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貿易会社で働く社員が教える「貿易実務検定の取得メリットと難易度」

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貿易実務検定という資格をご存知ですか?

貿易関係の仕事についていなければ、ほとんど知られていないこの資格試験。業界では就職や転職する際に中々役に立ちます。

現在、関西にある大手貿易会社で事務をしており、B級を持っている筆者が、この貿易実務検定で資格を取るメリットと難易度をご紹介します。

貿易実務検定とはなにか?

貿易実務検定とは、日本貿易実務検定協会が主催する、貿易に関する知識やスキルを客観的に測る検定試験のことです。

内容はマーケティング能力、輸送機関(飛行機、船、クーリエ等)の手配に関する知識、通関の知識や実務英語といった非常に幅広いものです。

歴史のある全国的に有名な検定試験のひとつで、試験は東京・横浜・千葉・埼玉・名古屋・大阪・神戸・広島・福岡・沖縄などの全国の会場で行われています。

どうビジネスに役に立つのか?なぜ資格を取るとよいのか?

試験は、実務でも頻繁に取り扱うL/Cやインボイスなどの船積み書類に関する内容から出題されるので、未経験者が貿易業界に転職する際にも、知識を活かし業務に取り掛かることができたという声はよく聞きます。

また、貿易業界で実際に働いている人にとってもメリットは大きいです。

試験を受験することで今自分の持つ知識がどの程度のものなのか、どのくらい通用するものなのか再確認することができるのです。

いかに自分が昔から続く会社独自のマニュアルに囚われていたかに気づき、改めて法的根拠に則った正確で質の高い仕事に取り組めるでしょう。

実務で使用する英語についても、非常に大きなメリットがあります。

貿易業界で使用する英語は正直そこまで高いレベルを要しません。海外とのやり取りも基本的にメール連絡が多く、定型文を使用している企業がほとんどです。

しかし、荷為替手形やL/Cといった貿易業界ならではの専門的な書類を取り扱うため、専門用語に絞った英語学習が必要になります。

そこで、役立つのが試験内容にある「貿易実務英語」です。

活用頻度の高い英語での言い回しを習得可能で、実際に学習し身に着けた英単語や文法はフォワーダー会社で務めていた際に、テンプレートとしてメールで頻繁に活用していました。

試験内容は?

貿易実務検定のレベルは、A級・B級・C級の3段階となります。

それぞれの試験内容を紹介します。

C級:1~3年程の実務経験レベルです。定型業務をこなすための最低限必要な知識が必要となり、科目内容は「貿易実務」「貿易実務英語」の2つで、全てマークシート形式です。最も優しいレベルなので未経験者はまず力試しとしてC級から挑戦することをお勧めします。

B級:3年目以上の貿易実務経験者の中堅層レベルとなります。科目内容は「貿易実務」「貿易実務英語」に加え「貿易マーケティング」の3つとなり、C級同様全問マークシート形式です。C級よりさらに業務内容に踏み込んだ知識を要します。
履歴書の資格欄にB級を記載出来れば、ある程度の知識があると企業側に期待されるでしょう。

A級:最も難関とされるA級は、貿易実務業務において高度な判断業務を行うことができるレベルです。科目内容はB級と同じですが、「国際取引と税務」「運賃計算の知識」「クレーム」「英作文」といった2015年に廃止された準A級の内容が加わり、形式は選択式と記述式になります。合格率もC級、B級に比べて低く、毎年30%前後です。

貿易実務英語の試験内容

B級・C級は、大きな設問として ①英単語10問 ②英文和訳10問 ③英文解釈2問があります。日本語でのガイドラインになります。

①英単語(語群選択式)
英単語の意味を選択し中から選びます。最も簡単なのでここで点を取りましょう。

②英文和訳(三答択一式)
英文について適切な和訳を選びます。最も難しくひっかけ問題もあるので慎重に解きましょう。

③英文解釈(三答択一式)
実務で使用する書類(L/C,荷為替手形,B/L等)について内容を理解しているかの設問です。

どうやって試験対策をすればよいのか?

