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留学マナビジン独学英語勉強法英語勉強のメソッド40歳を過ぎて英語をはじめるなら、TOEICの勉強は捨てなさい~私が捨てた7つの常識~

40歳を過ぎて英語をはじめるなら、TOEICの勉強は捨てなさい~私が捨てた7つの常識~

皆さんこんにちは、QQ English代表の藤岡頼光(ふじおからいこう)です。

今回、私が実際におこなった英語の学習法をディスカヴァー21さんから出版させて頂きました。40歳からの学習法について書いたのですが、英語をこれから学習する初心者に最適な学習法でもあります。

キーワードは「捨てる」です。

忙しい方や、英語を早く実践で使いたい方に、ぜひ試して頂きたい方法です。

「捨てる」英語学習法とは

QQ Englishの様子

高卒、英語力ほぼゼロのバイク便社長が、40歳で一念発起して英語の勉強をはじめ、たった10か月でビジネス英語をマスターした学習法です。

これまでの常識をすべて捨て去り、必要最低限以外は全部捨ててビジネスを行う最速・一点集中型の勉強法なのです。ネイティブのように話をすることは難しいですが、40代からでも十分にビジネス英語を身につけられます。

仕事が忙しくまとまった勉強時間を確保しにくい初学者にこそぴったりの学習法です。

みなさんは「心のどこかで」40代からでは遅いんじゃないか。いまから「本当に英語をモノにできるんだろうか?」と思っていませんか?

しかし私は声を大にして言いたい。

「40歳を過ぎてから英語の勉強に取り組んでも、英語が身につかないことは決してない」

40代からでも英語は話せるようになる

ビジネスで使う英語の場合、インプットすべきものが限られています。

日々行われている仕事のやり取りは、意外とパターン化されているのです。 話題となるテーマにしろ、そこで使われるセンテンスや単語にしろ、特定のものを繰り返し使っているだけだったりします。

お礼状や挨拶状、依頼状など、さまざまな定型文(テンプレート)が存在することも、その証拠だったりします。

社内でのコミュニケーションにしても、電話応対や上司への報告、会議での発言などでも、意外といつも決まりきったフレーズを使っていたりするものではないでしょうか?

最近はネットで検索すれば、便利な文例集がたくさん拾えるいい時代になりました。

具体的におこなったこと

読む・書く・聞く・話すの4技能でいえば、「話す・聞く」をモノにすることだけに集中することにし、「読む・書く」は自分には不要と切り捨てました。

また、細かい「文法」事項も、とりあえず不要として捨てました。こんな具合に、4技能すべてを網羅しなくても、ビジネスで十分に使える英語力を身につけることはできたのです。

こうした経験を通してみなさんにお伝えしたいのは、とりわけ40代から英語を学ぶ場合には、「捨てる」勇気を持つことなのです。

あれもこれも、手に入れようとしない

こうした割り切りこそが、40代からやり直し英語で成功する最大の秘訣だと私は考えています。40歳になると記憶力の衰えだけでなく、仕事や家庭で英語の学習時間を確保することも難しくなっていると思います。

そうなると「やれることは何でも」というわけにもいきません。そこで、やることを絞ることが重要なのです。私が行った学習法は、本当に必要なことだけをして、不必要なものを切り捨てる学習法なのです。

私が捨てた7つの常識

私が捨てた7つの常識
ここから7つのポイントに分けて、英語の学習方法をお話しさせて頂きます。

1.「ネイティブ至上主義」は捨てる。
2.「正確に話さなきゃ!」は捨てる。
3.「細かいニュアンスまで伝えなきゃ!」は捨てる。
4.「日本語で考えてから英語に訳す」は捨てる。
5.「聞き取りは100%を目指す」は捨てる。
6.「TOEICのための勉強」は捨てる。
7.「いまの自分に必要な英語以外」は捨てる。

1.「ネイティブ至上主義」は捨てる

40歳からの英語学習では「割り切り」が大切です。その中でも、特にバッサリと意識の中で切ってもらいたいのが、「ネイティブ至上主義」です。

1.アメリカ・イギリスの映画やドラマを字幕なしでも理解できるようになりたい。
2.ネイティブとの日常会話がスムーズにできるようになりたい。
3.ネイティブの国でも困らない英語力を身につけたい。

はっきり言わせてください

40代からどんなに頑張って勉強したところで、ネイティブ並みの英語を身につけることはできません。

そんなものは、子供のころからネイティブと同じ環境で暮らしているか、若いうちに英語圏の国に長期留学した経験がないと、さすがに無理なのです。
いさぎよく、捨てるが勝ちです!

