし、ノマドという言葉自体は目新しいものであっても、自由を求める新しい生き方への欲求は、気が遠くなるほどの昔から人が追い求めてきたものです。今さらながら改めて褒めたたえたり、批判したりするほどのものではありません。
大切なのは、自由を求めるノマドというライフスタイルは幻想に過ぎず、フリーターや派遣社員同様にいずれ廃れていくに過ぎないものなのか。
それとも今までとは違って、本当に自由への扉をこじ開けるだけのなにかがあるのか、そのどちらなのかを見極めることです。そのあたりの事情を、もう少し探ってみましょう。
1-3.ノマドが世界を征服する?
「ノマド」という言葉は、なにも日本だけで流行っているわけではありません。そこは、フリーターや派遣社員と大きく異なります。
「フリーター」は「フリー」と「アルバイター」を重ね合わせた和製英語に過ぎず、英語圏にはない言葉です。
英語圏の国で「フリーター」と得意げに名乗ってみても「You!なに言ってますか?」と不思議な顔をされるだけです。「派遣社員」という言葉にしても、日本と海外では言葉のもつイメージが大きく異なります。
しかし、「ノマド」はもともと哲学用語として世界的に使われた言葉です。
これまでの社会になんとなく違和感を覚えて、外からやって来る思想を「ノマド的」と表現したのがはじまりです。海外でも日本で使われている「ノマド」と同じ意味合いで十分に通用します。
さらに、ヨーロッパ最高の頭脳と呼ばれるジャック・アタリが著書「21世紀の歴史」のなかで「今後、世界中のすべての人が望むと望まないにかかわらずノマドになる」と大胆な予言をしたことで、世界中に「ノマド」が広がっていきました。
小難しい理論はここではばっさり省略します。気になる人は、書籍を読んでみてください。結論だけ言えば、アタリという人は類い希な予知能力をもっていたようです。
すでに2008年の時点でアタリは、高城剛さんと私の出現を予言していたからです。
高城さんのようなエグゼクティブなノマドを「ハイパーノマド」、私のような一般庶民のノマドを「下層ノマド」とアタリは呼びました。ハイパーノマドと下層ノマドは定住をよしとせず、海外を移住しながら暮らしています。
その中間にどこかの国に定住しながらも、ネットやガジェットを使うことで国境を越えるバーチャルノマドという存在がおかれています。そして、この3種のノマドのどれかに全人類がやがてなるのだ、と予言しています。
もっともバーチャルノマドを「ノマド」の一員としてカウントするなんて、「ずるくね?」と思ってしまうのですが……。
ともかく、今ノマドとは縁遠いあなたであっても、近い将来には必ずノマド化するとアタリは述べているわけです。
ヨーロッパの頭脳と称されるほどに、偉大な経済学者であるアタリがそう言っているのですから、無下に「そんなことはありえん!」と却下すると罰が当たるかもしれません。ここは素直に、全世界がノマド化する方向で動いているのだと信じることにしましょう。いつの時代も、信じるものは救われるのです。
考えてみれば「ノマド」の語源となった「遊牧民」にしても、言葉のイメージと実際の姿の間には大きな差があります。
モンゴルの草原でトナカイなどを遊牧させながら移動を繰り返す遊牧民は、のどかで平和なイメージに満ちています。しかし、彼らは生まれながらにして騎馬遊牧民としての顔ももっています。
チンギス・ハンに率いられた騎馬遊牧民はモンゴルに大帝国を築き、やがてその子孫たちはヨーロッパへと侵略の手を伸ばしました。彼らは無敵の強さを誇り、まさに世界を征服しようとしたのです。
人畜無害を絵に描いたようにおとなしいはずの遊牧民が、やがて世界を呑み込もうとしたように、自由を個人的に楽しんでいるだけに見えるノマドが、そのうち世界を征服するのかもしれません。
なぜなら、ここ数十年で私たちの社会は大きく様変わりを遂げたからです。もはや既存の社会制度や習慣、価値観などが通用しない世界が、すでにはじまっています。人類史上かつてないほどの大きな技術革新が、私たちを今、襲っています。
その正体は「IT革命」です。IT革命はまだ終わっていません。ビットコインを中心とする仮想通貨の普及、それによってもたらされたブロックチェーンによって広がる可能性、さらに人工知能とが複合的に結びつくことで、IT革命はいよいよ仕上げの時期を迎えています。
アタリの説く、全人類がノマド化するという理論の土台になっているのもIT革命です。つまり「IT革命による当然の帰結として全人類のノマド化は予定されている」ということです。
どうやら、私たちが海外ノマドワーカーへの道を進むのは、これまでのフリーターや派遣社員で繰り返されてきた、まやかしの自由への誘いとは一線を画すようです。
IT革命が海外ノマドワーカーを数多く輩出している、という大きな流れがあることを抑えた上で、海外に向けてさらなる一歩を踏み出してみましょう。
2.海外デジタルノマド生活は、なぜ可能になったのか?