勉強方法は大きく2つに分かれます。

・独学
・スクールに通う

B級、C級を受験するのであれば独学でも可能かと思いますが、A級は知識の幅も量も格段に増え、より専門性のある内容のためスクールに通うことをお勧めします。

独学のおすすめ方法としては、まず本屋や図書館に置いている読みやすそうな参考書を選びます。参考書といっても、漫画でも大丈夫です。最近はむしろ漫画形式で学ぶ参考書が多いので、ぜひ自分に合った本を探してみてください。

そして、貿易三大要素である「モノ(荷物)・カネ(お金)・カミ(書類)」の流れを大まかに理解した上で、早速過去問を解いていきましょう。

恐らく、過去問の難解さ(出題方法の癖の強さ)に頭の中が「?」で埋め尽くされるかと思いますが、問題ありません。

大切なのは、試験の内容に慣れることです。1回目はほとんど解けないでしょう、しかし、2回目3回目と回数を重ねて問題に反復して慣れることで対応力が身につきます。

そして、よく間違える問題の分野を再度参考書で振り返ってください。このルーティーンを守ることで、不明点を着実に潰していくことができます。

もうひとつアドバイスをするなら、全ての試験で言えることですがB級・C級においては全問マークシート形式のため、わからなくても全ての回答を埋めるようにしましょう。

実際試験問題では、過去問題集や参考書でも見たことのない問題が含まれていることがあります。

運も実力の内です。その時は落ちついて、他の問いに取り掛かり、必ず全てのマークシートを埋めるように心がけてください。

合格前と合格後で仕事や転職で違いはあったか?

貿易実務検定は国家資格と違い、民間試験のため受験しないと貿易関連の仕事に就くことができないということはありません。ですが、この資格を取得することで就職や転職に有利に働くことはあるのです。

私自身の経験ですが、前職のメーカー会社ではL/Cと船積み書類の照合を行っていましたが、学習を通してL/Cの項目ごとの英語内容を全て理解することが出来たのです。

以前は、内容をよく理解せず、ただ書類のスペルミスがないかを確認しているだけでしたが、L/Cの種類や買取条件など書類を読み解く上で必要な内容を一から学べたので、自分に自信がつき、積極的に仕事に取り組むことができました。

同時に、英語を読み解くスピードも速くなり、仕事全体の効率化にも繋がったと実感しています。

また、貿易実務検定の勉強内容は幅広いため、船会社側・フォワーダー側・メーカー側・商社側と実務内容が大きく異なります。

そのため、仕事内容が固定されて知識が偏ってしまう場合が多いのですが、貿易実務を学習するということは物流の流れを一から十まで理解することになるので、貿易に関わる全ての人々の視点に立ち仕事に取り組むことが出来るのです。

試験内容を勉強することは、業務の理解度をUPさせるだけでなく、顧客満足度の向上や社内での評価にも大きく影響することがわかります。

貿易に関する他の資格

貿易業界において役立つ資格に「国際取引業務検定(別名:IBAT)」や「通関士」といった資格もあります。

しかし、IBATについては歴史が浅く認知度も低いため、転職に有利かというと何とも言えません。(今後の受験者数にもよります。)

通関士の資格は、合格率が非常に低く、通関業務にフォーカスを充てた専門的な資格のため幅広い貿易業務を覚えたいのならば、少し違う学習内容になるののかもしれません。

コロナウイルスによる影響

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によって、アジアだけでなく欧米各国はロックダウンを敢行し物流の動きに多大な影響を及ぼしています。

日本でも、2020年の3月頃から輸出入が減少しており、貿易業界に与えている影響は小さくありません。貿易事務の仕事は残業が基本的に多いことで知られますが、緊急事態宣言が発表された4月は、業務量が格段に減ったことを覚えています。

しかし、経済発展が目まぐるしい中国からの輸入はどの国よりも早く整備され、2020年の10月では中国以外のアジア圏の輸出入業務においてもコロナ前と同様の仕事量に戻りつつあります。