どうすればいいのか?

私から強く言いたいのが「非ネイティブと分かり合えればいい」と割り切ってほしいと言うことです。この割り切りができれば英語を使っていくハードルがグンと下がります。

例えばニュースなどで国連などの国際機関や、EU関係の人たちが英語で話している映像を見ることがあると思います。一度、彼らの英語を耳を澄ましてみてください。

そうしたら気が付くと思います。非ネイティブ圏で育った人たちの英語はとても聞き取りやすいのです。

またアジアなど非ネイティブ圏の国に行ったことがある人はわかると思います。ホテルや空港のスタッフが使う英語はとても聞き取りやすいですよね。それらも非ネイティブの英語なのです。

グローバルの英語とは

現代はグローバル化の時代です。ビジネスの現場では英語が使われています。しかし、使い手のほとんどは英語を母国語としない非ネイティブの人たちだったりするのです。

そもそも、世界で英語を使う人は17.5億人と言われています。世界の人口が70億人ですから、地球上の4分の1の人たちが英語を使っていることになります。

そのうち英語を母国語としている人たちは、たった3.9億人で、残りの13.6億人が非ネイティブというわけなのです。比率にすれば実に8割です!

私の場合

私自身も、仕事の拠点がフィリピンのセブ島と言うこともありますが、仕事でやり取りする方の7割~8割は非ネイティブです。ネイティブとの会話が苦手でも、その機会がほとんどないので、自分がビジネスを進めていくうえではたいして困っていません。

「ネイティブとの英語が聞き取れなくても、まあいいや」と開き直るくらいのほうが、英語と楽しく接することができるし、実際、その方が伸びるのも早いです。

ネイティブとの接し方

もちろん私もネイティブと仕事で話すことがあります。ではネイティブとの接し方をどうするかです。

答えは簡単です。

堂々と、「ゆっくり話してください」と言えばいいのです。

私もいつもPlease speak slowlyやPardon me?はためらいません。相手になんどでも聞き直してください。

そもそもお互いにビジネスをするためにその場にいます。そして私たちは非ネイティブです。その非ネイティブにわかるように言わなければ、先方もビジネスを成功に導くことができません。

そのことがわかっているネイティブは、非ネイティブが理解できる英語で話すように心がけてくれます。

わかってくれない人

確かに、今までにそうでない人もいました。ネイティブ並みの英語力を求めてくる方です。私はすぐにコミュニケーションを続けるのをあきらめることにしています。

それでいいと思っているのです。

なぜなら、こちらのことを気づかえない人とビジネスを続けても、その先うまくいくはずがないからです。英語を話す人口は17.5億人です。次を探す方が時間と能力の節約ができます。

40代の英語に必要な事

学生のように、勉強だけをする時間があるわけではありません。しかし40代になると学生と違って英語以外の経験を持っているのです。英語力の劣る部分は、話さなくてはならない内容の濃さで補うことができます。

ネイティブのように話すことに時間を割くぐらいであれば、必要最小限の英語に絞り、早く実際のビジネスで英語を使うことが重要なのです。

ビジネスには、時にこうした割り切りも大切ではないでしょうか。

「ネイティブ至上主義」は捨ててください。

2.「正確に話さなきゃ!」は捨てる

「正確に話さなきゃ!」は捨てる
日本人の英語学習者はよく、「英語は正しく話さなければならない」と思い込んでいることがあります。しかし、それは大きな間違いなのです。

英語は正確さを欠いても通じる

下の枠の中を読んでみてください。これは、QQEnglishの入学式のオリエンテーションの際に生徒さんに紹介している文章です。原本はケンブリッジ大学のものですが、それを日本語に翻訳してあります。

さっそくですが、さっと一読してみてください。

【ケンブリッジ大学の「文章」】
「この ぶんょしう は いりぎす の ケブンリッジ だがいく の けっか にんんげ は もじ を にしんき する とき その さしいょ と さいご の もさじえ あいてっれば じばんゅん は めくちちゃゃ でも ちんゃと よめる というけゅきんう に もづいとて わざと もじの じんばゅん を いかれえて あまりす。 どでうす? ちんゃと よゃちめう でしょ?」

意味はわかりますよね。
では、もう一度、よーーーく文章を見てください。実は、言葉がめちゃくちゃだということに気づきませんか?

