皆さんは、自身がどれだけ英語ができるか測ったことはありますか?
今となっては、小学生から英語を学ぶことが当たり前になり、就活で有利になるために英語の資格をとる人も少なくはないでしょう。
世界的に使われている言語で海外留学に行きたい方、グローバルに働きたい方は自身がどれだけ英語ができるのか知っておく必要があります。
そのツールとして「英検」や「TOEIC」は聞いたことがあるでしょう。
では、「TOEFL」はどうなのでしょうか?
この試験を知らずして留学は考えられません。今回は、英語力を測るもう一つのテスト「TOEFL」について紹介します。
TOEFLとは
TOEFLは「Test of English as a Foreign Language」の略で、アメリカ合衆国の非営利教育団体「Educational Testing Service」(ETS)によって開発されたテストです。
名前の通り英語を母国語として話さない国の人のためのテストで、日本だけでなく、150ヵ国以上の国で受け入れられている世界的に有名な英語のテストです。
世界的に受け入れられているとは?
TOEFLは実践的な英語力測れることから特に大学や大学院に受けいれられており、一定のテスト点数を入学する際の条件として設けていることが多いです。それ程、英語力を証明する基準として認められているのです。
テスト内容
テストはコンピューターで行われ、4つの英語スキル(リーディング、リスニング、スピーキング、ライティング)を測定するよう構成されています。
各スキルテストは30点満点の合計120点満点のテストで、リスニング後の休憩(10分)を入れて完了するまでに約3時間かかるため集中力を保つのが大変です。
では、各スキルテストの概要について説明していきます。
リーディング
大学レベルのある学問について読み、その読解力を測ります。
・700語ぐらいの長さの文章が3~4種類、各お題に10問の問題
・制限時間は54~72分
今まで聞いたことがないような学問について出題されることもありますが、どの問題も文章内に解答があるため、内容を理解すれば解けるはずです。また、専門的な単語については解説があるためご心配なく。
リスニング
日常会話と講義について内容を聴き、基本的な内容やセリフの意図について理解力を測ります。
・講義:3~5分程の講義を3~4題、各お題に6問の問題
・日常会話:3分程の日常会話を2~3題、各お題5問の問題
・制限時間は41~57分
聴いている際中は、メモOKなので、重要だと思うポイントについてなるべく詳細にメモすることをオススメします。
スピーキング
大学や大学院で身を置いた際に学術的に話せるか測ります。内容は学内や学外で起こりうる設定で4題出題されます。
・一つは、自身の考え、意見、経験についての問い
・残りは、読んだり聴いたりした文章や会話についての問い
・各お題は、15~30秒の準備、45~60秒の解答時間が設けられる
・制限時間は17分
スピーキングの内容は、マイクを通して録音し、AIと試験管によって採点されます。
ライティング
大学や大学院で身を置いた際に学術的、且つ、論理的に自身の考えを記述できるか測ります。
・一つは、短文を読んだ後、講義を聴き、その内容についての問い
・もう一つは、お題に対して自身の経験や意見をふまえた小論文
・制限時間は50分
ライティングはコンピューターに入力し、AIと試験管によって採点されます。3時間と長いテストのため、集中力を保つためにしっかり睡眠をとることと、分からないものはスルーして、効率的な時間配分で進めることが大事です。
TOEFLを受け。3つのメリット
国内でもTOEICや英検がある中で、TOEFLを受けるメリットとは何があるのでしょうか。
1.海外留学の資格証として活用できる
冒頭で記載した通り世界的に受け入れられているテストのため、留学希望者の英語力の目安にしやすいです。ハーバード大学やコロンビア大学等の有名大学も受け入れています(もちろん、求められる点数も大学のレベルに比例しますが)。
では、日本でよく英語力の測定テストとして使用されるTOEICは、残念ながら世界では英語力の判断基準として使用されないことが多いです。
2.就職活動の資格欄に記載できる
TOEICは留学の際には利用が限られますが、就職活動の場においては未だ判断基準として国内で信頼度が高いです。それに比べてTOEFLは国内ではTOEIC程は知名度は高くないですが、十分評価する基準として使われます。
今ではグローバル企業であれば、エントリーシートにTOEFLのテストスコアを書く欄もあります。面接官がピンとこなくても「アメリカの〇〇大学が入学基準として受け入れている」とアピールするのもありでしょう。
3.自身の英語スキルを世界基準で身に着け、評価できる
決して、TOEICとTOEFLの難易度について比較するわけではありませんが、リスニングとリーディングのTOEIC(L&R)と比べてTOEFLはスピーキングとライティングが加わり、単純に勉強する時間が長いです。
そして、海外で学ぶ・働くうえで実践的な要素も多いため受験の有無に関わらず、英語を使用して生活するためにも勉強ツールとして役に立ちます。
申し込みから受験までの流れ
申し込み
公式サイトから申し込みをします。
https://www.ets.org/jp/toefl/test-takers
※使用するホームページは日本語表記に変更可能です。
受験地/受験日を探す
TOEFLは年間60回以上開催され日本各地で受験可能なため、自身の住まいの近くでいつ受験可能なのか確認しましょう。会場の席は限られるため、遅くとも2~3か月前に申し込むよう心がけることをオススメします。
※新型コロナウイルスの影響で現在日本では、実施を中止する試験会場はないですが、今後受験者の安全を優先し突然中止になる場合もあるため、常に最新情報を確認しましょう。
