TOEICの勉強だと英会話はできるようにならないから、あまり意味がない?
もしかしたら中にはそういうお考えの方もいるのではないでしょうか。
でもビジネスマンの方であれば、TOEICは切り離せませんし、どちらにしてもTOEICに出てくる英単語や文章はビジネスで必要になります。
英会話を上達させて英語を話せるようになるためには、TOEICの勉強を通じて英語の基礎力の底上げを図っていく方法は有効です。
TOEICでハイスコアを取り、スムーズに英語で意思疎通ができるレベルになるためには、それなりの時間と労力をかけて行う必要があります。今後のキャリアのチャンスを広げるためにも、英語学習にはなるべく早く取り掛かることをおすすめします。
仮に30歳までに力をつけて活躍していきたいと想定すれば、20代前半から英語学習について考え取り組み、準備をしていく方が良いでしょう。
この記事では、筆者がTOEICを利用して英会話力を実際にレベルアップさせた方法3選を紹介していきます。
TOEICで英語勉強しようとおもったきっかけ
筆者は高校・大学時代と英語を必修科目で勉強した程度で、留学経験も全くなく、新卒で就いた仕事で海外出張し英語を話す機会があっても全くコミュニケーションをとることができませんでした。
しかし、まずはTOEICの点数で客観的に証明できる英語力を身につけようと、貿易会社に転職してからトータルで3年間独学で英語学習を継続してきました。
TOEICの点数は最初の300点台から870点まで上げることができ、現在は貿易業務の中で、毎日海外の顧客とやり取りをする仕事で活躍しています。
現在私は20代後半ですが、20代前半のうちに自身の英語力を見直し、時間を掛けてレベルアップに成功させることができて良かったと心から思っています。
希望していたグローバルな仕事で、若いうちに英語のレベルアップを通じてキャリアの可能性を広げていくことができました。
TOEICの勉強は英会話の勉強と関連性があるかどうか議論が分かれることはしばしばありますが、TOEICの勉強が英会話に活きる点はいくつかあると、私自身の勉強経験から考えるようになりました。
TOEICを活用した英語勉強法
①基礎的なTOEIC英単語を覚える
TOEICの勉強では、基礎的な語彙力をアップさせ、表現をするための基礎を身につけることができます。
英会話では、英語を理解した上で自ら発信するという、アウトプット能力が必要となります。アウトプットの力をつけていくためには、まず英語を理解していく段階のインプット能力がさらに必要です。
TOEICでは基礎的なレベルの日常会話、ビジネスに使う単語が頻出されています。
他の英語の資格試験である英語検定・IELTS・TOEFLなどはより難易度の高い時事英語や学術英語の分野の単語が出題されますが、TOEICでは語彙力の総合的な難易度は、他の資格試験に比べて高くはないと言われています。
単語は文法と並んでインプット能力の中の基礎ですが、とりわけTOEICでは日常会話で頻繁に使う単語を押さえることができるでしょう。TOEICで超頻出単語の「available(利用可能な)」「due to(~のために)」などは、貿易の業務でも本当によく使用しています。
例えば、英語初心者が目指す1つの壁と言われているTOEIC600点のレベルであれば、覚えるべき英単語の数は5,000語程度と言われています。これは、日本の高校卒業レベル程度の英語力の目安です。
TOEIC800点レベルであれば約8,500語、ネイティブスピーカーともある程度スムーズにコミュニケーションが取れるレベルと言われています。
実際に英単語を覚え、語彙力を向上させていくためにはほぼ毎日繰り返し反復して覚えていく必要があります。
色々な参考書に手をつけるよりも、まずは1冊語彙力対策として単語帳を一冊繰り返し口に出しながら覚えて仕上げていくと、かなり力がつくでしょう。
参考書にTOEICのスコアがその本のレベルの目安として記載されていることが多いですが、600点レベル以上はカバーしている参考書を選ぶと良いでしょう。
さらに、1日ごとに10個ずつ覚えていくよりも、何日もかけて同じ単語に複数回目を通していくと記憶が定着しやすくなります。
例えば、1週間に50単語と区切って50単語に毎日目を通すようにしていくと、毎日出会う50単語が必然的に頭に残りやすくなります。
