体験ダイビングをして興味を持った方も、しないでいきなりライセンスを取る方も、講習を通じてダイビングの正しい基準手順を守り、しっかりとした知識を身につけ、ダイビングライセンスであるオープンウォーターのCカードを取得して自由に海を泳ぎましょう。
そのためにも、なにも理解のないままいきなりお店に行き講習を受けるのでは少し不安です。
オープンウォーター講習というものが、一体どういった内容でどんなことを勉強し、どんな基準手順があるのかを知ってからでないと、お店によっては利益だけを求めた悪質な内容の講習をするところがあるからです。
そのままそこのお店でライセンスを取得しても、実際に海へ出掛けるとなにもできない、わからない状態で周りに迷惑をかけるだけではなく自らの命の危険を晒すことになるからです。
そういった事態を防ぐためにも、ある程度の予備知識は必要となってきます。
今回は、ダイビングライセンスであるオープンウォーター取得のための講習を、徹底的に解説していきたいと思います。
これを読めばスムーズにライセンス取得できることでしょう!皆さんが一人でも多くダイビングのライセンスを取得し、海へと足を運ばれることを心より楽しみにしています。
ライセンス取得と書いてありますが、実際はダイビングをするにあたっての資格はありません。Cカードと呼ばれる認定証が発行されて、そのカードを提示することによって国内外の海へ潜れるようになっています。
ライセンス取得という言葉はあくまでもわかりやすく書いてありますので、誤解のないようにお願いします。
実際は認定証です。わかりやすくライセンスと書いてあることにご理解とご協力をお願いします。
※ダイビング指導団体によって、名称や認定証のランクの名前などが異なってきます。また、講習内容や推奨する講習の内容も異なってきます。
今回は指導団体で最大手の『PADI』という団体を例にご紹介していきます。ご理解とご協力をお願いします。
また今回は、ダイビングのライセンス取得としてはじめて得るCカードとして、オープンウォーターライセンスを推奨し書いています。
実際オープンウォーターライセンスの前に『スクーバダイバー』というオープンウォーターよりももっと手軽で簡単に安く、日程も短く取得することのできるCカードがあります。
ただ、こちらのCカードは水深が12メートル以内であり、なおかつインストラクターなどPADIプロフェッショナルの監督下でのみダイビングを楽しむことができる認定書です。
自由度がかなり下がることと、知名度が低いということで最初の取得には、オープンウォーターをオススメしています。
以下の記事で、オープンウォーターの略称を『OW』と記載します。
OWを取得にあたっての予備知識
■ ダイビングが出来ない持病を持っていないか確認する。
ダイビングが出来ない病気がいくつかあります。ライセンス取得にあたってかならず『病歴/診断書』をお店に提出する義務があります。かならず全てに目を通し、それに該当することがないか確認してください。
該当する項目があった場合、医師の診断書が必ず必要になります。医師の確認を必ず受けてください。
■ ダイビングのOW講習を受けられるのは15歳以上から
■ OW講習の内容をざっくり把握する。
内容は『知識の開発と呼ばれる学科講習』+『限定水域と呼ばれる足がつく場所での5つの部門を練習』+『海洋と呼ばれる流れや波がある下での環境下での5つの部門を実践』です。
その5つの部門を4ダイブに分けて実践し、ライセンスを取得することになります。
簡単に言うと、学科と、足がつくところでスキルの練習、そして足のつかない深場でそのスキルを変わりなく出来るか実践という形を、ひたすら繰り返していきます。
■ 実際練習するスキルの内容をおおまかに知る
こちらをやります。一見してかなり多いように思われますが、流れ作業としてつながっている部分が多数あるのでそこまで苦痛に感じることはありません。
