不思議に思ったことはありませんか?
中学・高校、人によっては大学まで、それなりに頑張って英語を勉強してきたはずなのに、なぜ英語が話せないのか。
街中ではたくさんの英会話スクールや専門塾を見かけるのに、どうして私たちはいっこうに英会話ができないのか?
長年、英語を学んできたのに話すことも聞き取ることもできないという事実は、私たちが学んできたのは受験(試験)のための英語であって、それは「英会話力を育てることにはあまり役立っていない」ことを意味しています。もちろん、無駄だとは思いませんが、少なくとも理想する目標に到達している人はほぼいません。
では、数から見れば、ごくわずかに過ぎない英会話上級者は、どうやって高い英会話力を身につけたのでしょうか?
いくつかの統計データの結論を言えば、
「英会話上級者たちの大半は、海外留学(および在住)経験がある」という事実です。
以下で詳しくご紹介します。
目次
5つのエビデンス
1. マナビジンが独自にアンケートを取った統計(160人)
2. 転職サイト、ダイジョブドットコムの統計(300人)
3. TRAIZのアンケート調査の統計(823人)
4. 英語学習系YouTuberトップ25人の統計
5. 英語学習関連で検索した上位ブロガー約30サイトの統計
1. マナビジンの統計
英会話が流暢に話せるようになった英会話上級者160人にアンケート調査。その結果、82%が海外経験ありだった。
2. ダイジョブドットコムの統計
転職サイト、ダイジョブドットコムの統計データでは、最も役立った英語学習方法は58.3%が「海外留学および在住経験者」だった。
ソース:https://corp.daijob.com/news/news/20180528
3. TRAIZのアンケート調査の統計
823人に聞く、役に立った英語学習は次のうち3つ選ぶとすればどれですか? への回答。
海外の英会話学校の項目がネイティブ圏と、非ネイティブ圏で分けて(留学が飛び抜けないようにしている)が、合計すれば海外留学が「36.9%」で実質1位、国内の英会話学校が29.3%と2位、オンライン英会話が25.6%と3位。英会話に比べて、自習系は軒並み低い(つまり、英会話スクールと比較した場合、自習は役に立ったと実感できていない)。
ソース:https://toraiz.jp/blog/2021/02/10/business-english/
4. 英語学習系YouTuberトップ25人の統計
英語学習系YouTuberの海外留学比率を調べたところ、84%が留学生もしくは海外育ち(主に外国人ネイティブを一部含む)。
5. 英語学習関連で検索した上位ブロガーの統計
英語学習情報を提供しているブロガーを調べると、72%が海外留学経験あり。
このようにとにかく、留学経験者が目立ちます。
実際に私たちの周りでも、英会話ができる人は留学経験がある人じゃないでしょうか?
こうした事実から、流暢に英会話をしたいのであれば、海外留学を果たすことが最も効果的な手段であると、結論づけることができます。
それにしても、海外留学できる日本人は、人口の割合から考えれば極めてごく少数です。
にもかかわらず、英会話上級者は留学組が大多数を占めているという現実を、私たちはどう受け止めたらよいのでしょうか?
それには、海外留学で英会話力が伸びた人をさらに調査すると見えてきます。
当然ながら、海外留学をすれば誰でも英語を話せるようになるわけではありません。
海外留学しようとも、あるいは長年にわたって英語圏の国で暮らしていようとも、うまく喋れない方は多くいます。
ここでは割愛しますが、一言でいえば英会話が出来るようになった人たちほど「実践が大事」という意識を持っており、外国人との交流頻度が多く、積極的に授業でも発言していることがわかりました。
逆に、できない人ほど日本人同士で交流したり、部屋にひきこもって自習ばかりしていたのです。
つまり、「アウトプットを徹底的に繰り返したことにより、英会話力を伸ばせた」ということです。
英会話上達の秘訣はインプットが先か、アウトプットが先か
英会話の学習は大きく2つに分けることができます。
いわゆるインプットとアウトプットです。単語や文法の知識などを詰め込む過程がインプット、実際に英会話を行う過程がアウトプットです。
インプットとアウトプットのどちらに比重を置くかによって、英会話の上達スピードは大きく違ってきます。
繰り返しますが、英会話上級者の大半は海外留学の経験をもっています。大量のアウトプット機会に恵まれていたのは、紛れもない事実です。
実は、このことは海外留学組に限らず、国内で英会話を身につけた人たちにも当てはまります。
