海外ドラマで英語を勉強するいちばんのメリットは、楽しみながら勉強できるということです。
今ではありがたいことにDVDや海外ドラマ専門チャンネル、NetflixやHuluなどの動画配信サービスの普及により、手軽に海外ドラマを見ることができます。
そして何百、何千ものタイトルから自分の好みに合うドラマを選んで視聴できるのです。
ドラマには興味がないという人はアニメでも構いません。
ディズニー等のアメリカ製アニメは言うに及ばず、日本のアニメでも英語音声や英語字幕がついているものもあります。ドラマやアニメで英語を勉強する習慣を身につければ、英語の勉強を始めるのが楽しみになってきます。
今回は、海外ドラマでの英語の勉強方法やおすすめ動画サービス、メリット・デメリットなどを紹介していきます。
1. ネイティブが実際に使う英語を勉強できる
海外ドラマで英語を勉強するもう1つのメリットは、生の英語を聞くことができるということです。
英語の勉強をしているとどうしても「こんな表現、一生使わないんじゃないか」「こんな英文を覚えても何の役にもたたないのではないか」なんて気持ちが湧いてくることがありますよね。
ドラマを通して英語を覚えれば、1つ1つのセリフから、ネイティブスピーカーがどんなシチュエーションで使うのか、どのように発音するのかを映像を通して学ぶことができます。
私のお勧めの1つに、Modern Familyというコメディがありますが、シーズン1の予告編(Modern FamilyのYouTube動画はこちら)で使われているだけでも、次のような短くて使い勝手の良さそうなフレーズが並んでいます。
What happened?「どうしたの?」
That’s it?「それだけ?」
Count on three.「1、2の3でいくよ」
What is with this thing?「これどうなってるの?」
よく使われるフレーズは別のエピソードや他の作品でも使われますので、続けていれば「あ、このフレーズは前にも聞いたことがある」という経験を何度もします。
ドラマを見る習慣をつけるだけでボキャブラリーを増やし、自然な英語を身につけることができるのです。
2. 日常生活で使えるフレーズを増やすにはコメディがお勧め
ドラマを英語の勉強として捉えたときにおすすめしたいのは、シットコムと呼ばれる日常生活を舞台にしたコメディです。
有名なシットコムには、ニューヨークに住む男女6人の友情と恋愛を描いた「Friends」、サンフランシスコに住む成人男性3人による3姉妹の子育てを描いた「Full House」があります。
どちらもコメディなので笑いながら見ることができますし、友人同士の食事や恋人同士のデート、親子の対話などを中心にストーリーが進むので、実際の生活で使えるフレーズをたくさん学ぶことができます。
私もドラマ学習を始めたときにはこの2作品を1話ずつ交互に見たものです。
Full HouseもFriendsもとてもおもしろいシットコムで学べることも非常に多いのですが、1つだけ残念なことがあります。それは、、、
これらの作品で描かれている時代がもう古くなってしまっているということです。
Full Houseは1987~1995年、Friendsは1994~2004年に放送されたドラマです。
現代は必需品だけれども、当時まだ普及していなかったものが何かわかりますか?
それはインターネットとスマートフォンです。
そういう意味で、私が今からドラマで英語の勉強を始めるとしたら、先程紹介した「Modern Family」を選びます。
Modern Familyは2009年から放送が始まったコメディで、エミー賞で史上最多の5年連続作品賞を受賞しています。他にもゴールデングローブ賞、全米脚本家組合賞、全米映画俳優組合賞その他、数々の賞を受賞しています。
1男2女のダンフィー家、コロンビア移民との再婚夫婦であるプリチェット家、ベトナムからの養子を迎えたゲイカップルのタッカー=プリチェット家の3家族を中心に、ちょっとした夫婦喧嘩や親子の衝突、家族旅行といった小さな事件をクスッと笑えるように描いた作品です。
FriendsやFull Houseよりも更に日常に密着したストーリーが多く、楽しみながら日常会話を学ぶには最高の教材と言えます。もっとも2023年となった今では、これも古いコメディといえるかもしれませんが。。。
3. コメディが苦手なら好きな作品を見よう
では、コメディにそれほど興味を持てなかった場合どうするか。
答えは簡単です。
好きなもの、興味が持てそうなものを見てください。
恋愛ものが好きな人は恋愛ものを見ればいいですし、刑事ものが好きな人は刑事ものを、ホラーが好きな人はホラーを見ればいいです。
特別な好みがなければ「おすすめ海外ドラマ」等で検索して出てきた作品や、NetflixやHuluなどの再生ランキング上位作品をお試ししてみるといいでしょう。
多くの人に支持されるだけあって、面白い作品が揃っています。