■ 視力が極端に悪い方、ハードコンタクトを使用している方は事前に度入りのダイビングのマスクを買うことをオススメします。お店によっては度入りのマスクを用意していなかったり、度が合わなかったりするためです。
■ 学科はお店によって、e-ラーニングと呼ばれる事前学習が受けれる場合がある。
e-ラーニングとはあらかじめパソコンやスマホなどで学科の勉強ができるシステムです。これを受けることによって取得日数の短縮にも繋がりますし、知識が頭にある状態で講習を受けるととてもスムーズなためです。
対応しているところは、e-ラーニングで受けてみてもいいかもしれません。
■ 提示されている料金になにが含まれていて、なにが含まれていないのか。総額をきっちりと把握する。
料金が不透明なお店も少なくはありません。すべて含まれているお店もあれば、申請料や教科書代が別だったり、船を使うと割増料金だったり、海の海洋保護区代など税金と呼ばれるものが別だったりする場合もあるので、総額を把握し、納得した上で講習を受けましょう。
■ かかる日数はお店によって違う
二日間で取れるところもあれば、最低でも三日間と設定しているところもあります。取得するための日数にどれほどの日数がかかるのか把握しておきましょう。
OWライセンス講習の実際の流れを紹介
例:セブのマクタン島にあるダイビングショップ allblue のOW講習スケジュール
1日目 午前8時頃
まず初めに学科講習からスタートです。最初にイメージしやすいようにDVDを見ます。その後、インストラクターの解説を交えながら教科書を読み、教科書の5つある部門のそれぞれの最後にあるナリッジリビューと呼ばれるテストを埋めていきます。
減圧症とは何か?ダイビングで急浮上してはいけない理由は?なぜ、ダイビング後の12時間以内の搭乗はダメなのか?この学科講習を通じて理解することと思います。
そういった、もっと詳しい理屈や概念を学科講習でしっかりと学びます。しっかりと理解し、わかるまでインストラクターに何度も質問してください。
1日目 午前11時頃
部門3ぐらいまで終わったら、学科講習はいったん終わりにして器材のセッティング方法を学びます。その後、水着に着替えて1日目では3本を潜ることを目標にスキルの練習を進めていきます。
おおまかな内容としては、マスククリア(マスクに水が入ったときの対処)、マスクを水中で外して装着し直す、レギュレーターリカバリー(呼吸器を外して手から離した状態で復元させる方法)、ハンドシグナルの確認、残圧の知らせ方、5ステップでの潜行方法、ホバリング(空気を吸うと浮かび、吐くと沈む)、バックアップ空気源の利用(エア切れの対処法)、BC(ライフジャケット)の操作、水中でのウェイト脱着、水中・水面でのスクーバキットの脱着などを一気に学びます。
一つ一つしっかりとインストラクターのデモンストレーション(実演)を見て、焦らずやれば大丈夫です。
1日目 午後4時過ぎ
体調と相談しながら、2本または3本潜り終わったら終了です。やったスキルを確認して、今後もできるようにイメージトレーニングをしましょう。出来なかったスキル、もっと練習が必要なスキルは明日もまた練習します。焦らずできるようになりましょう。
1日目 午後5時過ぎ
疲れていなく、やる気がある方は学科を再開させます。疲れていたり、リフレッシュしたい場合は、残りの2部門での教科書のクイズは宿題になります。
1日目のうちに必ず5つの部門のクイズは終了させます。それが終わったら本日は終了です。
2日目 午前8時
前日にすべて教科書のクイズが終わっていれば、海に出掛けます。宿題にした場合は、答え合わせをして間違った箇所を確認してから海へ出掛けます。
前日2本潜った人は、今日も2本、前日3本頑張った人は今日は1本のみです。がんばりましょう!
