英語のボキャブラリーを増やすのは大変な努力と時間がかかります。英検準一級の過去問を初めて見た人は、横並びになっている4つの単語が、どれも見たことがない知らない単語ばかりで、不安からのスタートになってしまいます。
「4つとも全部分からない」という状況になると、一般的にはモチベーションが低下しますが、これは誰もが通る過程です。
最初は「ボキャブラリー」に焦点を当てるのではなく、「リーディング」と「ライティング」の対策に集中し、後でボキャブラリーの充実を図ることをおすすめします。
英検では長い間ライティングの出題形式は決まっています。これからアドバイスする英検準一級ライティングの直前対策を参考に、ライティングで点数を確保し、合格を目指してください。
目次
英検準一級を目指すための効果的な対策
ボキャブラリーを充実させるための地道な努力
英検は、どの級でもまずは「長文読解」レベルに慣れながら、一つ一つ丁寧にボキャブラリーを書き出し、単語帳を作るという地道な努力の積み重ねです。毎晩就寝前10分に、単語を見直す習慣はとっても効果的です。「忘れる前に見る」の繰り返しで定着をはかります。
過去問を活用してボキャブラリーを強化
英検準一級は、過去問10回分を行うと、同じ単語が繰り返し出題されていることに気がつくでしょう。まずは過去問10回分が最初の達成目標です。そして、高校三年生の夏休み前に準一級を取得することに挑戦してください。
大学受験や就職活動に準一級がどれほど役立つかについては、別の記事に書き留めましたので、そちらもぜひご参考にしてください。
ライティングの力を高めよう
英検取得のカギは「ライティング」です。もちろん準一級も同じです。
もう二級を取得している人はお気づきかと思いますが、実は「ライティング」は、「自分が出来る範囲で正しい英語で書く」ことに徹すれば、対策がしやすい技能です。「リーディング」や「リスニング」で足りない点数を「ライティング」で補うことが出来ます。
反対に、ライティングで点数を確保できないと残念な結果になります。
試験では、まず「ライティング」から始める!
英検の試験では「長文読解」に時間がかかりすぎて「ライティング」の時間が足りなかったと耳にします。「ライティング」のページは、問題の一番最後ですので、順にやっていけば当然「ライティング」が最後になります。
準一級は「リーディング750点」「リスニング750点」「ライティング750点」で各技能同じ点数ですので、試験が開始されたらまずは「ライティング」から取り掛かりましょう。試験時間が足りないと点数が最も少なくなってしまうのが「ライティング」だからです。
しっかりライティングが書けたら、おすすめは長文読解の一番長い「最後の長文読解」の問題から前へと解くと良いでしょう。
長文読解の後半を最後に解く
筆記試験90分の長丁場ですので、まだ集中力が高い時に、配点が高い後ろの「長文読解」に取り掛かってください。問1の単語力を問う問題は、短い文なので、最後の余力で十分解けます。
英検でCSEスコアが導入される以前は、長文読解の後半は前半より配点が2倍ありましたので、「ライティング」と同様「長文読解の後半」も合格のカギでした。
配点と合格のボーダー
今の英検は配点が公開されていません。試験の「回」によっても毎回換算が変動して、少々分かりづらくなっています。受験者が自己採点して、合否を出すのは困難ですが、準一級は概ね正解7割がボーダーだと言われています。
この7割は全ての技能の合計が7割越えのことですが、リーディング4割、ライティング9割などでも合格できます。リーディング9割を取るのは大変ですが、ライティング9割は決して夢ではありません。
英検準一級ライティングの評価とは
① 内容の評価
CSEスコア750点の「ライティング」の評価は、内容・指定された語数120語から150語で書かれてあるか。POINTSのうち2つが使用されているか。課題で聞かれている内容に沿った自分の立場や意見、事象が明確に書かれてあるかが評価の対象です。語数は少なめより多めが良いです。
採点者は語数を数えませんので、多少の超過は問題ではありません。
② 適切な構成
introduction, main body, and conclusion から成る構成で書かれてあるか。特に introduction では、「近年置かれている状況」や「最近こういう傾向にある」など時事説明の文を入れることもテクニックの一つです。
4構成では、main bodyが得点のカギです。それを、2つの内容に分け、introduction で書いたものをサポートする内容になっているかが最も大切な部分です。
採点者の評価は、この構成の流れ(flow)に左右されます。読みやすい流れは、introcution からの流れが明確で、話がずれないことにあります。
余談ですが、海外の学校では、小学校の時から多くのエッセイを書く機会が授業でも課題でもとてもたくさんあります。徹底的にこの構成を使った「ライティング」が教えられるのです。帰国子女が重宝されるのは、ただ単に英語が話せるだけでなく、この「エッセイライティング」のスキルを取得していると期待があるからです。
③ 豊かな語彙と表現
語彙・課題に相応しい「ボキャブラリー」や「準一級らしい表現」が使われているか。これについては、「マジック単語」で詳細を説明します。
④ 正確な文法と構文
文法・英文法を含め文の構文が正しく使われいるか。ただし、一度使った文の構文を二度使わないことは大切です。
これは三級のライティングから始まっていることですが、自分の得意とする構文をいくつか覚え、常にその構文に落とし込んでいく作業を練習すると良いです。
英検準一級のための「マジック単語」
二級より難しい表現を使うことに固執する必要はありません。これが二級の表現で、こっちが準一級の表現などと決められていませんので、違いは「語彙」つまり準一級らしい「ボキャブラリー」を使うことです。一つでも二つでも、自分が得意とする「マジック単語」を忍び込ませることで、エッセイがレベルアップします。
などが、「ライティング映え」するマジック単語といえます。
過去問に対するオリジナルサンプル解答(2023-1)
では、実際に解いてみましょう。これは2023年第1回の英検準一級過去問です。
Should businesses provide more online services?