※ETSは2020年12月31日まで「自宅受験」を実施しています。通常のTOEFLとしての効力を持ちつつ、安全に自宅で受験ができるのも選択肢です。
ETSアカウントを作成する
受験するためには、まずETSのアカウントを作成する必要があります。作成には公式ホームページまたは、アプリを通してできます。
記入フォームに必要項目(生年月日、住所、電話番号等)を入力し、アカウント名とパスワードを作成します。最後に利用規約に同意し、入力した情報が正しいか確認して、完了。完了後、メールでもその連絡が届きます。
※アカウント作成時の名前は、テストセンターに持参する身分証明書の名前と完全一致していなければならないため、必ずアカウント作成時は、受験する国で有効な身分証明書と照らし合わせるようにしましょう。
テストの登録方法
作成したアカウントでログインし、自身のアカウントページより「①受験地/受験日を探す」のように希望受験地と受験日が空いていることを確認し、申し込みます。必要事項、質問に対する回答を記入し支払いへ進みます。支払い方法を選び、支払いされれば登録完了。完了後、メールでもその連絡がきます。
※金額は受験地によって異なり、例えば東京であれば$235です。(2020年10月現在)
※他にも電話や郵送での登録も可能です。
※万が一キャンセルする場合は、テスト4日前よりも前にキャンセルすれば、受験料の50%が払い戻されます。
テスト当日
チェックイン
試験会場についたら、身分証明書の提示をするため有効な証明書を見せる必要があります。確認がとれたら証明書以外の荷物を指定の場所にしまいます。名前を呼ばれたら、従業員が証明書を照合し簡単な持ち物検査を行います。
テストの機密保持の誓約
試験結果の証明書にも使用するための写真をとり、機密保持のための誓約書にサインをします。そして、ルールを説明された後、メモ用の鉛筆と紙を渡されて受験する席へ誘導されます。
受験直前の確認
誘導された席に座り、画面に表示される情報が自身のことであることを確認します。次にヘッドセットをつけマイクのチェックをするため、マイクに向けて数回話しかけます。マイクが正常であることが確認されたら、受験開始。
受験開始
受験を開始すると各スキルテストのはじめにテストに関する説明が記載されるので、そちらを理解したうえでテストを進めましょう。
※画面の操作等はヘルプボタンがあるため、試験中にいつでも確認可能。
休憩
リスニングが終わった後、10分の休憩があるため、身分証明書を必ず持って休憩をとりましょう。
※身分証明書を持ってないと試験に戻れないこともあるため、十分注意が必要です。
受験完了
テストが終わったらリーディングとリスニングの結果が即時にでるため、どれぐらいできたのかある程度分かります。その結果を踏まえて今回は、テストの結果を受け取るか受け取らないか選ぶことが可能です。いずれかを選んだら、荷物を回収し速やかに退出しましょう。
テスト結果は、実施日から約6日後にETSアカウントで確認することができます。結果は2年間有効で、結果をアカウントよりダウンロード・印刷して資格証明書として使用も可能です。
・試験会場への携行品(写真、腕時計、電子録音機器等)はテストが終わるまで他所持品と一緒に保管。
・事前に渡されたメモ用紙は持ち帰えり禁止。
・テスト終了後、結果を受け取らなくても受講料の払い戻しはなし。
・受験回数に制限はないが、次の受験までに少なくとも12日間空ける必要。等
TOEFL受験までの勉強
TOEFLは英語圏大学レベルの英語を使用するため、高い単語知識が必要になります。それだけでなく、時間内に自身の意見を英語で述べる等、普段から英語を活用していないと得点稼ぎのハードルが高いです。
そのためにも、通常の英単語や文法の勉強以外にも準備する必要があります。
英単語、文法
これは言うまでもないですが、基礎は固めてこそ言語を初めて使用できるため、自信がない方は通常の英単語や文法の勉強を欠かさないことが重要です。TOEFLで頻出する英単語について参考書やネットでもありますので、そちらをご活用ください。
速読
英単語がある程度、身に付いたら内容を流して読めるようにしましょう。TOEFLでは、文章を読んでから答えるお題が各スキルで登場するため、時間制限内にある程度答えらえるよう要所をつかみ質問に答えられることが高得点への要になります。
ただ、最初からそれは難しいため、普段から英文書を読むことをオススメします。読み重ねていくうちに接続詞等からどのような内容に展開するのか予想できるようになるでしょう。
とにかく問題集を解く
どの試験においてもそうかもしれないですが、高得点をとることが目的であればテストの傾向を知っておくために問題集をたくさん解くことが重要です。TOEFLでもパターン化された質問が複数あるため、解き続けていくうちに質問に対する解答への感度が高くなるはずです。
また、特にスピーキングでは、制限時間内に話をまとめ内容を切りよく話せるよう時間を測りながら慣れるようにしましょう。
英語が堪能な人と英語で話す
今となっては、英語をしゃべるために英会話を行かなくてもグローバルな交流が持てる機会が日本国内で多く存在します。いつかは、海外で学ぶ・働く方は尚更、そのような場面に身をおいて英語への感受性を高めることが実践的な英語力を身に着ける一番の近道かもしれません。
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最後に
今まで話した内容で「TOEFLって難しそう」や「自分にはハードルが高すぎるのかもしれない」と思った方もいるでしょう。ちなみに、日本人の平均点は71点といわれています。
しかし、海外で活躍したい場合は、最低限このテストで80点台以上を目指すことが望ましいです。時間はかかりますがやっていくうちに、英語力と一緒に自信が身に付いてくるはずです。
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