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CEFR(セファール)とは?文部科学省が作成した英検、TOEICとの相対表つき

CEFR(セファール)とは何か?

最近、英語関連の書籍やテレビ番組などで「CEFR(セファール)」という言葉をたびたび目にするようになってきました。

TOEICや英検、TOEFLは聞いたことがあるけど、CEFRって何?新しい試験?

また、今後どういったシーンでCEFRが使われていくのかなど、気になることがたくさんありますよね。

特にお子さんの将来を考えて英語学習を考えている方にとっては、大学入試や就職における影響はあるのでしょうか。

そして、社会人で英語学習中の方にとっても、CEFRをどう意識すれば良いのかなども気になるところだと思います。

そこで今回は、CEFRについて気になる点をまとめてみました。この記事では以下のことがわかります。

・そもそもCEFRとは何なのか
・なぜCEFRをよく目にするようになってきたのか(注目されているのか)
・CEFRの試験はあるのか?どうやって受けるのか?
・大学入試などのシーンでCEFRは使われるのか?

CEFRが気になっているけどよくわからないという方、ぜひ一緒にCEFRについての知識を身に付けていきましょう。

CEFRとは「外国語運用能力を測るための新しい標準」

CEFRとは「Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assessment」の頭文字を取ったもので、日本語訳すると「ヨーロッパ言語共通参照枠」。

「ん?ヨーロッパ?なぜ?」って思った方もいるかも知れませんが、これはこの参照枠の生まれがヨーロッパというだけの話であって、中身そのものにヨーロッパ感があるわけではありませんのでご安心ください。

それではそんなCEFRの内容をご紹介します。

熟練した言語使用者

C2
聞いたり読んだりした、ほぼ全てのものを容易に理解することができる。

C1
いろいろな種類の高度な内容のかなり長い文章を理解して、含意を把握できる。

自立した言語使用者

B2
自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的な話題でも具体的な話題でも、複雑な文章の主要な内容を理解できる。

B1
仕事、学校、娯楽などで普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば、主要な点を理解できる。

基礎段階の言語使用者

A2
ごく基本的な個人情報や家族情報、買い物、地元の地理、仕事など、直接的関係がある領域に関しては、文やよく使われる表現が理解できる。

A1
具体的な欲求を満足させるための、よく使われる日常的表現と基本的な言い回しは理解し、用いることができる。

【引用元】文部科学省:https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/03/__icsFiles/afieldfile/2019/01/15/1402610_1.pdf

外国語の習熟レベルを大きく3つに分け、それぞれをさらに二段階に分けた合計6つのレベルで評価します。

シンプルで、書いている内容もわかりやすいですね。

CEFRでは外国語の実用レベルを見ている

では、上記のCEFRではどのような考えで作られたのでしょうか。

ポイントは下記4点です。

① すべての言語に共通して使用できる判断枠
② 同じ判断枠で、同一人物の異なる言語能力を比較できる
③ 知識の量ではなく、「何ができるのか」「どの程度うまくできるのか」で習得状況を判断する
④ 指導者だけでなく、学習者自身で判断できる

つまりCEFRとは、知識がどれだけあるか、単語をどれだけ知っているかを測るものではなく、「外国語の運用能力がどれくらいあるか」を判断するための指標なのです。

また「すべての言語に共通」とあるように、英語以外の言語にも通用します。

本記事は英語の話を中心としていますが、CEFRそのものは英語に限らず、フランス語、イタリア語、もちろん日本語も含め、多種多様な言語の運用能力を統一した視点で評価できるのです。

なぜCEFRが注目されているのか?

では、なぜCEFRが注目されるようになったのでしょうか?

外国語の能力を測る方法であれば、たとえば英語ならばTOEICやTOEFL、英検などたくさんありますよね。それの何が問題で、CEFRで何が解決されるのでしょうか?

英検、TOEIC、TOEFL・・・それぞれ別の試験に換算したら?

実は上述した「たくさんある」、これこそが問題なのです。

TOEICにせよ英検にせよ、それぞれ別々の団体が試験を管理運営し、採点もそれぞれの団体がそれぞれの評価軸で行っています。

例えば日本で有名な「実用英語技能検定(通称:英検)」は、公益財団法人日本英語検定協会が運営しています。

日本の法人ですから、日本でどれだけの知名度があっても、外国の人が広く知っているわけではありません。

ですから、海外の会社に就職するといったシーンで「私は英検2級です!」とアピールしても、相手企業からしたら「それがどれくらい凄いの?」となってしまい、レベルが伝わらないわけですね。

誰もがわかる評価基準、それがCEFR

英語を身につけてより将来の選択肢を広げたり、より海外で活躍したりしたいという思いを持っているのに、試験の結果が正当に評価されないのでは意味がないですよね。

そのため、グローバルで誰もが理解できるような、わかりやすい基準が求められていました。

それで生まれたのが、CEFRというわけです。

CEFRは「その言語で何がどの程度できるか」という実用的な視点でレベル分けし、客観的で誰の目にもわかりやすいものとなっています。

CEFRの発祥となったヨーロッパは、大陸続きで民族の種類も言語の種類も多い地域です。母国語以外の言語をどれくらい扱えるかという指標は、生活において重要で、こういった統一的な指標を強く求めていたのだと考えられます。

「CEFRの試験」はありません!