確かに、恋愛ものやコメディのような日常生活に近いジャンルのほうが使える表現は多いのは間違いありません。
刑事ものや法廷ものでよく出てきそうな He must’ve murdered my wife!「ヤツが俺の妻を殺したに違いない!」とか、戦争もので出てきそうな We’re running out of ammo!「弾が切れるぞ!」なんて表現は一生使わない人の方が圧倒的に多いでしょう。
しかし、ドラマで英語を勉強する最大のメリットは「楽しい!」ということです。
「つまらない、興味ない」と思いながら見続けるよりも、「面白い!何と言っているか気になる!」と思いながら見るほうがよっぽど長続きしますし深く理解できます。
私の場合、最近は早起きをしてドラマを2本見るのが日課です。
毎朝、飛行機墜落事故の生存者の人生を描いたLOSTと、ゾンビだらけになった世界での人間のサバイバルを描いたWalking Deadを見ているのですが、「勉強のために仕方なく眠い目をこすって」なんてことは全くありません。
続きが見たくてたまらないので、わくわくして目覚ましアラームが鳴るよりも先に起きてしまうくらいです。
ぜひ「早く続きが見たい、結末が気になる」と思える作品を見つけてください。
4. 海外ドラマ学習にはNetflixが最適な理由
海外ドラマの視聴方法ですが、現状ではNetflixが以下の4つの理由でお勧めです。
①気に入ったタイトルが見つけやすい
先程も述べた通り、ドラマ学習で最も重要なことは楽しく続けることです。DVDを買ったり借りたりすると、興味を持てなかったときに他のタイトルに変えるのが困難です。
「せっかくお金を払ったのだから…」と思いながらつまらない話を見続けるのは苦痛です。
「せっかくお金を払ったのに…」と思いながら別のタイトルに移るのも後味が悪いです。
その点、NetflixやHuluなどのネット配信型の動画サービスは月額1,000円前後で見放題ですから、気になったタイトルをとりあえず10分だけ見てみるのも、飽きてきたら視聴をやめるのも気軽にできます。
②いつでも好きなときに見ることができる
NetflixやHuluといったネット配信型の動画サービスのもう1つの強みは、24時間いつでも視聴できることです。DVDを用意したり、スカパーなどの有料チャンネルを録画したりする手間がありません。
「続きがどうなるのか気になる!」と思えば時間の許す限り5話でも10話でも続けて見ることができますし、「あのシーンがもう1度見たい!」と思えばいつでも過去のエピソードを見ることができます。
また、スマホさえあれば視聴できますので、家事の間に10分だけ見る、通勤電車でイヤホンをしながら毎日30分見るという方法もアリです。
事前にダウンロードしておけば通信量を気にする必要もありません(ただしタイトルによって出来るものと出来ないものがあります)。
③音声・字幕の日本語と英語の切り替えが簡単
HuluやAmazonプライム・ビデオなどの別の動画配信サービスでもいいじゃないかという声が聞こえてきそうですが、Netflixには他のサービスにはない強みがあります。
それは、音声や字幕を日本語から英語に切り替えるのが簡単ということです。
Amazonプライム・ビデオではそもそも英語字幕が表示できません。
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Huluは音声・字幕ともに日本語・英語の両方に対応していますが、日本語音声と英語音声は別の動画になっているのです。
つまり、LOST第1話に英語音声版と日本語吹き替え版の2つの動画があって、切り替えるためには一度再生を終了してからもう1つの動画を再生しなければならないのです。しかも見たいシーンを探す作業まで必要です。
その点、Netflixでは同じ動画内で英語音声と日本語音声、英語字幕・日本語字幕・字幕オフを自由に変更できるようになっています。(ごく一部に対応していない作品もあります)
日本語音声でストーリーを把握したり、英語字幕を表示して1つ1つのセリフを確認しながら見たり、字幕オフで聞き取れるか確認したりと、手軽に様々なステップを試すことができるのは非常に便利です。
④LLNが便利すぎる
そして、Netflixの最後にして最大のメリットは Language Learning with Netflix(LLN)というツールが使えることです。
LLNはChromeの拡張機能です。Chromeのブラウザを利用することによって利用できます。
→LLN拡張機能ダウンロードページへ
LLNでは以下の機能が提供されています。
・画面の端に前後のセリフを一覧形式で表示できる(最初から最後までスクロール可能)
・セリフ一覧にカーソルを合わせると対応する日本語字幕が表示される
・英語字幕の単語をクリックすると、その単語の基本的な意味が表示される
・セリフ単位で再生位置を指定できる
・再生スピードを調整できる
・字幕に合わせて動画を一時停止するモードがある
もちろん不要な機能はオフにすることができます。
