「must have, should have, could have, would have」どれも助動詞に「have」がくっついた仮定法過去完了と言われる形ですね。なんとなくは意味が分かるけど、使い方が分からないという方、多いのではないでしょうか。
ジブリアニメを観ながら英文法を学ぶシリーズでは、実際にジブリアニメで使われているシーンを基に英文法の使い方とニュアンスを学びます。英会話学習に必要な、英語のニュアンスを英語のまま掴むことができますよ。
今回は、”ハウルの動く城”を観ながら、「must have, should have, could have, would have」のそれぞれの意味と使い方を勉強します。
must have, should have, could have, would haveの共通ルールと文法
これらは全て、現実には起きていない仮定上の過去の話をする時に使われる言葉です。
そして文法ルールは、「must/should/could/would + have + 過去分詞」の形です。主語が変わっても動詞の活用は変化なく、全て同じ形です。
must have+過去分詞 ~に違いない 過去の強い推測
~だった(した)に違いないと過去の事を限りなく事実に近い確証を持っているニュアンスで使われます。
ハウルの例を見てみましょう。
ソフィの妹が、ソフィと会い話しているシーンです。ソフィがハウルに出会い、空を飛んでベランダに降りてきた様子を聞いて答える台詞です。
英語訳:Wow. He must have been a wizard, then.
ソフィの妹は、ソフィが出会ったハウルの事を、絶対に魔法使いだと思っているというニュアンスが込められています。「彼は魔法使いに違いない」というニュアンスが現れていますね。
「He must be a wizard.」と現在形の形で言う事も出来ますが、もうハウルはどこかに消えてしまっており、過去に起きたことを強調する要素も含めて「must have been」が使われているのでしょう。
(もし彼女が知っていれば、彼女はその会議に来たに違いない)
He didn’t come to the party last night. He must have been busy.
(彼は昨日パーティに来なかったね。忙しかったに違いない。)
should have+過去分詞 ~するべきだった 過去の後悔
~するべきだったと過去のことを後悔しているニュアンスが含まれます。
ハウルの例を見てみましょう。
ソフィーが朝ごはんを作るためにカルシファーに火をつけて欲しいと頼みましたが、カルシファーは断ります。そこで、ソフィーがカルシファーを脅して無理矢理つけさそうとします。そこでカルシファーが嘆くように言う台詞です。
英語訳:Oh! Stupid me! I never should have let her in here.
「I should have let her in」で、入れるべきだったです。ここでは、notよりも強い否定形の「never」が入っているので、「入れるべきではなかった」という意味になります。
「shouldn’t have let her」でも意味は同じになりますが、カルシファーの強い後悔を表すために「never」が使われています。この様に、「should have」は、過去を振り返って後悔していることや反省しているニュアンスを表します。
(酷い二日酔いだ。昨日飲みすぎなければよかった)
I couldn’t convince my customer. I should have done more reserch.
(お客さんを納得させれなかった。もっと調べていけばよかったなぁ)
could have+過去分詞 ~できたかもしれない 過去の可能性
~できたかもしれない、と実際には起きなかった過去の可能性について言及しているニュアンスです。
ハウルの例を見てみましょう。
ソフィは自分達がいる城を守るためにハウルが戦っている事を知り、城を荒れ地から別の場所に移動させたシーンです。ハウルが戦いをやめさせる為に取った行動でしたが、結果、城を壊してしまう結果となり、カルシファーが言う台詞です。
英語訳:I told you we should have stayed put. Howl and I could have handled it.
「守ることができたかもしれない」という意味で、「could have handeled it」と使われていますね。けれど、実際には守ることができませんでした。この様に、実際には起きなかった過去の可能性を伝えるニュアンスとして、「could have」が使われます。
(大学にそのまま進学できたかもしれないけど、1年旅をすることに決めた。)
また、過去に起きたことを推察して、~したかもしれないという時にも使われます。
例:She could have forgotten that we had a meeting today.
(彼女は今日私たちがミーティングをすることを忘れていたのかもしれない)
would have+過去分詞 ~だっただろう 想像上の過去の話
実際には起きていない想像上の話で、~だっただろうと使うニュアンスです。
仮定の意味を表すIf ~と一緒に使われることが多いです。ハウルの例を見てみましょう。
呪いをかけられていた、かかしのカブがソフィのキスによって本来の王子の姿に戻ることができました。
「もしソフィが助けてくれなければ・・・」に続くセリフです。
英語訳:I would have been a scarecrow for the rest of my life.
「もし助けてくれなければ」と、過去のことを想像していますよね。「I would have been a scarecrow for the rest of my life」は直訳すると、「一生カカシのままだったでしょう」という意味です。
実際は王子に戻れたのですが、過去の想像上の話をする時に「would have 過去分詞」が使われます。
(もし私たちがもっと会話をしていれば、問題はもっと少なかっただろう。)
If you had arrived earlier, you would have caught your flight
(もしもっと早く着いていれば、飛行機に乗れたでしょう)
発音の注意
実際にネイティブスピーカーが「must have, should have, could have, would have」の言葉を使う時は、短縮して発音する事が多いです。
must have → must’ve (マスタヴ)
should have → should’ve (シュダッヴ)
could have → could’ve (クダッヴ)
would have → would’ve (ウダッヴ)
ネイティブスピーカの様に発音する必要はありませんが、この短縮された発音を知っておかないと実際の会話で聞き取れないので声に出して実際に確認してみることをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか?
一見難しい様に感じますが、主語が何になっても文法の形は変わらないので一度理解してみれば応用しやすい文法でもあります。4つとも日常会話ではとてもよく使われるフレーズなので、自分の事にあてはめて色々な例文を練習してみてくださいね。
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