本日は基本的に残りのスキルを一気にやります。内容としては、緊急スイミングアセント(エア切れの状態での緊急浮上)、足がつった場合の治し方、疲労ダイバー曳行(水面でダイバーをひっぱりながら泳ぐ)、コンパスナビゲーションがメインです。
2日目 午後3時
4ダイブ全てが終了しました。海洋実習は終わりです。
残りは学科講習の最終テストとRDPと呼ばれるダイビングプランの立て方の方法のみとなります。RDPはインストラクターと共に問題を解いていきます。最近ではダイブコンピューターと呼ばれるものが普及されているので、使う機会は少ないのですが、理屈を理解することはダイビングをする上で必要です。
最終テストの問題は50問、75%の正解率で合格となります。最終テストの前に、要点をまとめたクイズを受けることも可能です。不安な方は受けておきましょう。
見事!これらの最終テストに合格しましたら晴れてOWダイバーとしてCカードを手にすることができます。焦らずやったことを思い出しながら頑張りましょう。
2日目 午後4時
テストが終わり無事に認定されたら、最後にログブックと呼ばれるものを記入していきます。
これはタンクの数ごとに、『日にち』『潜った場所』『時間』『水深』『水温』『タンクの種類』『ウェイト量』などを記録する手帳となります。
これは今後、ダイビングをしていく上でとても大切なものになりますので、きちんと記録し毎回のダイビングにCカードと共に持参してください。
特に初心者の頃はわからないことだらけです。このログブックが記録となり、その人のアルミやスチールタンクでの適正ウェイトなどを知らせてくれる手がかりにもなるのです。
今回の講習で4本潜ったことになりますので、4本分をログをインストラクターが教えてくれますので記入します。
ログを書き、申請に必要な申し込み用紙に記入、写真の添付をしおわったら、インストラクターの方からテンポラリーカード(カードが届くまでの仮の証明書)をもらいましょう。
これがあると、本カードが届くまでの間にダイビングをしたくなっても、この仮カードを提示することによって証明することができ、潜ることが可能となります。
本カードが届くまで必ず保管しましょう。
以上が、実際にあるダイビングショップを例にしたOW講習の実際の流れです。
ただ、担当するインストラクターによって内容が前後したりします。また、しっかりとした泳力テストやそこまで重要視しないスキルを日程の関係上飛ばすこともあります。
お店や担当インストラクターによってそこは変わってきます。
さて、このOWのCカードを持ってダイビングするということは、『ダイバーとしての知識・スキルが身についている』ということの証明になります。
Cカードを取得したお店でずっと永遠に潜り続けるのであれば、インストラクターさんはあなたを熟知しているので問題はありませんが、そういった方はほぼいません。
皆さん必ずどこか別の海に出掛け、そこの地域のダイビングショップを利用することと思います。
そこでこのカードを提示し、ガイドをつけてダイビングをするにあたって、知識がない・スキルがまったくできていないということはあってはならないことです。
そうならない為にも、出だしのところで説明したように、しっかりとお店を選び、信頼できるインストラクターのもとでライセンスを取得するように心がけてください。
周りのダイバーのためにも、また自分自身のためにも、それは必要不可欠です。
ダイビングが上達するコツはひたすら潜り続けることが重要です。
なるべく間隔をあけず、50本に到達するまでは潜り続けましょう!その頃になれば、一定の水深に手足を動かさずに停止することができ、心身ともにリラックスしてダイビングができている頃でしょう。
ダイビングは頻繁にされる方は問題ありませんが、年に1回潜る、もしくはそれ以下という方が半数以上いらっしゃるのも事実です。
スキルを忘れたという方もご安心ください。お店によってはスクーバリビュー・プログラム(リフレッシュコース)というコースを設けているところがあります。
これは、通常のダイビングとは異なり、講習でやった内容を思い出しながらその人に適した方法でダイビングを進めてくれます。このコースを受けて講習の内容を思い出し、楽しいダイビングを満喫してください。
さらにステップアップしたい方は、『アドバンスドオープンウォーター』というステップに進むことになります。
オープンウォーターのCカードでは基本的に水深18メートルまでという制約が、アドバンスを取ることにより30メートルまで潜ることが可能になり、世界のどの海へ行っても通用することとなるでしょう。
ダイビングライセンスを取得したらファンダイビングに出掛けよう!そのノウハウをまとめました。
参考にしたサイト様
→PADIオフィシャルサイト