IT革命は全人類をノマド化する方向へと、世界を引っ張っています。それとともに、デジタルノマドと呼ばれる人々が、欧米圏を中心に増えています。
時間と場所にとらわれない仕事を生業とし、IT技術を用いることで好きな場所で暮らすというライフスタイルが、デジタルノマドです。
欧米圏ではロケーション・インディペンディント = Location Independent (professional)と呼ばれることが一般的です。「場所から独立する」という意味です。
働く場所を自由に選ぶことができれば、多くのことから人は解放されます。国内に縛られる必要もありません。
では、IT革命により、なぜデジタルノマド生活を海外に出てはじめる人が、このところ急激に増えたのでしょうか?
その理由を知ることで、今こそ海外に出るという選択肢が、かなり現実味を帯びてきます。
2-1.IT技術の進歩
世界がインターネットで結ばれたことにより、ITが登場する前と後では世界の広さが劇的に変化しました。ITのおかげで今や世界は驚くほど身近になり、地理的な遠近感は以前よりぐっと狭まりました。
海外に出てもメールやライン・スカイプを通して瞬時に打ち合わせができるため、国内に留まっているときとほとんど変わらない環境で仕事ができます。
ことに、ここ数年でクラウド技術が大きく進歩したことにより、もはや大容量のデータを持ち運ぶ必要もなくなりました。
仕事に必要な資料はdropbox、Google Driveなどのオンラインストレージにすべて放り込むことで、いつでもどこからでも端末ひとつあればすぐにアクセスできます。スケジュールもプロジェクト管理もデータも、すべてクラウド上におくことができます。
書籍や画像など、すべてをデジタルとして処理できる技術が進んだことも、身軽な移動を可能にしました。
どれだけ大量の蔵書があろうと、自炊してPDFにしてしまえばハードディスクのなかに簡単に収まってしまいます。kindleひとつあれば、数千冊の書籍を持ち歩くこともできます。まるで書斎ごと背負って移動しているようなものです。こんな日が来るとは、10年ちょっと前には想像もできませんでした。便利な時代になったものです。
仕事の上で簡単なミーティングを行うときには、スカイプが役立ちます。画面を共有することでパソコン上の情報はすべて相手と共有できるため、とても便利です。この機能を使いこなすことで、顔を突き合わせて打ち合わせをするとき以上に、効率的に情報を伝えられます。
IT技術を駆使することではじめて、どの場所にもなにものにも束縛されないデジタルノマドという生き方が可能になったってわけです。
2-2.時代はフリーランスを求めている
欧米圏には日本のような終身雇用制はありません。実力がすべてであり、各プロジェクトごとに最適な人材を求め、仕事を割り振ります。そのため、企業にとっては雇用契約ではなく、業務契約によって仕事を請け負ってもらったほうが、なにかと都合が良いわけです。
欧米圏では、どこの企業にも属さないフリーランスが数多く活躍しています。彼らはデザインやプログラム・ライティングなどのプロフェッショナルです。
そうしたプロフェッショナルなフリーランスと企業とを結びつけるマッチングサイトが、web上で大きな存在感を見せています。
フリーランスをする上で一番の障害となるのは、いかに仕事を受注するかです。独自のネットワークや営業ルートを活用することが一般的ですが、そこへ至るまでには長年の経験と実績が必要になります。
ところがマッチングサイトを利用すれば、独自のネットワークや営業ルートがなくても手早く仕事を見つけられます。
欧米圏では、マッチングサイトを活用することで、フリーランスが企業から仕事を請け負うという流れが、すでに確立しています。
マッチングサイトもまた、ITによって生み出されたものです。IT革命は技術の進歩だけに留まらず、仕事のあり方そのものを劇的に変えてしまいました。
世界的に起きているフリーランス活用の流れは、日本にも及んでいます。以前は企業間の取引でなければ信用できないという風潮が強かったものが、最近ではだいぶ緩和されてきました。フリーランスの個人に仕事を発注する大手企業も、どんどん増えてきています。
日本でも、フリーランスが仕事を請け負うためのビジネスマッチングサイトが大人気です。ただし、問題はそれらのクラウドソーシングサイトの実態が、欧米圏のマッチングサイトに見られるプロフェッショナルの活用というよりは、誰でもできる単純作業の内職紹介としての面が強いことです。