残念ながら熟語には対応していなかったり、日本語字幕と英語の訳が必ずしも一致していなかったりという弱点はありますが、これだけの機能がありながら無料で使えるのです。
更に便利な有料オプションもありますが、とりあえずは無料で使える機能で十分でしょう。
残念ながらLLNはパソコン専用のツールでスマホやタブレットには対応していませんが、LLNのためだけに安めのパソコンを用意してもいいくらいです。
5. Netflixのデメリット・注意点
Netflixのデメリットですが、私が感じたのは以下の2つです。
①作品数が他のサービスに比べて少ない
Netflixの配信作品数は公表されていませんが、他のサービスに比べて少ないようです。
英語のドラマで勉強できれば作品はなんでも大丈夫という方には問題ありませんが、この作品を視聴したいと特定の作品が決まっている場合は、契約前に配信されているのかを調べてから契約されることをおすすめします。
②配信終了の可能性
Netflixに限りませんが、ネット配信型の動画サービスは常に配信終了の可能性があります。
どのサービスも無限に作品を配信できるわけではありませんので、新しい作品を配信し続ければいずれは古い作品を配信終了になるのはやむを得ません。
Netflixでは配信終了のお知らせが30日前からとのことですので、エピソード数の多い作品の場合は完走を諦めざるをえない場合もありそうです。
この後勉強の仕方についても触れますが、英語の勉強を目的とするのであれば、作品を何本もたくさん視聴するというよりは、(初心者の方はとくに)細かく区切りながら同じ部分を再生し、少しずつ進めていく方が理解も深まります。
そのため、最後まで必ずシリーズを見たい方は、エピソード数の少なめな作品を選んでみるのも良いでしょう。
6. 最初はベーシックプランで十分
Netflixにはベーシック(990円)、スタンダード(1490円)、プレミアム(1,980円)の3つのプランがあり、月額料金と画質、同時視聴できる機器数に違いがあります(金額は2023年1月現在、消費税込み)。
どのプランにしようか迷う場合は、最低料金のベーシックで登録するのがおすすめです。
あまり安すぎると不安だという人もいるかもしれませんが、視聴できる作品数には変わりがありませんので、ほとんどの人はベーシックで十分満足できると思います。
私は15インチのノートPCとスマートフォンでベーシックを利用していますが、一切不満を感じたことがありません。おそらくDVDと同程度の画質だと思います。
まずはベーシックで試してみて、画質に不満があったり、家族が同時に見たがったりしたときにスタンダードやプレミアムに移行するのがよいでしょう。
最初から上位プランを選ぶと下位プランで画質がどのくらい劣化するかわからないため移行するタイミングが難しくなります。
7. 実力プラスワンを目標にしよう
良いこと尽くしのドラマ学習法なのですが、いくつか注意点があります。
まず1つ目はドラマで英語を勉強する際には完璧主義を捨てて、現在の自分の実力にプラスワンできる程度を目標にするべきだということです。
ドラマで勉強するとなると気合を入れて最初から最後まで全てのセリフを理解したくなると思います。
しかし、それは私を含めて殆どの英語学習者にとってオーバーワークです。
まず、単純に分量が多すぎます。
あなたが音声CDつきの英語教材を1冊新しく買うと想像してみてください。
さて、あなたは何日かけてこの教材を終わらせようと思って買うでしょうか。1日で終わらせようと思う人はおそらく1人もいないでしょう。少なくとも1週間、標準的には1~2か月かけて攻略しようと思うのではないでしょうか。
海外ドラマの標準的な長さはストーリーもので45分程度、シットコムで25分程度です。
理屈の上では、ドラマを1エピソード分理解するには45分の音声つき英語教材を勉強するのと同じだけの時間が必要となってしまうのです。
そしてどちらの方がレベルが高いかは言うまでもありませんね。
全てのセリフを理解しようとすると1エピソードを消化するのに1週間以上かかってしまうことも珍しくないのです。
そして繰り返しの視聴に耐えられるかという問題もあります。
完璧主義でドラマ学習を始めると、どうしても同じ話を何度も繰り返して見ることになります。
確かに世の中には「今までに同じ話を10回以上は見た。これから100回でも1000回でも平気で見られる」という人もいます。
そのようなタイプの人であれば、セリフの意味を全て調べて、俳優そっくりに話せるようになるまでマネをすることも苦ではないでしょう。
羨ましい限りです。このような人はぜひ完璧を目指してほしいものです。
しかし、少なくとも私は何度も同じ話を見るのは苦痛です。単純に飽きます。
特にLOSTのような謎が謎を呼ぶような話や、Walking Deadのように次々とハラハラドキドキの展開が続くような話は続きが気になって仕方ありません。