本来だったら、「ぶんしょう」「ちゃんと」とすべきところが、「ぶんょしう」「ちんゃと」となっています。それでも、意外と読めてしまうものなのです。

このように、たとえ文章が正確でなくても、はそこで意図されていることを想像で理解することができます。

言葉は全体で理解する

書き言葉より、話し言葉のほうが、もっと正確でなくても通じることができます。言葉は一瞬一瞬でながれているので、そもそも正確な文法で話すことが難しいです。

話している最中に初めに思っていたことからどんどん変わってしまいますし、そもそも初めから全体の構成を考えて話すことは少ないと思います。

しかし、言葉も正確でなくても理解することができます。なぜなら、聞く側は1つひとつの言葉を逐一聞いているわけではく、全体で理解しているからなのです。

日本人の英語

QQEnglishで日本人の生徒さんをみていると、どこの国の生徒さんよりも間違えを気にしています。ロシア人、イラン人は間違えをまったく気にしません。どんどん話していきます。

日本人だけでなく、中国人でも韓国人でも英語が上手になっていく生徒さんは、間違えを気にしないでたくさん話した生徒さんなのです。

授業中、自分の間違えを恐れて発言をしない日本人が、授業が終わってからロシア人やイラン人は文法をよく間違うとか、韓国人は訛っているとか言っているのを聞くと恥ずかしくなります。

世界では、間違えを恐れて話さないでいるより、間違っても自分の意思を伝えられる方が評価されるのです。

あえてハッキリ言います。

文章も会話も「正確さ」に神経質になることはありません。

そこにこだわりすぎて、実際に英語を使うことを避けてしまうよりも、「間違えてもいいから」と、どんどん使っていくのです。

言うまでもありませんが、そのほうが、はるかに速く英語を使いこなせるようになっていきます。「沈黙は金」ではありません。黙っていたら無視され、相手にされないだけなのです。

当たり前ですが、英語を話すと言うことは外国人と話すと言うことです。日本は世界第三位の経済大国であり、アジアで唯一の先進国だということを忘れてはいけません。私たち日本人は日本で経験したものを胸を張って発信していけばいいのです。

世界の人々は日本人の英語の上手さなんて気にしていません。日本人が経験してきたことを聞きたがっているのです。

40代からの英語

もう、いいじゃありませんか。英語が多少間違っていても、私たちは今まで生きてきた経験があります。自由に話をすればいいのです。40歳は不惑の年です。40歳を過ぎたら迷わずどんどん英語を話すのです。そして50歳になったら正確に話さなくても伝わると知るのです。

60歳になれば間違った英語でも耳に入り、70歳になったらどんなに下手な英語を話しても、周りはわかってくれます。

40歳を過ぎて日本語を間違うと恥ずかしいです。しかし英語は関係ないと割り切りも大切ではないでしょうか。

「正確に話さなきゃ!」は捨ててください。

3.「細かいニュアンスまで伝えなきゃ!」は捨てる

「細かいニュアンスまで伝えなきゃ!」は捨てる
「細かいニュアンスまで伝えなきゃ!」は捨ててください。

私は「非ネイティブなのだから」と開き直って、覚えたセンテンスだけを、ひたすら使いつづけるという英語学習法を貫き通しています。

細かいニュアンスは無視する

私は、限られたセンテンスしかインプットされていないので、微妙なニュアンスまでは十分に伝えられません。

たとえば、同じ「好き」というのにも、「ちょっと好き」なのか、「すごく好き」なのか、「ほどほどに好き」なのか、とさまざまなレベルがあります。

私はどれも完全に無視します。

母国語の日本語であれば、細かいニュアンスの違いまで伝えきることができますが、英語でそれを伝えるのは私には無理なのです。

というわけで、英語で細かいニュアンスまで伝えるのは、私は最初からあきらめています。「好き」か「嫌い」か。あるいは、「嫌いでない」か「好きでない」かだけです。私はこの程度の意思表示ができれば、「よし」としています。