TOEICで使用する単語はビジネス関連も多く、仕事でやり取りをするときに語彙力がアップするとスムーズに相手が英語で言いたいことを、意味を調べずに理解ができるようになっていきました。
②TOEIC教材でリスニング力の向上→ディクテーションとシャドーイングの繰り返し
TOEICではリスニング分野で、インプット能力が測られます。
英会話において、自分が発信するだけでなく相手が言いたいことを聞き取るリスニング力も必要となるので、TOEICの勉強を通じてリスニング力を鍛えることも非常に有効でした。
まず、TOEICで出題されるリスニングの性質については、1問1問の読まれる英文の量が短いです。
1文ごとに読まれる設問と短い会話の設問がありますが、会話の問題でも1分もかからない程度の短いやり取りが読まれています。短い英文を、何回も丁寧に繰り返し聞き取る練習によって、リスニング力を大幅に向上させることができます。
さらに内容が短い分、集中して聞くことができる上に、自分がどこの部分の発音が聞き取りにくいのか弱点を把握することにも役立つでしょう。
具体的に、TOEICの問題演習でリスニング力を向上させるためには、シャドーイングとディクテーションを毎日行うことが効果的でした。
私はアプリのスタディーサプリの中でこの方法を行っていましたが、CDと問題集などあれば紙で解いて書き取る方法でも問題はありません。
シャドーイングでは、まずは英文を見ながら慣れてきたら英文を見ないで音声で流れてきた英語を、同じ問題で5回以上はできるようになるまで繰り返しました。
シャドーイングで真似して声に出せるようになった英文を、さらにディクテーションで流れてきた英文を1文字ずつ打ち込む練習を行いました。
ディクテーションまでこなせば、何となくで聞いていた箇所も全部聞き取らなければいけなかったため、自然と注意深く聞き取る癖がつきました。
リスニング力が上がると、海外から掛かってきた電話で最初は会社名や名前、用件が聞き取れなかったのを聞き取ることができ、スムーズに取次ぎができるようになったのが一番大きな変化だと感じました。
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③TOEICの問題演習で日常英会話のフレーズに慣れる
TOEICのリスニング・リーディングは、よく使う典型的な決まり文句が多用されているため、英会話にもそのまま使えるフレーズが多くあります。
TOEICの問題演習で問題を解き、答え合わせをして解説を確認するときに、問題で読まれたり書いてある英文を確認します。
解きっぱなしで終わるのではなく、問題文を見直すことで力がつきます。
TOEICは同じような話の流れの英文が使いまわしされていることが多々あり、見たことがあるようなフレーズが使いまわしをされていることも珍しくありません。
例えば、リスニングで「Would you mind~?(~してくださいませんか)」、「Either is fine.(どちらでもいいですよ)」と典型的な英文をよく見かけることがあります。
いくつも問題演習をこなして頭の中に典型的なフレーズを覚えていくようになると、仕事の会話やメールにおいてもフレーズを使うようになっていきました。
使えるフレーズが多くなってくると表現力が上がり、少々複雑な内容でも海外の相手に理解してもらいやすくなったという感触です。
TOEIC勉強法のまとめ
私は、結果的にTOEICを870点レベルまでに伸ばしましたが、それまでの勉強で3年間で英語力を総合的に鍛えることができました。
まずTOEICの点数を取ることは客観的な英語力の証明となり会社での自信やアピールにもなりましたが、英語力アップを実感していった上で、その先の英語でコミュニケーションを取るぞ!というモチベーションにもなりやすかったです。
現在は海外とメールや電話でスムーズにやり取りができ、細かい料金交渉やトラブル対応まで任されるまでになりました。簡単にできるとは言いませんが、継続して取り組めば英語に自信がなかったり留学経験が全くなくても達成できると思っています。
20代でキャリアを積んでいくと同時に、まずは早いうちからTOEICのスコアアップで力をつけていく英語学習を始めてみましょう。
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