カナダのカレッジや大学・大学院を目指している人なら、一度はTOEFLやIELTSといった名前を聞いた事があるのではないでしょうか。
ただ、「TOEFLなら知っているけれど、IELTSについてはよく分からない」「志望先の大学でIELTSのスコアが必要だけれど、何から始めたら良いのか分からない」といった人も、少なくないかと思います。
そこで、この記事ではIELTSの基本情報から、留学に必要なスコア、各セクションの攻略方法、そしてIELTS最難関のライティングセクションで高スコアを取る方法を紹介したいと思います。
目次
カナダ留学になぜIELTSが必要?
そもそも、カナダ留学でなぜIELTSが必要なのでしょうか。
英語圏の入学出願時に、英語が母国語ではない人は、授業についていける英語力を証明するために、英語力判定試験のスコアの提出を求められます。
その試験の中でも、殆どの教育機関でも使われているのがTOEFLとIELTSです。TOEFLは主にアメリカで、IELTSはカナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドの教育機関で広く採用されています。
また、IELTSは多くの教育機関で採用されているばかりでなく、カナダでは移民申請の際に、英語力の証明を提出する試験としても使われています。
つまりIELTSはカナダにおいて、とても信頼度の高い試験といえます。
正規留学するには何点取ればいいの?
IELTSはリーディング・リスニング・スピーキング・ライティング、4つの区分で構成されており、4つのセクションのスコアを足して4で割った合計が、オーバーオールスコア(全体の平均点)となります。
スコアは1.0から9.0まで、0.5刻みで表します。
学士(Degree)取得を目指して大学へ出願する場合は、最低でも6.5、学部によっては7.0以上が必要です。また、全てのセクションで6.0または6.5以上取ることが要求されます。
修士号(Master Degree)取得のため、大学院へ出願する人は、7.0以上のスコアを取ることが必須です。また、その際各セクションは6.5を下回ってはいけません。
学部によって求められるスコアが違うこともありますので、出願したい学校が決まったら、まず必要なスコアを確認することが大事です。
目標スコアを取るために、何から始めればいいの?
ほとんどの教育機関ではオーバーオールスコア(全体の平均点)と共に、各4つのセクションに最低点を設けています。
つまり、全てのセクションで合格点を出さなければ、たとえオーバーオールスコアで目標点を到達しても、パスした事にはならない訳です。
以上のことから、各セクションの対策を立てつつ、苦手なセクションを更に重点的に勉強していく事が、目標点達成のコツとなります。
それでは4つのセクション毎に、おすすめの勉強法をご紹介していきましょう。
スピーキング
IELTSのスピーキングは、試験官との対面式となり、3つのパートに分かれています。
まず、自己紹介から始まり、家族や仕事など、一般的な質問に答えます。次に試験官から渡される特定のテーマに沿ったスピーチを1〜2分。最後に、先程渡されたテーマに関連した質問を数問聞かれて終わりです。
こうやってみると、普段英会話に慣れていない人にとっていきなり用意していないテーマに対してスピーチと質疑応答をするのは、少しハードルが高いと思われるかもしれません。
特に最後のパートはテーマに対して、試験管のアドリブで質問がされるので、対策がしにくいと言われています。
ただ、ある程度英会話に慣れている人なら、例えばTOEFLの様に、制限時間内にコンピューターに向かって話すより、自然な会話もでき、質問が聞き取れなくても、何度も聞き返す事が出来ます。
その事から、IELTSのスピーキングの方が緊張せずに受けられるといった人も少なくない様です。
自己紹介やスピーチ、質疑応答に慣れるのは、何といっても英会話を繰り返し練習するのが一番の近道です。
その中でもオンライン英会話を受けるのが、一番コスパが良いでしょう。
まず簡単に自己紹介文を作成してみてから、レッスンで実践し、講師の方に文法や流暢さをチェックしてもらいましょう。実際の英会話に触れて、会話に慣れていくのが一番の対策方法です。
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リーディング
IELTSのリーディングは、アカデミックモジュールとジェネラルモジュールに分かれていますが、留学でIELTSのスコアが必要な場合は、アカデミックモジュールを選ぶ事になります。
アカデミックでは 60分で3つの長文を読み、様々な質問(各問題文ごとに13〜14問)に答えていく形式となります。
文章は、教育・化学・生物・環境・芸術・歴史など、様々な分野から出題されるので、普段から英文で、色々なジャンルの記事を読み、長文読解や単語に慣れるのが大事です。
BBCなどから出ている、ニュースアプリをダウンロードして、通学・通勤の隙間時間を利用し、リーディング力をアップに努めましょう。
また、リーディングで最もおすすめの勉強法は、過去問を繰り返し解く事です。過去問はケンブリッジ出版から公式の過去問が出版されています。
各設問をタイマーで時間を計りながら、一通り解いていきましょう。一つの長文につき20分以内に解く必要があります。何度も繰り返し解き、分からない単語は文章に関連付けて覚えていきましょう。
地味な作業になりますが、こうやって勉強する事によって着実にスコアを伸ばせるのがリーディングセクションです。
リスニング
リスニングは全40問、30分間の試験となります。日常会話やアナウンスを聞いて答えるセクション1と2、アカデミックな会話や、講義やスピーチを聞いて答えるセクション3と4、全4つのセクションに分かれています。
IELTSのリスニングでは、穴埋め問題や地図問題など、独特の問題が出されます。ですので、出題傾向に慣れることが何より大事です。
リーディング同様、公式の過去問を繰り返し解いて、出題パターンに慣れてしまいましょう。
また、イギリス寄りの発音や表現が出ることが多いため、BBC Podcastsなどでアクセントや表現の仕方に慣れておくのも大切です。
ライティング
ライティング問題はタスク1とタスク2に分かれ、アカデミックモジュールでは与えられた図表について、解説を150ワード以上で記述。
タスク2は与えられたトピックに対して、自分の意見を250ワード以上にて記述する形式となります。
日本人は、一般的にスピーキングとライティングが苦手と言われています。
オンライン英会話などで、先生から指導を受けて力を伸ばしていけるスピーキングと違い、ライティングは、ある程度独学で勉強していく必要があり、多くの人がスコアを伸ばすのに苦労するセクションです。
とはいっても、大学留学を目指すには、最低でも6.0が必要なこのセクション。
攻略法はあるのでしょうか。
IELTS最難関のライティングで6.0を取るためのコツ
まず「どこから始めて良いか分からない」といった人は、模範解答を書き写してみる事から始めてみましょう。
過去問に載っている解答例だと、練習量が全く足りないので、IELTSのライティングに特化したwebサイトを利用するのがおすすめです。
IELTSのライティングお助けサイトとして、とても有名なのがIELTS Simonです。
IELTS教師であるSimon先生が、2010年から2020年まで10年間書き溜めたこのブログには、何百もの例題と解答例があります。
このブログのTask 1とTask 2から、解答例を参考にし、使えそうな表現があったら、ピックアップして、自分のライティングノートを作っていきましょう。
そのライティングノートにある程度例文が溜まったら、ノートを元に、自分で文章を作っていきます。
始めはどう書き始めたら良いか分からなかった状態から、いつの間にか150文字、難なく埋められる様になっている自分に気づくでしょう。ある程度パターンを覚えてしまえば、IELTSのライティングは怖くありません。
最後に
カナダ留学のためのIELTS攻略法、いかがでしたでしょうか。
勉強のコツさえ抑えてしまえば、どんな高得点であっても目標スコアにたどり着く事が短期間で可能です。是非参考にしてみてください。
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