「英検」は、日本で最大規模の英語検定試験です。
「英検準1級取得」は「社会生活で求められる英語を十分に理解し、実際に使える英語力」の証明です。レベルは難関大学の入試程度で大学中級レベルとみなされます。
英検取得は、大学受験の「総合選抜型試験(AO入試)」「学校推薦型試験(指定校推薦)」「一般入試」の願書に取得した級が記入できます。
英検準1級は、2級よりかなり優遇されるので、2級を取得した大学受験生は、2級取得で終わらず、「英検準1級取得」に挑戦してください。そして、大学受験のどのような場面で「英検準1級」が利用できるかについて十分に情報を得て、上手く活用してください。
ここでは、英検が大学受験に有効な資格であること、英検準1級を高校生のうちに合格したい5つの理由をご紹介します。
目次
英語力の証明
英語力の証明には、もっとも広く日本で認知されている英検が一番のおすすめです。一度取得した「英検」や「英検CSEスコア」は、生涯有効です。
一方、世界標準型のTOEFLのスコアの有効期限は2年間です。ビジネス英語が多いTOEICや留学に有効なTOEFL、IELTSなどは得点がそのまま英語力として、TOEIC800点・TOEFL90点といった点数で表現しますので、一般的に英語力がわかりにくいとされている資格試験です。
ここで注意しておきたいのは、大学によって願書に記入できる英検結果に期限があることです。取得から2年以内とされている大学、3年以内とされている大学などさまざまですので、必ずそれぞれの大学の「入試要項」等で確認することが大切です。
例として、中学3年生で英検2級を取得し、大学受験まで準1級は取得できなかったので、願書に記せる有効な「英検取得」がないため、もう一度2級を取得する受験生もいます。
英検準1級は大学受験で有利!4つの優遇制度
近年、大学の受験方法が多様化されています。「総合選抜型試験」「学校推薦型試験」「一般入試」がメインです。
一般入試も「共通テスト利用型」(5教科型・4教科型・3教科型など)、「A日程・B日程」「外部英語検定利用型」などです。
同じ大学の同じ学部をさまざまな方法で4回受験する学生さんもいます。大学によっても、また学部・学科によっても異なりますので、各大学のホームページに掲載されている情報をチェックしてください。
また、英検優遇制度を活用できる大学を探すためには、公益財団法人日本英語検定協会の「英検・TEAP・IELTS 活用校検索」から、エリアや国公私立・学部などを指定して、制度を活用している大学を検索できます。
では、それぞれの優遇や条件について具体的にみていきましょう。
① 一般受験の出願条件
英検準1級以上取得を出願条件にしている大学があります。文字通り、英検準1級、または1級を取得している人のみが出願できます。
条件を出している大学に、早稲田大学商学部・明治大学・中央大学・青山学院大学国際政治経済学部・法政大学グローバル学部・学習院大学などがあります。明治大学・学習院大学・法政大学は学部によっては英検2級以上と条件を出しています。(2023年8月発表時点で2022年度受験の要項)
② 学校推薦型(指定校推薦)受験の出願条件
一般受験だけでなく、学校推薦型受験の「東京大学」では、英検の級は指定ありませんが、IELTS 7.0以上に相当する英語力という条件で出願が認められています。IELTS 7.0を取れる人は、確実に英検準1級取得できるレベルです。やはり、東京大学が求める学生の英語レベルは他の大学より突起して高いです。
また、上智大学外国語学部では、公募制推薦で「英検準1級以上」が条件です。実際に入学している生徒さんは、ほぼ全員英検1級を取得しているのが現実です。
津田塾、東京都市大学は学部によっては英検準1級が必須です。
青山学院大学では準1級以上で出願できます。
一橋大学は英検1級取得者のみが出願できます。
学校推薦型は同じ高校内で1名のみ推薦できるケースがほとんどですので、高い偏差値の大学を志望する生徒さんにとっては、英検準1級取得は必須です。
③ 自己推薦型受験の出願条件
同様に、「自己推薦受験」で青山学院文学部、地球社会共生学部などでは英検準1級取得が条件です。
このように、「英検準1級取得」が出願の条件になっている大学もありますので、できるだけ早く、できれば高校2年生のうちに取得できれば、志望大学の幅も広げることができます。
④ 得点換算・加点
一般受験の際に、東京女子大、法政大学グローバル教養学科などでは英語の試験が免除になったり、加点されたりします。明治大学や東京都立大学などで英検準1級取得者には優遇があり、合否判定の参考にされます。
「英検準1級取得」が共通テスト英語の満点と換算されたり、一般試験の当日の英語試験が免除になったりと、もうメリットしかありません。英検取得は小学生から少しずつ始めて、コツコツと上の級を狙っていく人も、高校生になって英検2級から始める人もいます。