ドラマ学習の最大のメリットは興味を持って楽しく英語に触れられることです。楽しくなければドラマ学習の意味がありません。
ですから「そのエピソードを楽しく見ることができれば最低ラインクリア。何か1つ得ることがあれば合格」という程度の気持ちで見るのがちょうどよいのです。
8. 字幕も吹き替えも最大限に活用しよう
2つ目の問題点ですが、英語のドラマはネイティブスピーカー向けに作ってあるということです。
そのため、セリフには日本人はほとんど知らないけれどネイティブなら知っていて当然、というレベルの語句が並んでいます。
そして、ネイティブでもそんなに使わないけれども聞けばわかるというレベルの単語、英検で言えば1級レベルを超える単語も容赦なく使われています。
たとえばLOSTは比較的日常的な語句、会話が多いドラマですが、それでもシーズン1の第1話でdural「硬膜の」、shrapnel「爆弾の金属片、銃弾の破片」、tourniquet「止血帯」という単語が登場しています。
ネイティブなら説明するまでもないというレベルの語句も多用されます。
日本語でも「厚労省の通達により、この種の申請は受け付けられません」と言われれば、詳しく知らなくても役所に関連して何かあったんだなということくらいは想像がつきますよね。
同様にLOSTではbreak some FAA regulations「FAA(Federal Aviation Administration:米国連邦航空局)の規則に違反した」なんてセリフがシーズン1の第1話に出てきます。もちろん前後に「FAAというのは~」といった補足はありません。
犯罪捜査コンサルタントを描いたドラマMentalistのシーズン1第1話ではAMA(American Medical Association:米国医師会)が出てきました。
こういった機関の名称が「文科省」「経団連」などと同じような感覚でセリフに登場するのです。
そして日本のドラマでは架空の人名、社名、商品名を使うのが一般的ですが、アメリカのドラマでは実在の名称をそのまま使うことが多いです。
日本でいえば「読売」「朝日」「文春」「ポッキー」「じゃがりこ」「ポカリスエット」「明石家さんま」「マツコ・デラックス」あたりがそのままドラマに出てくると思ってください。
たとえばFriendsでは、シーズン5の第5話で意外な人物の名前が挙がります。
https://www.youtube.com/watch?v=NlaaxGu8-5E の0:22あたりから聞いてみてください。
チャンドラー(ソファーに座っている方の男性)がルームメイトのジョーイに次のように言っています。
I got to see ○○ waiting for an elevator.「エレベーターを待っている○○を見たんだよ」
さて、誰を見たのか聞き取れたでしょうか?
そうです。少し前まで世界中で一番有名だったと言っても過言ではない人、Donald Trumpを見たと言っているのです。
このエピソードが放送されたのは1998年で、もちろんトランプ氏が大統領になる前です。全米的に有名な実業家として名前が挙がっていたのです。
こういったところまで理解できるように頑張ると、1つ調べるだけでも10分、20分、場合によっては何日もかかってしまいます。
「今の自分の理解を超えているな」と思う部分に関しては、日本語吹き替えや日本語字幕で意味を確認するだけでも十分です。
9. 最初はターゲットとなるシーンを絞って勉強しよう
このような理由から最初から最後まで通して理解しよう、覚えようとするのは45分のストーリーものどころか、25分のコメディでさえ困難です(ちなみにコメディはアクションシーンが少ない分、時間が短くてもセリフの量が多かったりします)。
ですから、最初は日本語吹き替えや日本語字幕でストーリーを把握し、気に入った1分程度のシーンをいくつか選んで英語音声・英語字幕で勉強することをお勧めします。
ただし同じ1分でも簡単なフレーズばかりのシーンもあれば、ネイティブでも解釈が分かれるようなシーンもありますので、慣れるまでは「1エピソードにつき30分間英語音声で勉強する」というように、時間を目安にしたほうがいいでしょう。
俳優さんのように流暢にセリフを言えるようになりたいと思うかもしれませんが、欲張らないようにしましょう。
繰り返しますが今のレベルにプラスワンできれば上出来です。
最初はセリフの中で使われている単語の意味を確認した、字幕の英文の意味がわかった、字幕を見ながら聞き取れたというレベルを目指してください。
余裕ができてきたら確認したセリフを字幕なしで聞き取れるか確認したり、俳優さんに似せて話す練習をしたりしてみましょう。
単語や熟語の意味は覚えるにこしたことはありませんが、わざわざ時間をかけて暗記する必要はありません。重要な単語は何度も繰り返し使われますので、何度も調べているうちに自然と覚えてしまいます。
LOSTを英語音声で見た人なら、おそらくfreckles「そばかす」という単語は一生忘れられないのではないでしょうか。
