「TOEICのスコアアップ」VS「英語力を上げる」について
就職や昇進、大学入試の選考基準として採用されるようになって久しいTOEIC。
目標スコアを獲得するために勉強している人がますます増えている昨今、「英語の勉強」=「TOEICの勉強」とも言えるような状況になっています。
しかし、スコアアップだけに固執するあまり、英語を使う力をほとんど身につけないまま、高いスコアを取得してしまう人が多いという問題も生じています。
その結果、TOEICは「英語を使えない人間を生み出している」という批判もよく聞かれます。
TOEICは受験者の実用的な英語力を測る試験
学生時代に英語を教科としてしか学んでこなかった人たちの多くは、TOEICの学習をする際にも、往々にして同じようなやり方で取り組みがちです。
具体的には、「問題を解いて答え合わせをし、なぜ間違ったのか分析して、次に似たような問題が出たら間違わないようにする」というような方法です。
「問題演習こそがTOEIC学習の王道」だと考え、「TOEICの勉強」=「問題を解くこと」となってしまっている人が、学生、社会人問わず、受験者の大半を占めているというのが現状ではないでしょうか。
本来、TOEICは受験者の実用的な英語力を測る試験ですが、多くの人はスコアを上げることだけに意識が集中してしまい、肝心な「英語力を上げる」ということを怠りがちです。
これは決して不思議なことではありません。
学生時代から、私たちは「定期テストでいい点数を取るため」、あるいは「入試で合格するため」という目的でしか英語を勉強してきていません。
特に中高生の間では「英語を使えるようになるため」という意識が非常に希薄です。
TOEICの点数が高くても英語が話せない!?
そのような意識で英語を学んできた人の多くは、TOEIC学習も受験勉強の延長のような形になり、語学的、実用的な視点を欠いた取り組み方になってしまいがちです。
また、音読やシャドーイングといった音声トレーニングをやったことがない人は、TOEICの勉強においても、そのような語学的な訓練を取り入れようとは思わないものです。
その結果、一生懸命TOEICの勉強をして高いスコアを取ったにもかかわらず、全然英語が使えないという人がたくさん生まれているわけです。
これは、入試の科目として英語を勉強した学生が英語を使えるようにならないのと同じことです。
せっかくTOEICで目標スコアを獲得するために多くの時間や労力を費やしたのに、肝心な英語を使う能力がほとんど身についていないとしたら、もったいないと思いませんか?
今、英語を使えるようになる努力が必要
このような主張に対する反論の代表格が、「まずはTOEICで良いスコアを取る。そして、その恩恵(合格、就職、昇進、昇給)を受けてから、英語力を上げればよい」というものです。
確かに、一見すると筋が通った議論であるような気もしますし、このような考えに流されてしまう人の気持ちは分からないでもありません。
しかし、人生の時間には限りがあります。
今英語を使えるようになる努力を始めなければ、月日だけがどんどん流れてしまい、一生英語を使えるようにならないのではないでしょうか?
「英語が使えるようになる」ということと、「TOEICでスコアアップする」ということは、決して反比例するものではありません。
本来、2つは相互補完的な関係にあり、車の両輪のようなものです。また、両方を追い求めた方が望む結果も手に入れやすくなります。
つまり、「英語を使えるようになる」ことを意識して勉強した方が、長い目で見れば、TOEICでも、大幅なスコアップが達成しやすくなるということです。
次回の記事では、「使える英語」と「スコアアップ」を両立する方法について詳述していきたいと思います。
続きはこちら
→TOEIC(トーイック)の解き方を変えれば、スコアも英語力も獲得できる!(1)
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