実際、早くからコツコツと始めた人は、中学でも高校でも英語が得意の人が多いです。理由は学校の授業より英検の方がレベルが高く、学校の授業が簡単に思えるからです。
大学の英語単位に換算
大学入学後も、英語の勉強は続きます。大学での英語は受験で求められるような読み書き中心ではなく、グローバルな社会で使える英語が求められます。
最初の2年間のうちに単位習得を必須とされる「英語」は、大学入学式の翌日に行われる「プレイスメントテスト」でレベル別にクラスが分けられます。人数が多い学部では15クラスほどに分けられ、使われる教材もクラスによって異なります。
一般に大学の最初の2年間で8単位から12単位の英語授業が必須になり、中間テスト、期末テストが高校の時のように行われます。英語のレポート提出や英語でのプレゼンテーションが課題になる大学も多くあります。
この2年間かけて取得する大学の単位が、英検準1級取得者なら、例えば、お茶の水女子大学の全学部で英検1級が12単位、準1級が4単位として認められます。
東京学芸大学の教育学部では準1級で4単位が認定されます。
大学に入学する前に取得した英検が入学後、単位として認められるとは素晴らしいですね。
大学入試にも入学後にも優遇措置があるなんてお得感いっぱいですので、ぜひ英検の公式ホームページで「英検活用校」と検索してみてください。
海外留学の準備、TOEFL との違い
海外留学を検討している人はTOEFL が必須です。TOEFL は3技能に分かれ、120点満点です。英検1級合格者でも、およそTOEFL90点超くらいです。英検とTOEFL高得点とは勉強が異なりますが、TOEFLを受ける前に英検準1級は取得しておきましょう。
世界ランキングのトップの大学に留学するためにはTOEFL110点以上を条件にしている大学もあります。TOEFL110点以上は、特に英検1級の対策をせずとも、合格できるレベルです。
ちなみに、TOEFLは会場の他、自宅の自室でオンラインで受けられ、試験料は3万円以上です。自室でオンラインで受けられるので気軽ですが、実際の試験環境をチェックする機能は大変厳しいものです。
自己成長と自信の向上
英検準1級の試験に合格するためには、語彙力で8000語以上が必要とされています。広範囲で深い英語知識と高度な英語スキルが求められます。継続的な努力なしでは合格できないレベルです。
英検準1級対策アドバイスとして、まずは過去問10回分を目指してください。問1の語彙力をは、繰り返し同じものが出題されていますので、10回分の中に何度も同じ単語を見つけることがあります。
次に長文読解ですが、英検準1級と共通テストでは、共通テストの方が簡単です。英検準1級取得者にとって共通テストは満点が取れるほどのレベルですので、英検を勉強することで共通テストの得点も上がります。
英検準1級の「長文読解」の対策は過去問10回分を終えたら、英字新聞をネットで読んでみましょう。特にBBCがおすすめです。英語表現がエレガントで、日本の英字新聞では扱わない英語表現が見られますので、自分で面白そうなトピックを選んで読んでみてください。
2級以上のレベルを持っている人にはこの方法が一番長文読解力がつきます。実際に使われている英文をたくさん読む練習を長期間行うことで、共通テストは満点が狙えます。
共通テストのリスニング対策も英検のリスニング勉強でカバーできます。こちらも過去問とBBCのビデオを聴くことでリスニング強化できます。
日々の努力で英語力が向上し、自分自身の成長を感じることができ、また難易度の高い試験に合格した経験は、自分に自信をつける良い機会です。
まとめ
メリットだらけの英検準1級ですが、合格への準備には時間と努力が必要です。年に3回行われる英検ですが、英文タイピングに問題がなければ、「英検CBT」もトライしましょう。
地域によっては毎週末に受験できる会場があるので、合格間近な人は何ヶ月も待たず、4技能を一日で受けられる「英検CBT」をおすすめします。
英検は、ライティングのスコアが合否を分けるといっても過言ではありません。他の学習や受験準備とのバランスを考えながら、最適な学習計画を立てることが大切です。
英検2級合格から準1級までの合格の期間は高校生では1年以上かかります。学校の課題、部活動をやりながらの対策は大変ですが、メリットしかない「英検準1級取得」準備をすぐに始めてください。
将来のなりたい自分を想像してみるとそこには「英検準1級取得」がきっと導いてくれるはずです。
PS. 英検準1級の壁になるのが2次試験! 面接に自身を持ってのぞむなら、夏休みや春休みの短期留学がおすすめです。
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