7~8割伝わればいい

当然、相手には、私の心の中の微妙な機微は伝わりません。実際、英語を使っているときは、正直言って「自分の気持ちを正確には言えていないな、、、」と感じることもあります。ただ、自分の気持ちに「多少近い」ことは言えているのです。

言葉は「好き」か「嫌いか」だけですが、のこりは身ぶり手ぶりや顔の表情、声の強弱や感情の入れ具合などを駆使して、自分の意図していることを伝えているからです。

私は気持ちの7、8割が伝わればそれでいいと思っています。

メラビアンの法則

コミュニケーションにおいて、相手に対する印象は何により強く影響されるのかを示した有名な法則です。

その法則によると、話し手に対する聞き手の印象を決めるのは、「言語情報(言葉の意味)が7%」、「聴覚情報(声の大きさや質、話し方など)」が38%、「視覚情報(見た目、表情、動作など)」が55%なのだそうです。

要するに、言葉で伝えられるのはたった7%で、残りの93%は、言葉以外のもので意思を伝えているのです。こちらの印象を決めるうえで「言葉」そのものの重要性は、1割にも満たないと言うことです。

重要な3つのポイント

①伝えたいことの「コア」な部分だけを、しっかりと言葉にする
②余計なものは切り捨て、言葉をとことん「シンプル」にする
③伝えたいことを、スパッと「言い切る」

見栄は捨てる

かっこいい表現や知的な言い回し、シャレた一言を使うことなどは、最初から目指してはいけません。私は「ネイティブならこう言う」と言った本は全く読んだことがありません。40代からの英会話は見栄を捨てることが重要なのです。

こうした姿は、外国語に限らず、日本語でも重要なことだと思っています。

私は実際、社長業を何年もしていて痛感しますが、こちらが一生懸命、言葉にこだわって社員に向かって話をしても、たいてい細かいところまで聞いてくれていません。

私としては、ちゃんと言葉を尽くして話したつもりなのに、社員はまったく違うことをしている、、、なんてことは多々あります。

言葉だけに頼らない

私が10年近く海外で仕事をしていて思うのは、そこで一人のビジネスパーソンとして高く評価してもらうのに、英語の上手・下手はさほど影響しない、ということです。

それよりも、論理的なものの考え方だったり、物事を的確に捉える力だったり、新しい発想や面白い切り口を持っているほうが、よほどビジネスパーソンとして一目置かれます。

気の利いた言い回しなどを一切使わないシンプルな英語でも、十分に相手に向けて発することができるのです。

自分の考えやアイデアなどを、いかにシンプルな英語を使って伝えていくかが重要なのではないでしょうか?

「細かいニュアンスまで伝えなきゃ!」は捨ててください。

4.「日本語で考えてから英語に訳す」は捨てる

「日本語で考えてから英語に訳す」は捨てる
「日本語で考えてから英語に訳す」は捨ててください。

手前味噌ですが、私の英語は上手に聞こえるようです。まず、シンプルながらスラスラと言葉が出ます。しどろもどろになることなく、スパッと言葉を発しているのです。

知っているセンテンスだけを繰り返す

スラスラとよどみなく言葉が出てくるといっても、頭の中の数少ないセンテンスをひたすら何度も使っているだけです。しかも「こういうシチュエーションでは、こう言う」というパターンを決め、それを条件反射で言葉にしているだけなのです。

つまり、頭の中で日本語で「こういうことを言いたいんだけど、それって英語でどう言うんだっけ?」といったことは考えずに、頭に浮かんだ英語をそのまま口にするようにしているのです。私は日本語から英語に訳す作業はいっさいしていません。

日本語から英訳することの弊害

よく「まず、日本語で文章を考えてから英語に訳しなさい」と言われることがあります。英語が苦手な方々からは「なかなかそれができない」という悩みもしばしば聞きます。 

しかし、私に言わせれば、頭の中で英作文をしてから言葉を発しようとするから、英語を苦手と感じてしまうのです。

なぜなら、それをやってしまうと、脳が非常に疲れてしまうからです。日本語で考えてから英語にしているのですから、日本語で話すときの倍の労力を使っていることになります。

日本語での日常会話では、頭の中で文章を考えて言葉を発するなんてことは、ほとんどしていないはずです。そのとき、頭に浮かんできた言葉をそのまま発しているのではないでしょうか? 