日本では、経験と実績を積んでからフリーランスとして独立するプロフェッショナルが多いため、企業にしてもフリーランスにしても欧米ほど切実にマッチングサイトを必要としていない事情があるようです。
それでも、フリーランスを活用する流れは世界的な潮流であることから、腕に自信さえあれば十分にやっていけるだけの下地がすでにできています。
クラウドソーシングサイトを経由して受ける仕事の単価は低くても、実力が認められることで好条件で直接仕事を受注するチャンスも転がっています。
フリーランスを活用しようとする企業が増えたことで、デジタルノマドにとってはかなり風通しの良い状況を迎えています。
国内のフリーランスは1000万人規模へ
2-3.物価差を利用すれば豊かに暮らせる
IT技術の進歩により場所にとらわれずにどこでも仕事ができる環境が整い、フリーランス活用の高まりによって個人でも仕事を請け負えるチャンスが広がりました。そうなれば次に考えることは、どうすれば豊かな生活を送れるのか、ということです。
普通に考えて収入が増えれば、それだけ豊かな生活を送れます。でも逆転の発想もできるはずです。収入は増えなくても、物価が全体的に低くなれば、やはり生活は豊かになります。
そこで、いっそのこと物価の安い国に移住してしまおう、という選択肢が浮かび上がります。
現在の世界は、国によって物価に大きな開きがあります。日本のような先進国の物価に比べて、東南アジアにある発展途上国の物価ははるかに安く抑えられています。
でも物価が安いからといって、そこに暮らしている人たちが豊かな生活を送れているわけではありません。物価が安いと、収入も低いからです。
対して先進国では、物価も高いけれど、収入も高いことになります。どこの国であれ物価と収入が釣り合っているため、そこそこの生活が成り立つ仕掛けになっています。
では、そのバランスを崩しちゃえばどうなるでしょうか?
先進国の企業相手に仕事をすることで高い収入を維持したまま、物価の安い国で生活をすれば、日々の暮らしは当然ながら豊かになります。
よくクルマや電化製品などを作る企業が、人件費の安い海外に工場を作りますよね。人件費を浮かすことで、商品の製造コストを大幅に抑えるためです。
デジタルノマドワーカーがやっているのは、この逆です。高い人件費を受け取りながら物価の安い海外で暮らすことで、生活の質を高めているわけです。
デジタルノマドワーカーは海外で仕事をしても、現地採用されているわけではありません。日本人デジタルノマドワーカーであれば、仕事は日本の企業から受注しています。そのため、収入の額は日本にいても海外にいてもなにも変わりません。
しかし、家賃にしても食費にしても大幅に物価が下がるため、日本で暮らしていたときよりもはるかに贅沢な暮らしができます。
掃除や洗濯が面倒であれば、気軽にハウスキーパーを雇うこともできます。たとえばタイであれば住み込みのハウスキーパーを雇っても、月に2万円ほどです。
日本で暮らしていたときと同じくらいの家賃を出す勇気があるなら、プールつきの豪邸で暮らすこともできます。都会で暮らしていた場合は、狭苦しいワンルームのマンションから一気に高級ビレッジ内の豪邸へと、ライフスタイルを華麗にグレードアップできるってわけです。
自宅のプールサイドでメイドに用意させた冷たい飲み物でも口にしながら、優雅なひとときを過ごすあなたを想像してみてください。
欧米のデジタルノマドワーカーのほとんどは白人です。彼らはビーチやリゾートに移動しては贅沢な時間を楽しみながら、パソコンを使って仕事をしています。
もしくは一般的な生活をして貯金をしっかり貯める方もいます。実際、アジアで生活している方の中には、「東京で生活していた時よりも、多く貯金できるようになった」と喜んでいる方もよく見かけます。
物価差を賢く利用すれば、あなたにもそんな生活が待っています。
海外デジタルノマド生活は、ITの発達とともに、国によって物価や為替が異なるという現代の抱える矛盾を利用して生まれた新しいライフスタイルといえるでしょう。
海外ノマドについては、これより数回に分けてシリーズとしてお届けします。次回は「本当にノマドで海外暮らしができるのか?」という疑問について、ストレートに答えます。
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