楽しく安全なダイビングを皆さんはしていますか?残念ながら毎年、ダイビングに関する事故は起こっています。完全に無くすことは難しいですが、予防することは可能です。
ダイビングの事故は少し意識を変えるだけで防げるものです。スキューバダイビングの事故例を元に、検証し対応策を考えてみましょう。
ダイビング事故ケース1
事故例① バルブの開放不足が原因での呼吸困難 参照サイトはこちら
亡くなった女性は兵庫県西宮市の大井貴美絵さん。大井さんは夫と一緒に、ダイビングスクール運営会社「ティックジェイケイ」(大阪市)が主催するツアーに参加した。1週間後に新婚旅行で海外のダイビングスポットに行く計画で、事前練習のつもりだった。
ツアーの参加者は大井さん夫妻を合わせて19人。三重県尾鷲市の三木浦に到着した後、2つのグループに分かれて海に潜った。それぞれのグループにはテ社の従業員らが2人ずつ、ガイドとして付き添った。
事故は、この日2回目のダイビングで起きた。
潜水開始から間もなく、大井さんは背負っていた空気ボンベから十分な空気が供給されず、呼吸困難に陥った。バルブの開放不足が原因だった。15分後、防波堤近くの水深5メートルの海底に沈んでいるところを釣り客に発見され、病院に搬送されたが、4日後に死亡した。
検証
この事故は、バルブの開放不足が原因とする呼吸困難からのパニックが原因だと書かれています。ツアー参加者は19人、ガイドが2人となるとガイド一人につき9人みることになると思います。
ガイドがツアー客全員の器材のセッティングを見れなかった、そしてダイビング中も全員を常にチェックすることができなかったと思います。
対応策
ダイビングはガイド一人につき4人、多くて6人が限界です。それ以上のチームでダイビングを行おうとしているショップでは潜らないでください。勇気を持ってダイビングをしないことも大切です。
また、バルブ開放不足でもバディシステム(二人一組)を守っていれば対応は可能です。バディにバルブが開いてないからあけてと伝えて開けてもらいます。また、自分で開けることもできるので実際にどうやるか試してみましょう。
大人数なのにガイド一人で平気で潜っているショップは利用しない、これを徹底してください。
ダイビング事故ケース2
事故例② マスククリアができずにパニック! 参照サイトはこちら
事故者(20代男性)は、インストラクターに引率され最大水深17mでダイビングを行なっていたが、ダイビングを終えて水深10mから浮上しようとした際、マスク内に海水が浸入しパニック状態になってもがきながら急浮上を始めた。インストラクターが制止しようとしたが、止まらず、それどころか浮上中にマスク、レギュレーターを外して海面に浮上。直後に意識を失った。
船に収容し、人工呼吸と心臓マッサージを継続しながら病院に運んだが、死亡が確認された。
検証
こちらの事故はどうやら事故者自身のパニックが原因みたいです。急にマスクに水が入り驚いて水面に一気に上がろうとして意識を失った事故です。
対応策
マスククリアはライセンス講習の際に必ず習う事項となっています。
信頼出来るショップで適切でしっかりとした講習を学び、スキルを身につけることがこういった事故を防ぐ最善策です。
また、普段からマスク内に水が入っても大丈夫なように、水深の浅いところなどでマスクを全部外してみて慣れるということも大切です。講習時に習いますが、1年2年とやっていないとパニックになります。
スキルは定期的に復習し、スムーズに行えるかチェックしてみましょう。
また、レンタルのマスクなどは水が入るリスクが高くなります。そういったリスクを軽減するためにも、早めに自分用のマスクを買い、しっかりと顔の形にあったマスクを購入することをオススメします。
ダイビング事故ケース3
事故例③ セルフダイビングで帰らぬ人に 参照サイトはこちら
「ダイビングに行く」と言って家を出たKさん(男性・40代)。いつも潜っているダイブエリアでビーチダイブをするためだが、このときはバディがいなかったので、知り合いのダイビングショップ(ダイブエリアからは車で30分ぐらいのところにある)でタンクを2本借りて一人でセルフダイビング。1本目を終え、1時間余りの水面休息を取った後、午後1時頃、再びダイビングに出かけていった。
普通なら夕方までにタンクを返却に来るのだが、Kさんが来ないことからダイビングショップでは不安に思っていたが、夜になっても帰ってこないKさんの妻がダイビングショップに連絡をし、行方不明になっていることが判明。
翌日、付近の海を捜索したところ、定置網でレギュレーターを外した状態でうつ伏せになっているKさんを発見。定置網に絡まり身動きが取れなくなってしまったもの。
検証
事故者はいつも行くダイビングショップへとダイビングに出掛けたそうです。ただ、バディとして一緒に潜る人がいなかったために、ひとりで潜ることにしたそうです。
ダイビングは一人で潜ってはいけないとわかっていても、おそらくいつも潜るショップ、場所なので大丈夫だと思ったことの過信による事故でした。
対応策
いくらいつも利用するダイビングショップ、そしていつも潜っているポイントだとしても、絶対に一人でダイビングしてはいけません。バディシステムが基本です。必ず二人以上で潜るようにしてください。
二人いれば、事故者の異変に気付くことができ、対処することができたはずです。このような悲しい事故は起きなかったことでしょう。
バディがいない場合はかならずお店のガイド・インストラクターと潜るようにしましょう。また、それも不可能な場合はダイビングをしないという決断が重要です。たとえインストラクターの資格を持っていても一人でダイビングをしてはいけません。
悲しいダイビング事故を起こさないためのポイント3つ
ポイント① ガイドにつきお客様は最大で6人まで。体験ダイビングは2人まで
ダイビングには推奨されるインストラクターまたはガイドにつきお客様は何人までと定められています。ファンダイビングでしたら6人、体験ダイビングなら2人までです。
それ以上の人数を平気で連れていくショップには要注意です。出来れば当日でも利用をするのを止めたほうがいいです。
ポイント② スキルの不安をなくす
スキルで不安な面がありましたら、必ず克服するようにしましょう。必ず利用するショップのガイドさんに伝え、気にかけてもらえるようにしましょう。
初心者で本数が少ない頃は、見てもらえますが本数が増えると大丈夫だろうと思われがちです。不安なことは積極的に周りに聞いたり教えてもらい、克服してください。
ポイント③ 特定のバディを作ろう
一人で参加するのがとても多いダイビングですが、そこで出会った人と仲良くなったり、またはお友達同士でも、特定のバディがいるということは大変重要です。
バルブの開放不足でもバディがいれば解決できる問題です。即席のバディでも、常に近い範囲内で行動しあい、お互いの行動を注意し合うことが重要です。また、一人では対処しきれない水中での拘束や万が一のエア切れを助けてくれるのはバディしかいません。
ダイビング事故は防げるはずのものがほとんどです。スキル不足によるパニック、ショップ側による利益のための運営する店には行かない、水中ではツアー客同士でもバディ意識をしっかりと持ち、お互いを確認し合うことが大切です。
海外では日本語の通じるお店や日本人のいる店などを選ぶのもポイントです。国によってダイビングスタイルが大きく変わってくるからです。
正しい基準と手順で、安全なダイビングを、これはダイビングを行う上での鉄則です。忘れないようにしてください。