それが、英語の場合は一度日本語でワンセンテンスをつくってから、それを英訳して発するわけです。ひと手間多いわけですからその作業にだんだん疲れて、英語を使うのがしんどくなってしまうのです。

会話のテンポが重要

「日本→英語」という作業を挟むことによって、言葉を発するまでに時間を要してしまうため、そこで会話のテンポが悪くなってしまいます。

会話を弾ませるには、やはりそれなりのテンポが大事です。これは、ビジネスでもプライベートでも同じだと思います。テンポの悪い会話は、相手を疲れさせてしまいかねません。 

また、会話では、お互いに相手の言葉を理解しようとします。そのとき、言葉に詰まってばかりいたり、言葉がたどたどしかったりすると、聞く側は、こちらの話を理解するために、あれやこれやと頭を働かせなければいけなくなります。これは、かなりのストレスになるのです。

実際、ネイティブの人が英語がたどたどしい話者に対して、自分のイライラを露骨に示すことがあるのも、そういうことが理由なのでしょう。

反射神経で英語が出てくるようにする

どうすれば「日本語→英語」という作業を介さず、英語を発せられるようになるのでしょうか。「体のリズムで話す」ということを徹底的にやっていくのです。 

つまり「頭」を使わない。「英語でどういうんだっけ?」なんて考えずに、そのときに頭に浮かんだ英語を反射的に発していくのです。

「そんなことを言われても、英語では何も浮かんでこないし、、、」と言われそうですが、だからこそ、最低限必要なセンテンスだけはしっかり覚えなくてはならないのです。

「英語脳」という言い方がしばしばされますが、これは結局「いま頭にインプットされている英語のセンテンスだけを使って話す」ということです。

頭に浮かんだ英語を発する

ネイティブのように何万もの単語やセンテンスがインプットされているのと、私のように少ない例文しかインプットされていないのとでは、処理能力にはとんでもない開きがあります。 

しかし、たとえインプットの量は貧弱でも、頭を使わずに、思い浮かぶままに体のリズムで英語を発すれば、それは立派な「英語脳」なのです。

この方法は、学校時代から「日本語→英語」という作業を経て英語を話すのが習慣になっている多くの日本人にとって、最初はかなり抵抗感があるかもしれません。

でも、ここでその壁をぜひ打ち破ってほしいと思います。「頭に浮かんだ英語を発する」をくり返していくことで、だんだんとスムーズにできるようになるのです。

「日本語で考えてから英語に訳す」は捨ててください。

5.「聞き取りは100%を目指す」は捨てる

「聞き取りは100%を目指す」は捨てる
「聞き取りは100%を目指す」は捨ててください。

英語の聞き取り(リスニング)が苦手という人は少なくありません。

しかし、私の感覚からすると、お互いが話していることの7割が理解できていれば、だいたいの会話は成立します。

100%理解しなくてもいい

相手の言っていることを100%理解しなくてもかまいません。日本語でもそうですよね。会話をしていても、相手の言葉のすべてを聞き取っているわけではありません。つい、ぼーっとして単語を聞き漏らすこともあります。 

そんなときは、前後の文脈から聞きもらした部分を推測し、全体としての流れを理解しているのだと思います。 英語でもそんな具合に、言葉を1つひとつ聞き取る必要はなく、会話の文脈から話の内容を推測して理解していけばいいのです。

7割聞き取れれば十分

私の経験から言うと、会話は7割ぐらいわかれば理解できます。しかし、聞き取れる内容が 6 割以下になってくると、理解できなくなってしまうのです。

正直に言うと、イギリス人やアメリカ人などのネイティブとの会話では、いまだに集中していないと6割以下になってしまいます。そうなると、もはやチンプンカンプンです。

一方で、非ネイティブの人たちとの会話では、たいてい7割以上を維持できます。海外でビジネスをするようになってから、非ネイティブの人たちとやり取りしている限りにおいては、聞き取りにはまったく問題を感じていません。

