スピーキングやリーディング、リスニングに力をいれる方は多いのですが、ついつい後回しになりがちなのが英作文。
しかし、英作文は実は英語学習のカギとなっているのをご存知でしょうか。
この記事では、なぜ英作文が英語学習に必要なのか、なぜ覚える必要があるのかについて紹介します。
WHY(なぜ覚える必要があるか)
「知ってる英語」から「使える」英語に
英語を勉強する上で文法の次に重要なのが、英作文です。英作文とは英語で作文をすることにあたりますが、英文法をインプットとすると英作文はその英文法のアウトプットといえます。
英語に限らず、何事もアウトプットをして初めて実力へと繋がりますので、英作文をするまでが一連の基礎といえます。
言い換えれば「知っている英語」から「使える英語」に変えることになるプロセスですので、英作文は非常に基礎的且つ重要な学習です。
英作文は英会話の基礎
英作文の重要性は、日常で使うその頻度にもあります。感覚的に英語が聞ける、話せるようになるまでは頭の中で英作文をして理解することになります。
例えば、ネイティブの人と会話をするとき、聞いた言葉を頭の中で英文を組み立て、それを理解します。また、話すときも同様にまず頭の中で言いたいことを英作文し言葉として発します。
このように、英作文はコミュニケーションにおいてかなりの頻度で使われますので、その学習は必須といえます。
ビジネス英会話の参考書は補足的
最後に、英作文の重要性は自身で自由に英語を組み立てられるようになるところにあります。
そのような参考書には使えそうな表現が簡単にまとめられているだけですので、使えるシーンが非常に限定的です。表現を暗記でのみ覚えてしまうと、想定外の場面では何も言えなくなってしまいます。
自身で英作文をする力を身に着けることによって、言いたいことを自由に表現できるようになることが英作文の本質となります。ですので、英作文能力はビジネスシーンでも必須の能力となります。
もちろんビジネス表現参考書を全く否定するつもりはありませんし、非常に有効な場面もありますが、それらはあくまで英文法の学習を手助けする補足的役割と考えた方が良いです。
WHAT(何を学べばいいのか)
では、次に具体的に何を学べば良いのでしょうか。今回は最低でも学ぶべき内容を三つに絞ってお話したいと思います。
1. 基礎的な文法を使った表現
まずは基礎的な文法を使った表現です。先述したように英作文は英文法のアウトプットと言えますので、英文法を意識した英作文をしていく必要があります。
例えば、IF文を学習したら、IF文を使った英作文をしていくといった具合です。同様に、分詞構文を勉強したらそれを使った表現の英作文をしていきます。
このように文法を意識して英作文をすることによって「知っている英文法」を「使える英文法」に変えていきます。その過程で自身が得意としている文法、あるいは苦手としている文法が明確になりますので、さらにどの分野の勉強をするべきかが分かってきます。
2. 客観的な事象の説明
ビジネスシーンにおいてはデータ、表、グラフなどを読む力も一層必要となってきます。プレゼンのシーンなどを想像すれば容易にイメージすることができますが、このような客観的な事象を説明する力が必要となってきます。
客観的事象とは、自分の意思や思い、考えなどと相反する実際に起こっていることのことですので、英作文においては見たものそのもの説明する力とも言い換えられます。ビジネスシーンのプレゼンにおいては、まずは何が起こっているのかを説明することから始めることが多いと思いますので、この力は非常に重要です。
とはいえ、初めから英語でグラフを説明することは難しいと思いますので、例えば「女性が散歩をしている」「今友人が隣で歯を磨いている」程度の簡単な英語から始めれば良いでしょう。
3. 自身が表現したいこと・主観的な思いを説明
客観的な事象を説明する力加えて、主観的な思いを説明する力も必要になります。ある事象に対して自身がどのような感想を持ったのかを説明できるようにする必要があります。
上記のプレゼンの例を深堀していくと、客観的事象から何が分かるのか、そして更にそれが今後どのように変化していくと思うのかを説明する必要があります。
この「どう思う、どう感じる」という部分を説明できるようになることが最終目標です。自身の意思ですので考えることは容易ですが、それをどのように相手に伝えるのかは日本語でも難しいです。意見、意志、思い、考えなどを相手に伝えるにはそれなりの対策が必要なのです。
HOW(どうやって学習するのか)
それでは、次にどのように英作文を学習すればよいのか見ていきます。
1. オンライン英会話のチャットを利用する
一番オススメしたい学習法は、オンライン英会話でチャットを利用する方法です。
オンライン英会話をしている最中、話がうまくまとまらない、単語は出てくるけど文章にできない、そんな時はありませんか?