POINTS
Convenience
Cost
Jobs
The environment
英検が発表しているサンプル解答は、英検のホームページにありますので、参考にしてください。以下では、それとは異なる解答を紹介します。
ここまでが、introduction です。最近の世の中の傾向や実態などを紹介する形で始まり、質問に対する自分の意見をはっきり述べ、ここでは「更なるオンラインサービスの提供の利点は、利便性と雇用機会を中心に展開されている」と続きます。「revolve around」 の表現は準一級らしい表現です。ぜひ使ってみてください。
そして、main body です。introduction で紹介したことをサポートするより説得力のある内容を目指します。
例えば、二級のように「便利です」「重要です」「環境に良いです」「健康に良いです」では言葉が足りません。「環境に良いことがどんな利点を生み出しているのか」「健康に良いことがどんなことを導き、どんなことと繋がっているのか」など具体例を書いて、読み手を納得させましょう。
ここでは、introduction で利便性と述べたので、どんな消費者にとってどのように便利かについて書きます。
いつでも、どこでも迅速に行えることが有益だと続きます。
次に、雇用の機会を生み出すチャンスについて述べます。
オンラインサービスを導入する企業が増えると、この需要を満たすためにスキルを持った人々への雇用が高まると述べました。
ここまでが、main body です。
そして、ここからが結論です。
オンラインサービスの拡大は、企業と顧客の両方に利便性をもたらし雇用機会が生み出されると、結論づけました。
過去問に対するオリジナルサンプル解答(2022–3)
もう一つ、過去問(2022年3回)の解答です。こちらも、英検が発表しているサンプル解答の別解です。
Agree or disagree: The government should do more to promote reusable products
POINTS
Costs
Effect on businesses
Garbage
Safety
ここでは、二級と同様に、agree か disagree かをはっきりと表現します。今回は、そこだけを重点に書きました。intorduction をこのくらいあっさり書いても良いです。
よって introduction と conclusion の部分はそれほど大変ではないと思います。
ここから main body で、上記をサポートする内容を記します。
必ず、繋がりのある文章であることがポイントです。
By promoting reusable products, we can significantly reduce the amount of garbage we produce and thus reduce the cost of garbage disposal.
introduction で書かなかった現状をこちらに導入しました。再生可能製品を推進することでゴミの量を減らし、ゴミ処理のコストを減らせると述べました。
視点を変えて、動物への環境問題を取り上げました。再生可能製品は動物への安全性のためにも、また環境に与えるダメージを軽減できるためにも大切だと述べました。
そして結論でまとめます。
main body で述べた異なる2つの視点をまとめることが結論です。
英検が発表しているサンプル解答の中の文章や、上記に書いたいくつかの文章をそのままコピーして覚えて自分のものにしてください。
自信をもって使えるサンプル表現をどんどん増やしていくと、英検だけでなく、学校の定期テストにも、大学受験にも、就職試験にもさまざまな場面で使えます。
まとめ
ここまでお読みいただき、今まで苦手だったライティングは、「自分が自信を持って書ける文が少なかっただけだ」とお気づきだと思います。
私が書いた英文が皆様の英検や大学受験の傍らで少しでも使われて、合格へと導くことができたなら、more than happy です!