非ネイティブとの会話がわかる理由

非ネイティブとの会話は、使いこなせる言い回しが少ないのでどうしても同じ言い回しを多く使うことになります。そうなるとお互い何度も同じセンテンスを聞くことになるので理解しやすいのです。

非ネイティブとの会話が聞き取りやすいのは、単純に同じ言い回しをたくさん聞いて、知っている言い回しが増えてくるからなのです。

「英語が聞き取れる」というのは、聞こえてくる音の中から、自分の「知っている言い回し」を見分けられることだと私は考えています。

聞く力をアップする方法

「話す力」を伸ばすために行っているインプットは、「聞く力」のアップにもつながっています。

実際、私自身10か月のトレーニング期間中、英語の聞く力を鍛えるために、特に何かをしたという記憶はありません。ただひたすら決まった例文の丸暗記をしている間に、自然と聞き取れるようになったのです。

さらに「バイク」という得意分野があり、それについては日本語、英語を含めて会話をする機会が多いので、自然と英語での言い回しもインプットされていきました。

得意分野を中心に知っている言い回しを増やしていけば、思っているほど苦しくなく、聞き取れるセンテンスを増やしていくことができます。 

40代からの聞き取り

聞く力を鍛えるには、ただやみくもに「知っている言い回し」を増やすのではなく、自分の得意分野や専門分野から取り組んでいくのがいいと思います。

私の知り合いには、居酒屋に行ったら100%聞き取れるという人がいます。それだけ居酒屋に通っているということで、聞く力も結局は「慣れるのが一番」というわけなのです。

初めからすべての分野の話を理解するのはとても難しいです。それは日本語でも同じです。たとえば、日本語であっても、まったく自分の知らない分野の話を聞く場合、知らない言い回しをたくさん使われてしまうと聞き取れないと思います。

40代からリスニング力を上げるのにすべてを理解しようとしてはいけません。得意分野から少しずつ理解できる言い回しを増やしていくのです。

「聞き取りは100%を目指す」は捨ててください。

6.「TOEICのための勉強」は捨てる

「TOEICのための勉強」は捨てる
「TOEICのための勉強」は捨ててください。

ビジネスで使う英語を「割り切る」という意味では、 TOEICのスコアを上げるためだけの勉強にエネルギーを注ぐことは無駄です。

TOEICのスコアが高くても話せない

TOEICの勉強は、問題を解くための「テクニック」を学ぶものになっています。

TOEIC受験勉強をしたことがある方はご存じだと思いますが、その問題のほぼ大半が「引っかけ問題」です。実に、重箱の隅をつつくような細かい知識を受験者に問うてくるのです。

そのため、TOEICの試験勉強でメインに行うのは、この「引っかけ問題」への対策になります。それらを解くためのテクニックを学んでいくのです。だから私は、TOEICの問題を見るたびに「これで高いスコアが取れても、実践での会話はうまくならないだろうな」と感じてしまいます。

TOEIC高得点の生徒さんが語学留学に来る

実際、QQEnglishの生徒さんを見ても、TOEICのスコアが800~900点のレベルなのにもかかわらず、入学初日に受けていただくレベルテストで「スピーキング」が 10段階評価で3とか4といったレベルの人が少なくありません。

これは、弊社の基準では、HIGH BEGINNERS 「少し込み入った質問に対して英語で答えることができる」か「多少のミスはあるものの、英語で会話することができる」 というレベルなのです。

つまり、英語での会話がスラスラとできるレベルにはまだなっていない、ということです。

だからこそ彼らは、自分のスピーキング力を鍛えようと、フィリピンにまで来て、マンツーマンレッスンを受けるのです。TOEICの受験勉強で実践的な英語力がつくのであれば、満点近いスコアを取れている彼らが、わざわざフィリピン留学に来る必要がないですからね。