さてここまで読んだ方の中では「これからはCEFRで評価されるのか、ではCEFRの試験を受けたい!」と思った方もいるかもしれませんね。

しかしここで一点お伝えすべきことがあります。

CEFRの試験というものはありません。

文部科学省が作成したCEFRレベルがわかる「相対表」はこちら

それではどうやってCEFRの基準を確認すればいいかというと、先述したTOEFLや英検の試験の結果と、CEFRレベルの相対表(対応表)があるのです。

具体的には下記のような表です。
なおこれは文部科学省が作成、発表しているものです。

CEFR
【引用元】文部科学省https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/03/__icsFiles/afieldfile/2019/01/15/1402610_1.pdf

英検2級であれば、CEFRでいうB1~A2と見なすことができるわけです。

すなわち「私の英語レベルはB1です。なぜなら英検2級を取得しているからです」という説明ができますね。

自分が取得している結果をCEFRに置き換えて伝えることができるため、これなら海外に行っても自分の英語力を正当に評価してもらうことができますね。

また、CEFRで評価されるために、今までとは別の新たな試験を受ける必要がないという点も、英語学習を続けてきた人にとっては嬉しい話といえますね。

TOEIC・CEFR・IELTS・英検・TOEFL一覧比較表
もう少しざっくりした表にするとこんな感じです。

CEFRは2020年度から日本の大学試験へも適用される!

CEFRはグローバル標準の外国語評価指標ですから、もちろん日本でも採用されています。

もっとも大きなところでは、2020年に予定されている大学の入試改革です。

ここでは大学受験における学生の英語力測定方法として、民間の英語資格や検定の結果を利用できるようになることが予定されています。

その際の各試験の結果は、CEFRをベースにレベル分けされます。

つまり大学入学にいて、各学生の英語レベルはCEFRで測定されるようになるのです。

そのほかにも

・高校や大学の英語授業のレベル測定ではCEFRが使用されるようになってきている
・英検の結果にCEFR対応スコアも表示されるようになっている(2016年より本格導入)
・NHKは英語講座をCEFRのレベル別に再編成済み(2012年より)

といった形で、日本国内においても各機関や企業がCEFR対応を進めており、CEFRは着実に浸透してきているのです。

テキスト、学習塾、英会話スクールなどがCEFRに対応しているかチェック

さて、これまでの部分で、
・日本でもCEFRの重要性が高まってきていること
・CEFRレベルを測定するための試験そのものは従来の英検やTOEFLなどが通用すること
がわかったと思います。

では今後の学習や試験において、どういったところに注意したら良いかについて、以下に説明いたします。

英語学習において意識すること

英語を学習するにあたり注意することは以下の3点です。

・お子様に英語を学ばせるのであれば、英語学習用のテキストや学習塾がCEFRに対応していること
・英会話スクールに通うのであれば、レベル評価がCEFRの基準に則っていること
・社会人留学する際は、留学先の学校がセファールを意識したカリキュラムになっていること

現在グローバルで通用する基準は、CEFRに統一する方向で進んでいます。

それを確実にフォローした学習内容になっているかという点が、学習教材や留学先を選ぶ上の大きなポイントといえます。

また、CEFRは世界的な基準ですので、そこに追随していないところは教育カリキュラムそのものが古い可能性もあります。最新の情報が反映された教育カリキュラムで、より効率的に学べるところを選ぶべきですね。

英検やTOEFLなどの試験において意識すること

学習の成果を測るため、英検やTOEFLにチャレンジすることもあると思います。
ここでも常にCEFRとの相対表を意識して取り組み、自分のレベルをCEFR基準で把握することが重要です。

試験は高得点を取ることが目的ではありません。

資格取得を目指して習得した知識や技術を、今後にいかに活用していくかが重要なのです。

そのためにも、自分がどれくらい英語を活用する能力があるかを客観的に見る指標として、CEFRは常に意識するようにしましょう。試験対策のためのテキストなども、CEFR対応しているものを選ぶようにすると良いですね。

CEFRのまとめ

以上、CEFRの基本や日本での使われ方について説明しました。

文部科学省の動きや大学試験への対応状況などを見る限り、日本でもCEFRはどんどん一般化されていくと考えられます。書店で見かける英語の本を一つとっても、CEFRという文字が当たり前のように並ぶようになってくると思います。

ただ本記事を読んだ方は、CEFRと聞いて焦る必要がないということもわかったはず。

英語力を評価する基準が変わってきているということをしっかり理解し、お子様をお持ちの方であれば教育のサポートに活用し、社会人の方は英会話スクール選定の指標として役立てていただけたらと思います。

CEFRの概要を理解し、変化を柔軟に受け入れられるようにしておいてくださいね。

PS.フィリピン留学もCEFRの基準に沿って、留学生の英語力を測定している学校が増えてきました。
こちらのセブ島の語学学校一覧表からご確認ください。

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マナビジン編集部
マナビジン編集部
マナビジン編集部チームでは「英語が伝わる楽しさをより多くの方へ」をモットーに英語学習や英語を使ったキャリアに関する情報発信を行っています。

引き続きお楽しみに!

1コメント

  1. 英語学習(というか普通に継続して取り組む)してればおのずと各スコア、CEFRも上がっていきます、対応どうのこうのってそういう問題じゃないです。対応とした教材とかいまだにそういう視野の狭いことおっしゃってるんですね。

コメントは締め切りました。

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