つまり、消費者の生活は物流に支えられているため世界と関わりを持つための要である「貿易」が落ち込むことは極めて「一時的なものである」ということです。

貿易実務検定試験のメリットや学習方法について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

コロナ禍で世界的に経済が衰退している中、物流業界は今やECサイトやネットショッピングの売上が上昇しており、伴って輸出入も元に戻りつつあります。

今後、物流業界に必要な知識やスキルを学べる「貿易実務検定」を取得することで、自分の市場価値が上がり、企業に求められる人材になるでしょう。

貿易に関係する業種の方はもちろん、興味を持っていただいた方はこの機会にぜひ挑戦されてみてはいかがでしょうか。

貿易実務検定に関するQ&A

新型コロナ禍において、あくまで2021年6月時点で貿易の仕事自体の需要は、コロナ前に比べてどのぐらい戻ってきていると実感しているか?またその理由も。
A.国内で新型コロナウイルスの拡大が始まった2020年前半に比べると、体感としては落着きを取り戻しており以前と同じ業務量に戻っているように感じます。中国・香港からの輸入再開のスピードが速く、逆にヨーロッパ圏は国内での移動制限やロックダウン措置の影響もあって、物流の流れはかなり遅れていたようです。そのため自分が担当する海外取引先の地域によって業務の忙しくなるタイミングは異なっていました。

一方で、2021年6月現時点でも未だにコロナの影響を感じているのが、深刻なコンテナ不足による「輸送の滞留」です。これは働き手の不足によるコンテナの積み下ろしの遅れ・ドライバー/港湾労働者不足などが原因と言われています。その影響によるスケジュールの再調整・クレーム対応業務などで物流業界(特にフォワーダー)は今も若干忙しさは続いています。
合わせてこれから、1年〜2年ぐらいの貿易業界の予測が何かあればお願いします。
A.コンテナ不足や労働者不足が続く中、世界的に経済が安定しない限りは以前のような状態には戻らないでしょう。しかし「after コロナ」ではなく「with コロナ」の考えで早くに社内改善に勤しんでいる企業では、少ない労働者でも上手く稼働できる体制へ整えるためにこれまでの業務マニュアルを改善し業務を効率的に進めるよう改善に動いています。

こうした改革が多忙を極める貿易業界全体に浸透すれば、業務フローの簡易化で従業員一人一人の負担を減らすことが出来、少ない人員でもストレスなく働ける環境が増えるのではないでしょうか。
貿易実務検定B級の合格にあたって、必要とされた勉強時間や、実際の勉強方法を教えて下さい。
A.元々前職で船積書類の確認作業を行っていたので、専門用語のおおよその意味は軽く理解した状態から貿易実務検定B級の学習に入りました。

試験までの学習期間は半年程度でした。学習内容は、貿易実務C~B級の範囲にあたる参考書(過去問が2年分含まれている)を1回目はさらっと読み、2回目からは分かりづらかった箇所に付箋をして、その内容をさらに細かく説明している他の貿易実務関連の書籍と照らし合わせて不明点を潰していくようにしました。3回目は覚えが弱いと感じた分野を重点的に復習しました。また過去問はなるべく早めに取り掛かるようにしました。

なぜなら貿易実務検定は出題方式が難しく、参考書で大方理解していても設問の意味が理解できず混乱してしまうからです。そのため参考書で学習しながら同時並行で過去問にとりかかることが合格の近道かと思います。最初は過去問の出来なさに心折れそうになるかもしれませんが、問題ありません。何度も何度も解くことが合格への大きな一歩となるので、諦めずに頑張りましょう。
貿易実務検定A級を持つことは、どのようなメリットがあると思いますか?
A.今貿易に関連したお仕事をしていたり、会社で取得することを勧められているのなら別ですが個人的にはA級の取得はそこまで必要ないかと思います。実際周りにA級を取得している同業者はいません。試験の受験者数もC級・B級で毎回1000~2000人ですが、A級はおおよそ200人程でそもそも受験しようと考えている人が少ないです。

しかしB級を受けてさらに貿易実務の理解を深めたいと考えているのであれば、ぜひ業務に活かせるようチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
貿易実務検定の資格を持っていると、業界内での転職をする際に有利になりそうでしょうか?正社員と派遣社員で違いがあればそれも教えて下さい。
A.貿易実務検定は、貿易実務についての知識や実務能力を測る検定です。学習することでより業務の理解を深めることは私自身未経験からの転職の際に身をもって実感したので、貿易業界への転職をお考えであれば取得することを強くオススメします。また今は資格取得を応募資格としている会社も多く、特に未経験の正社員中途採用であれば資格の有無が他の応募者との大きな差になるでしょう。