フィリピン人のTOEIC

英語でのコミュニケーションにまったく苦労しないはずのフィリピン人にTOEICを受験してもらうと、意外な結果になることがあります。

弊社のフィリピン人の先生にTOEICを受験してもらったときのことです。教えるのがうまくて、英語に精通しているカリスマ先生のスコアが非常に悪かったのです。

リスニング分野は満点でした。ところが、文法の引っかけ問題にことごとく引っかかっていたのです。

たとえば「 may 」「 might 」や「 who 」「 whom 」の違いを理解しているかを問うような問題です。

解答しているとき「ヘンな英語だな~」とは感じるものの、まさかそんな重箱の隅をつつくようなことを問われるとは思わなかったそうです。引っかけ問題にめっぽう弱いとは、お人好しのフィリピン人らしいと、苦笑いしました。

もちろん、英語の理屈そのものはわかっているので、私が「引っかけ問題なんだよ」と教えてあげたあとは、すぐに満点を取っていましたが、、、。

受験に受かるだけの英語じゃ意味がない!

これらの例からもわかるように、TOEICの勉強に一生懸命に取り組み、高いスコアを叩き出せるようになっても、磨かれるのは問題を解くためのテクニックだけです。英語力そのものではありません。

TOEICのスコアアップのための勉強をいくらしても、実践では英語を使えるようにはならないのです。

だからこそ私は、英語での「話す・聞く」のコミュニケーション力をつけていきたいという人には、TOEICはおすすめしません。TOEICのスコアにこだわる意識は、捨てたほうがいいとさえ思います。

無駄なことはしない

40代から英語を本格的にやり直すのにテストのための学習は必要ありません。この先の人生を考えると、そんなことで貴重な時間を費やしてしまうのはもったいないというものです。 

もちろん、会社の昇給・昇進のために TOEICのスコアが必要な場合もあるでしょう。その場合はしかたがありません。「昇給・昇進のためだ」と割り切って、受験勉強をしてください。

TOEICのスコアを気にしなければ無駄な学習が減ります。ビジネスで英語を使いたい方にはこれぐらいの割り切りは必要ではないでしょうか。

思い切って「TOEICのための勉強」は捨ててください。

7. 「いまの自分に必要な英語以外」は捨てる

「いまの自分に必要な英語以外」は捨てる
「いまの自分に必要な英語以外」は捨ててください。

ここまでお話ししたとおり、私の場合、英語の「読む・書く」のスキルを身につけることは、ほぼ捨てています。

目的をはっきりさせる

そもそも私が40歳のときに英語を勉強しようと思ったのは、イタリアのバイクメーカーであるマラグーティ社のレアルコ会長と英語でバイク談義がどうしてもしたかったからです。それには、英語での「話す」や「聞く」の力が必要でした。

特に手に入れたかったのが、英語が「話せる」ようになることです。私は徹底的に「話すこと」を勉強しようと決めました。英語を学習する目的をはっきりさせることが重要です。

できないものは任せる

私は「英語を使ってビジネスをしています」といっても、大半が「話す」と「聞く」で、「読む」「書く」はほとんど行っていません。というより、いまの私の仕事では、英語での「読む」「書く」はそれほど必要ないのです。

苦手なことは、それが得意な人に頼ればいいと割り切っています。たとえば、英文でのビジネスメールのやり取りは、若いスタッフがやってくれます。契約書を含めた書類の作成も法務スタッフの担当です。

そこそこできれば何とかなる

もちろん、英語を読む必要が全くないわけではありません。しかし、「話す・聞く」がある程度上達すると、自然と「読む・書く」のレベルも多少は上がっていきます。なので、メールや自分の専門分野の書類であれば、そこそこ読むことができるのです。

万が一、読んでもわからない場合は、スタッフに内容の確認をすれば事足ります。なので、「読む・書く」が大してできなくても、十分に仕事は回していけるのです。

さらに、「話す・聞く」についても、今までお話しした通り、私は細かいニュアンスまで伝えることをあきらめています。

専門家を活用する

ビジネスにおいては、微妙なニュアンスを見抜けなかったり、見誤ったりしてしまうと、重大なミスにつながってしまうこともあります。そうなれば、会社にとって大きな損失となりかねません。 

たとえば、「契約」の場面がまさにそうです。細心の注意が求められます。そのときは私は通訳をつけます。そうすることで、お互いが正しく理解し合うことができ、安心してその相手との仕事を進めていくことができるからです。