こういうときこそ、先生に「ちょっとまって」といいながら自分の頭で整理しながら英文を書いてみましょう。
そうすると書きながら、どう文章を組み立てていけばよいかが分かるようになってきます。
先生からその場で指摘もされますので、正確に文章を作るのに役立ちます。
一部、ライティングの講座や添削アプリもありますが、それよりもチャットでリアルタイムに学習したほうが、その場ですぐに身につきますので断然おすすめです。
関連記事:初心者向け!オンライン英会話【おすすめ】比較
なお、オンライン英会話では常にチャットでライティングする癖をつけてください。そのためにも、ブラインドタッチは必須です。
こちらのイータイピングで慣れてください:https://www.e-typing.ne.jp/english/
2. 英作文の参考書を解く
文法を意識した英作文では、市販されている英作文の参考書を数冊こなせば良いでしょう。基本的に英作文の参考書は文法ごとにテーマが分かれていますし、模範解答も用意されていますので、文法ごとに英作文をしたい場合は最適です。
また、これらの英作文の方法はこれまで中学、高校で学習してきた方法に近いですので、非常に勉強しやすいと思います。
3. 見えるものを英語で説明する
客観的事象を説明する英語力を伸ばすためには、見えるものを英語で説明する方法が有効です。
例えば「外で犬の散歩をしている人がいます」「今私は歯ブラシを買おうとしています」など、自身とそれ以外の人やものの動作を説明する癖をつけるようにします。
これは頭の中で英文を作っても、声に出しても、紙に書いても良いので、今いる状況に合わせて分けてみましょう。とにかく英語を使って説明する癖をつけることが重要になります。ツイッターや日記がよいでしょう。
4. 自分の意見を言う
見たもの、聞いたものに対して自身の意見をいう癖もつけましょう。
例えば、「こんなに寒い中働いてて大変だなあ」「新しい歯ブラシを使うと気持ちがいい」など、実際に感じたものを英語にします。一日の最後に日記をつけるのも有効な方法です。
自身の気持ちを表現できるようになると英作文自体が楽しくなりますので、見たもの、聞いたものだけを描写するだけでなく、それをどう感じるかを積極的に表現してみましょう。
5. 添削サービスを利用する
1のオンライン英会話では添削サービスはリアルタイムではないので、おすすめしないと書きましたが、ペンパルアプリやランゲートなどを使えば無料で学習することが出来ます。
それ以外では有料になりますが、ビジネスライティングが学べる専門のオンライン英会話スクールもありますので、ライティングに集中したい方はこちらをチェック。
関連記事:ビジネスライティングが学べるオンライン英会話10選
CAUTION (学習の際の注意点)
いろいろな文法を使ってみる
英作文では使える表現のみ使いがちですが、使えない英語を使えるようにすることも非常に重要ですので、あえて自分が苦手としている英文法を使ってみるようにしましょう。
特に、仮定法過去や未来完了形などは文法的に難しい一方、日常英会話の中では使用頻度が高くなります。苦手を克服するように新しい英文法を使って見ましょう。
関連記事:【英文法】学習優先順位No.1!なぜビジネス英語に英文法が必要なのか?
答えがあるものは答え合わせをする
英作文の難点は、答え合わせがしにくいという点です。英語の表現は無限にありますので、一つ一つに「回答」はあっても、「解答」がないのです。
自分が使っている英語が正しいのか分からないことが多いですので、参考書など模範解答が与えられているものに関してはもれなく答え合わせをしましょう。
GOAL(目標レベル)
IELTSはpart1ではグラフや表などを読む能力が、part2ではより抽象的な内容に対する意見を表現する能力が試されますので、英作文能力の一つの指標となります。
IELTS WRITING 6(最低レベル)
IELTS writing6は留学でも最低限必要なレベルです。6はpart1では少なくとも表やグラフを正しく読むことができ、過不足なく説明できる、part2では難しいことは表現できないが自身の考えは最低限表現できると判断される程度ですので、ビジネスシーンでも最低限持っておきたいレベルです。
IELTS WRITING 7(目標レベル)
IELTS writing 7はかなり高度な英語で表現できると判断されるレベルです。客観的な事象に関しては正しく詳細に描写することができ、主観的な内容に関しても自身の意見をはっきりと表明できるレベルと言われます。
もちろん、できれば7以上の点数を取りたいところではありますが、7はかなり難易度が高いと言われますので、目標レベルとしては適切だといえます。
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