最初は1分のシーンを1つ理解するだけでも20分も30分もかかるかもしれません。ですが、続けていけば少しずつ分かる内容が増えていきます。
そうすると1つのシーンにかかる時間が短くなりますので、英語で見るシーンを増やしていくようにしましょう。
10. 慣れてきたら英語音声・英語字幕で通して見よう
シーンのピックアップに慣れてきたら、1話まるまる英語音声・英語字幕で見てみましょう。
先に日本語で見てストーリーを確認しておいても構いませんし、いきなり英語で見ても構いません。
基準はただ1つ。楽しめるかどうかです。
英語で見ると内容が理解できないのであれば先に日本語でストーリーを把握しておくべきでしょう。いきなり英語で見てもある程度わかるなと思ったら遠慮はいりません。英語オンリーで見てください。
この段階で注目するべきポイントは以下の2つです。
①字幕を見ても意味が追えないところ
字幕を見てもセリフの意味が追えていないということは、英語の処理スピードが十分ではない、つまりあなたの弱点であるということです。
単語を知らない、苦手な構文を使っている、代名詞の指示内容が把握できていない等々、様々な原因が考えられますが、上級者を目指すには1つ1つ弱点を克服していくしかありません。
そしてこれは能力の問題ではなく、慣れの問題です。
ここまで読んでくれたあなたであればI’m from New York.やI get up at six.程度の英文は一瞬で理解できるでしょう。
では、A cheetah runs faster than any other animal on the planet.はどうでしょうか。
Is this the picture you took when you visited the island?はどうでしょう。
I wouldn’t tell her the truth.ではどうでしょうか。
「これは比較だから…」とか「ここには関係代名詞が省略されているのかな…」とか、「このwouldは過去形?仮定法過去?」と1つ1つ考えている間はネイティブの会話スピードにはついていけません。
ある程度の長さの英文でもI’m from New York.やI get up at six.のように一瞬で理解できるレベルが必要です。
それには慣れるまで繰り返すしかありません。
「あれ?ここは何を言っているんだろう」と思ったシーンは繰り返し何度も視聴するようにしましょう。
②知っている語句なのに聞き取れないところ
もう1つ特に力を入れてほしいのは、字幕の中に知らない単語がないのにセリフが聞き取れないところです。
知らない単語がないのに聞き取れないというのは日本人に限らず非ネイティブの共通の弱点です。この原因は音の連結や省略が身についていないことです。
ネイティブはkind ofを「カインダ」、if Iを「ファイ」、give herを「ギヴァ」というように、音をつなげたり、省略したりして発音します。
CMでも言っているように「聞こえないんじゃない。最初から言ってないんだ」という状態です。
こういう箇所を見つけたらリスニング能力を向上させる絶好のチャンスです。
同じセリフを何度も聞いてみてください。LLNならクリック1つで何度でも聞き直すことが出来ます。
そしてネイティブがどのように発音しているか分析し、自分も声を出してシャドーイングやリピーティングをしてみましょう。
「if Iは最初のイの音が省略されて…」などと難しく考えることはありません。
聞こえたまま「ファイと聞こえたらif I」と覚えてしまうのです。
これを続けることで頭の中に英語音声のデータベースが出来上がり、字幕なしでも理解できる音が増えていきます。
11. 英語字幕の注意点
1つ注意してほしいのは、英語字幕は必ずしもセリフと一致していないということです。
たとえば字幕ではWe’re going to be OK.と書いてあるのに、実際にはwe’reが省略されてgonna be OKしか聞き取れないことがあります。
英語の場合は特に文頭が弱く発音されやすいです。
また、俳優さんはTell me where you found this?と言っているのに、字幕にはWhere did you find this?と表示されることもあります。
何度繰り返して聞いても、再生速度を落としても字幕のように聞き取れない場合は、字幕とセリフが一致していないという可能性も考慮してください。
ちなみにGoogle等で作品名の後ろにtranscriptをつけて検索してみると、有名な作品の場合はセリフを書き起こしたページが見つかります。字幕に納得がいかない場合に活用してみてください。
12. 英語を楽しむ手段としてドラマを活用しよう
英語を勉強する理由は人それぞれですが、生の英語に触れるためのツールとして、そして英語を楽しむための手段として海外ドラマは非常に優秀です。
スマホやパソコン、インターネット接続環境があれば月々1,000円前後とコストパフォーマンスも抜群ですので、ぜひ活用してみてください。