ただし、このように最後の詰めで正確さが強く求められる場面は、私の仕事では全体の10分の1、いえ、100分の1もありません。ですから、日常的な仕事のやり取りにおいて通訳は使いません。

ビジネスで必要な英語

ビジネスにおいて一番必要なことは、私という人間を知って信用してもらい、「この人が経営する会社と仕事をしたい」と思ってもらうことです。そのためには通訳を介さず、直接、会話をしたほうがいいと考えています。

40代からの英語は学生の頃と「必要な英語」が違います。学校教育の現場では、英語の「読む・書く・話す・聞く」の4技能をまんべんなく身につけていくためのカリキュラムが組まれています。しかしビジネスで使う英語にバランスは必要ないのです。 

まとめ

40代になってから英語を勉強し直す場合、4技能をまんべんなくというのは、時間的に厳しいのが正直なところです。

趣味で英語を勉強したいという人であれば、それも「あり」ですが、仕事で必要という場合、英語以外にもやらなくてはいけないことが山積みで、英語の勉強にかけられる時間は限られます。

となると、「いまの自分にとって必要な英語だけを身につけていく」というスタンスでないと、「英語を身につけなければならないのに、勉強する時間がない!」と、ストレスがたまる一方になってしまうのです。
 
もう一度言います。

英語以外の「やりたいこと」や「やらなければいけないこと」のためにも、目的をはっきりさせましょう。

「いまの自分に必要な英語以外」は捨ててください。

最後に

今回、ディスカヴァー21さんから「40歳を過ぎて英語をはじめるなら、TOEICの勉強は捨てなさい」を出版させて頂きました。

出版社から話が来た時にはアホか?って思いました。

ははは、、、すみませんディスカヴァー21さん。

私が東大を出て、MBAを取って、外資系の企業で大活躍しているのであればわかります。しかし高卒で、英語が苦手で、バイク便とバイク屋を経営した経験しかないのです。

バイク便とバイク屋が行った英語学習法など、知りたい読者がいるとは思えなかったのです。

しかし、初めから英語が得意だった方と、違ったアドバイスができると思って書くことにしました。正直に言って、私は日本の文部科学省の失敗作です。

私が行った学習法ではテストで100点を取ることも、東大に張ることも、MBAを取ることもできません。しかし、実際に海外で仕事ができるビジネス英語を話せるようになります。

「いまさら英語なんて無理」と思っている方に読んでいただきたく筆をとりました。

よければ読んでみてください。

私が実際におこなった40歳からの学習法だけでなく、なぜフィリピンで英語を学び、なぜセブ島に英会話学校を作ったのかも書いています。

Amazon

40歳を過ぎて英語をはじめるなら、TOEICの勉強は捨てなさい。

▶︎https://www.amazon.co.jp/dp/4799319973

QQEnglish 代表 
藤岡頼光
 

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藤岡頼光 QQEnglish代表
藤岡頼光 QQEnglish代表
QQEnglish 代表

フィリピン・セブ島に拠点を置く英会話学校「QQイングリッシュ」を経営。

約1300人の教師が、年間5000人の語学留学生と1万人を超える世界中の生徒にオンライン(スカイプ)で授業を提供している。1992年バイク便のキュウ急便設立後、2000年バイクショップのコネクティング・ロッド設立。

2005年フィリピン・セブ島に留学後、2009年オンライン英会話事業のQQイングリッシュを開始。2010年には留学事業も開始。

「QQイングリッシュ」は現在、東京、セブ、上海、ソウル、サンパウロ、テへランでも展開。フィリピンでNo.1(留学者実績、教師数)の語学学校に成長し、NHK「おはよう日本」、朝日新聞 「フロントランナー」でも取り上げられた。

2 コメント

  1. 7日水曜日はQQEnglishのオフィスにいます。フェイスブックで良いので予定がわかったら教えてください。時間が合えば私が学校をご案内します。本を買って頂きありがとうございました。

  2. フェイスブックページはフォローさせていただいてるのですが、本日のフライトキャンセル記事を見て来週水曜の便を予約してるのでマジ!って思いましたけどそのままkindleで購入しました。前回は何の準備もなく行ってしまったので今回は予約して見学に行こうと思ってます。

コメントは締め切りました。

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