マナビジンの統計では、国内のみの学習で英会話上級者になれた人たちの多くは、インターナショナルスクールに通っていたり、外資で働いている人、あるいは外国人の友達や恋人をもつ人たちなどでした。
つまり、海外には出ないまでも、日常生活の多くの時間を英語に取り巻かれて過ごした人たちです。
強制的に大量のアウトプットをせざるを得ない環境に身をおいたからこそ、流暢に英語を話せるようになったのです。
このことからわかるのは、重要なのは「場所」ではない、ということです。海外留学しようと国内に留まろうと、どちらでもよいのです。
大切なのは、どこで学ぶのかではなく、アウトプットを中心とした学習をすることです。
もっとも効率的なのは「アウトプットが先、インプットが後」の一択のみです。
たとえば海外留学組にしても、まずは英会話の実践が先に来ます。そうして実践の場で得られたことを、復習として自習することが一般的です。
留学中は毎日、大量の英会話をこなすことにより、多くの情報が入ってきます。それらを消化するためには、自習が欠かせません。
アウトプットからインプットへの一方通行の流れです。
間違っても「インプットしたものをアウトプットで実践する」という関係ではありません。
英語学習のプロの経歴を確認しよう
インプット中心の英語学習を勧めるプロたちの経歴を、ぜひ確認してみてください。
ほとんどの人が長期留学(もしくは海外育ち、外資で仕事など)です。
自らは大量の英会話を実践することで流暢に英語を話せるようになったにもかかわらず、他人にはインプット中心の学習をすべきだと勧めていることになります。
しかし、そういった方々の中で「海外留学が一番効果的でした」という人はほとんどいません。
「私と同じように海外に住めば喋れる」とか、「インターナショナルスクールに通えばいい」、「外国人の恋人を作って英会話をするのが早い」、あるいは「外資で働けば良い」なんてことも言いません。
実際、海外留学にしても、インターナショナルスクールにしても費用が高くつくため、多くの人にとっては現実的ではありません(フィリピン留学は安いですが)。
そもそも社会人であれば、留学のために長期休暇を取ることさえ、ままなりません。
外国人の恋人を簡単につくれるはずもなく、英語力が低いのに外資に採用されるはずもありません。
では、どうするのかといえば、海外で英会話習得のために行った9割の「英会話の実践」は脇においておいて、1割だけ行なってきた「自習」にフォーカスして紹介します。
彼らの商品が売れやすいように、「インプットを繰り返すことで英語を話せるようになります」とアピールすることになります。
果たしてそれは本当に喋れるようになるのでしょうか?
統計上はかなり怪しいです。。。
英語のプロではなく、実際にあなたの目の前にいる英会話ができるようになった人たちの声に、ぜひ耳を傾けてみてください。
優先度1位にしないと英会話は習得できない!
私は3ヶ月間フィリピン留学で1週間で40時間〜50時間ぐらい英会話していました。それを3ヶ月、つまり500時間ぐらい続けてやっと中級レベル(VERSANT 57点)です。
その経験からわかったことは、大学生および社会人が英会話を習得したいと思ったら
「ある一定の時間」、「人生を賭けて」、「集中的に英会話を実践」をしないとまず身につかない、ということです。
長くコツコツやって喋れるようになるのは、長期滞在している人や小さいころから英語をやっている人だけです。
社会人になってから机の上にしがみついて勉強をしても、英会話はできるようになりません。
なぜなら、結局のところ自分の頭で文法を使って文章を考え、それを伝える練習を大量に行う必要があるからです。
今あなたが英語学習で日々行っている勉強は、ただの何かしらの文章のリピートですか? それとも自分で考えた文章を誰かに伝える練習ですか?
英会話を最短で身につけるためにやるべきことは、書店で教材を買うことでも、アプリをダウンロードすることでも、ネットフリックスの海外ドラマを英語字幕で見ることでもありません。
あなたがすべきことは、英会話です。
ネットフリックスの海外ドラマに出てきた英語を使いたいならば、シャドーイングではなく英会話のなかで試してください。
発音練習をしたいならば、書店で教材を買って自習するのではなく、英会話のなかでやってください。
文法を学びたいのであれば、英会話のなかで、先生に教わってください。
プレゼンの練習をしたいのであれば、一人で丸暗記に励むのではなく、英会話のなかで先生からフィードバックをもらってください。
とにかく、すべての勉強を英会話のなかでやることをおすすめします。自習はどうしても英会話ができない環境のときだけ、行なってください。