特に派遣社員の募集をする企業は「即戦力」を第一に求めているので、応募欄に「未経験歓迎」と記載されていても貿易実務検定を持っているかどうかが採用の決め手になることもあるようです。
貿易業界で働いている中で、貿易実務検定B級の知識を持って働くことはどの程度重要でしょうか?*必須級なのか、それともあったら差別化になるのか(A級でないと差別化にならないのか)など。
A.普段働いている中で流れ作業となってしまっている一つ一つの業務の「理解を深める」ために、貿易実務検定B級を学習することは重要だと考えています。特にインコタームズや貿易保険の詳細、関税についての知識はC級よりさらに難易度が高まるため、働く中で「正しい知識」として業務に役立つことがあります。ただし貿易実務に関して全体的に幅広い知識を身に着けたいのであれば、C級で十分です。

貿易事務への転職の募集要項でもC級をボーダーとしている企業が多いです。まずはC級を学習し、もう少し踏み込んだ実務内容を学習したいと思ったらB級へステップアップするといいでしょう。私の周りでも貿易業界で数年経験を積んでからさらに専門性の高い知識を身につけるため(または昇給の必須項目のため)B級試験を受験する人が多いです。また一方で、貿易業界で働く選択肢を広めたいなら、貿易に関わる唯一の国家資格である「通関士」を目指すことオススメします。より専門性の高い職業なので、求人募集も多く就職に困ることも少ないでしょう。
貿易実務検定B級以上が特に活躍できる、貿易業界内の仕事はどんなことがありますか?
A.貿易実務検定B級以上の内容は、貿易に関する知識がC級よりさらに専門的となります。例えば業種で絞ると、船社やフォワーダー、メーカー、商社に務めることが可能です。他にも為替業務やL/C発行を行う銀行や税関に務める人もいます。職種では圧倒的に「貿易事務」が多いように見受けられます

。事務職と言っても実務内容は一般事務や営業事務に比べて専門的かつ膨大な業務量を担当することとなるので、正直かなり忙しく残業も多いです。その代わり、給与はほかの事務職に比べて高くやりがいを感じられる職業です。

B級以上は「貿易実務経験者の中堅層」とされているので、多くが貿易事務からステップアップをして船社やメーカー・商社との営業まで担うマネージャー的ポジションに昇給していることが多いです。

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きんくま
営業事務5年、フォワーダー業務2年、現在は海外営業事務としてコレポン業務を行なっております。

【資格】
・秘書技能検定二級
・貿易実務検定B級

4 コメント

    • ご返事いただきましたので、こちらに掲載しますね。

      >A.4年間の学習でTOEICのスコアを800点台まで到達されたことはとても素晴らしいと思います。どのような業種・職種に勤めたいかにもよりますが、スコア845あれば日系の海外事業部や一部の外資系企業のロジスティクス部関連の募集要項のボーダーラインは十分クリアできています。

      貿易実務検定は40代というご年齢であれば、C級ではなく最低でもB級は取得すべきです。企業側も40代枠の募集をする意図としては、「即戦力」かつ「マネージャーまたはリーダーのポジション」枠を求めているでしょう。そのため未経験からの転職となると貿易関連の予備知識なしでは実際に就職した際に業務の多さと専門性に混乱されるかと思います。

      貿易業界では英語スキルも必要ですがそれ以上に、貿易の専門知識を身につけておかないと始まりません。B級で業務レベルは「貿易実務中堅層」と言われており、最低限の知識として習得しておくことをオススメします。

  1. とても参考になりました。
    私は現在43歳の男性で非正規雇用で働いています。
    toeicの勉強を4年前から始めて現在は845までスコアが伸びました。
    10年間コールセンター勤務ですが、何か変えたいと思い始めた英語ですが、それ以外のスキルはないです。

    貿易事務検定を現在の年齢で取る意義が如何程か、勉強し始めるか悩んでいる段階です。
    何かアドバイスが有ればご教示願います。

    来年の目標は結婚(相手は居ます)と就職です。

    • w様
      コメントありがとうございます。記事がお役に立ててよかったです。
      記事を書いてくれたライターさんとは一旦契約が終了しているため、ご返信を頂けるかわかりませんが、リーチしてみますね。

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