Almost students have a mobile phone.
Most students have a mobile phone.
突然ですが、どちらが正しい文章か分かりますか?
多くの日本人が苦手であると思われる「almost」と「most」の使い分け。日本語ではどちらも「ほとんど」と訳されるので、間違っていることにも気付かず、何となく使っている方が多いのではないでしょうか。
ジブリ映画を観ながら英文法を学ぶシリーズでは、実際にジブリ映画に使われているセリフをもとに、ネイティブスピーカーが使う英語のニュアンスと英文法を学びます。
今回は、「ゲド戦記」から、間違いやすい「almost」と「most」の違いを徹底的に解説します。
目次
almostとmostの大きな違い
「almost」と「most」の最も大きな違いは、ずばり品詞です。
「almost」は副詞の為、動詞や形容詞など名詞以外を修飾し、「most」は形容詞の為、名詞を修飾します。
この基本的違いを理解しておけば、それぞれ頭に入りやすいですよ!
では、それぞれの意味と使い方を見ていきましょう。
almostの意味・・・もう少しで/ほとんどを表す副詞の役割
「もう少しで~する」や「ほとんど~した」等のニュアンスで動詞や形容詞を修飾します。「almost」は副詞なので、「almost」の後に名詞が直接くることや、「almost of」と言うことができないので注意しましょう。
ゲド戦記の例を見てみましょう。
少年アレンと出会ったハイタカ(ゲド)。世界の均衡を保つために、二人で旅に出ることになりました。途中、ハイタカがアレンに向かって言う台詞です。
英語訳:Come along. We are almost there.
「We are almost there」で、「私たちはもう少しでそこに着く」というニュアンスになります。
ここで「almost」は「もう少しで」という意味で副詞の役割をしています。この言い方、日常会話でもとても良く使うのでぜひ覚えてくださいね。「We almost arrive there.」などとは言いません。
もう一つ例を見てみましょう。
魔法使いのクモに囚われてしまったハイタカと友人のテナー。いよいよ追い詰められたところで、ハイタカがテナーに向けて言う台詞です。
英語訳:Don’t you hear it, Tenar? Help is almost here.
「Help is almost here」で「助けがもうすぐここにくる」というニュアンスですね。ここで、1つ目の例と同じく「almost」は「もうすぐ」という副詞の役割をしています。
この様に、「もうすぐ~する」の「もうすぐ」や「ほとんど~した」の「ほとんど」を表すニュアンスとして「almost」は使われます。
一般動詞の場合は、動詞の前に「almost」、
Be動詞の場合が、動詞の後に「almost」がくる場合が多いです。
Did you finish your homework? I almost finished it.
(宿題は終わった? ほとんど終わったよ。)
For a moment she almost panicked.
(しばらくの間、彼女はほぼパニックでした)
He’s almost forty.
(彼はほぼ40歳です。意訳だと、彼はアラフォーです。)
almost+ every/all/alwaysの意味・・・ほとんど(全ての)~名詞という意味を表す
「almost」はその直後に名詞を言うことはできませんが、「all」、「every」、「always」をつけることで、「ほとんど(全ての)+名詞」という意味として使うことが出来ます。
〇「almost」+「all/every/always」+「名詞」 例:〇almost all students
例文を見てみましょう。
(私の親戚のほぼ全員がアメリカに住んでいます。)
It’s not unique to this area. I see it almost every park.
(それはこのエリア特有ではありません。どこの公園でも見かけます。)
I go to see my parents almost every week.
(私はほぼ毎週、両親に会いに行っています。)
He complains about his job almost always.
(彼はいつも仕事の愚痴を言っている。)※almost alwaysで「いつも」の意味
mostの意味・・・ほとんどを表す形容詞の役割
形容詞として、「most」の後に名詞がくることで、「ほとんどの×××は」、という意味で使われます。主に、一般的な事実や不特定多数の事を指すことが多いです。
Most people give up on themselves easily.
(多くの人が簡単に自分自身に諦めてしまう。)
Most students have a cellphone.
(ほとんどの学生が携帯を持っている)
most ofの意味・・・(範囲を狭めた)ほとんどの~を表す
「most of 名詞」の形で、範囲を狭めた「ほとんどの~」と使われます。
ジブリの例を見てみましょう。
英語訳:No, We have captured most of them.
「most of them」で「彼らのうちのほとんど」という意味です。
ここでの「彼ら」とは、逃げた人たちのことを指すので、「逃げた人たちのほとんど」という意味になります。この様に、ある範囲の中でほとんどというニュアンスを表したい時には、「most of」を使います。
Most of the students that I have seen were sleeping.
私が見た生徒のほとんどが眠っていました。
I spent most of my time alone in my childhood.
(私は子供の時、ほとんど時間を一人で過ごしました。)
まとめ
いかがでしたか。
「almost」と「most」の違いで最も重要なのは品詞です。「almost」は副詞、「most」は形容詞の為、その後に続く単語が変わってきますよね。
「ほとんどの××」と言いたい時は、
almostを使う場合、
「almost」+「all/every/always」+名詞 もしくは
「almost」+「all/every/always」+of +名詞 (※範囲を狭めた言い方)
mostを使う場合、
「most」+名詞、もしくは
「most of」+名詞 (※範囲を狭めた言い方)
「ほとんど~する/ほぼ~です」と言いたい時は、
Almostを使って、
「主語」+be動詞+「almost」~
「主語」+「almost」+一般動詞 ~
mostは使えません。
些細な違いではありますが、文法として正しい英語を使いたいですよね。いざ使おうと思うと迷ってしまうので、ジブリの例を参考に実際に声に出して、さっと使い分けができる様練習してみてくださいね。
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