海外留学をすることが決まったら、たくさん準備をすることがありますね!
その中でも忘れずにしっかり確認をしておいた方が良いのが、留学のための保険です。
日本国内であれば、健康保険や高額医療費制度が充実しているため、任意保険に加入していなくてもある程度貯金があれば問題ないですが、海外では治療費の額も国によってはかなり高額のため、万が一のために事前に準備をしておきましょう。
海外留学の保険選びでおさえておきたいポイントや、おすすめの保険もご紹介していきますので、最後までお読みいただけると嬉しいです。
目次
海外留学の保険の重要なポイントは?
保険の内容で海外留学の際に重要になってくるのは、病気やケガの治療費に対する補償です。
救急車を呼ぶだけで10万円以上、数日入院をしただけで数百万円の費用がかかってしまうこともあります。
どんなに安全や健康に気を付けていても、事故に巻き込まれたり病気になってしまったりすることはありますので、そういった事態になっても困らないためにも必ず加入しておきましょう。
また、日本で任意保険に加入する際は、残されるご家族のことを考え死亡保障を手厚くされる方も多いですが、海外留学の保険でとくに重要なのは治療費への補償です。
いくら死亡保障を手厚くても治療費が出るわけではありません(最大数千万円保証というのは意味がありません)。そのため、あくまで治療するために必要な金額を補償してもらうための保険として考えましょう。
必要な保障内容はどれくらい?
国によって、医療費の額は大きく異なります。
例えば、留学先としても人気のフィリピンは開発途上国なので医療費は比較的安いです。
もちろん、日本国内の治療に比べれば請求される額は高く感じるかもしれませんが、よほどのことがない限り開発途上国が留学先である場合は、500万円程度で足りることが多いです。
一方、医療費が高額なことが知られているアメリカやヨーロッパ等では、現地での治療費も高額になることが予想されます。
とくにアメリカは1,000万円以上の高額な治療費がかかることも多いですので、治療救援費用保険金額が無制限に出るタイプのものが安心です。
留学の期間で入れる保険は変わる
留学する期間によって入れる保険、入れない保険があります。保険加入の前に、どれくらいの期間留学するのかを先に決めておきましょう。
3ヵ月以内の短期留学の場合は留学保険ではなく、海外旅行保険が使えます。
保障内容も十分ですし、費用も安く抑えられることが多くおすすめです(クレジットカードの保険も併用できます)。
3ヶ月以上の場合は留学保険に入るのが一般的です。
保険加入期間についてですが、留学する出発日から帰国する日まで保険期間を設定しておく必要があります。
渡航してから途中で加入することはできません。延長の手続きができないケースもありますので、帰国日が決まっていない場合や予定変更になる可能性がある場合は、少しゆとりをもって長めの期間を設定しておくと安心です。
おすすめの保険8選
留学期間、留学先、希望する補償内容によって最適な保険は異なりますが、留学の際に利用できる保険をご紹介していきます。
保険会社名 | 保険加入期間 | インターネット申し込み | 治療費無制限プラン |
ジェイアイ損害火災 | 5年以内 | ○(加入期間1年以内) | ○ |
AIG損保 | 1年以内 | ○ | ○ |
東京海上日動 | 2年以内 | ○(加入期間6か月以内) | ○ |
損保ジャパン日本興和 | 2年以内 | ○ | ×(最高2000万円) |
三井住友海上 | 2年以内 | ○(短期) | ×(最高1億円) |
Chubb損害保険 | 1年以内 | ○(加入期間3か月位以内) | ○ |
あいおいニッセイ同和損害保険 | 2年以内 | × | ×(最高1億円) |
エイチ・エス損害保険 | 1年以内 | × | ○ |
ジェイアイ損害火災
→https://www.jihoken.co.jp
JTBグループの保険会社で、JTBの店舗やインターネット、空港などから申し込みができ、申し込みが可能な期間は、3ヶ月前から出発当日までとなっています。
留学期間が1年以内の方は、インターネット申し込みが可能です。それ以上の期間の方は、書類での手続きが必要です。最長5年と加入できる期間が長いので、海外の大学へ進学される方にもおすすめです。
治療・救援費用の無制限プランがあります。また補償内容をカスタマイズできるので必要な補償を選ぶことができます。
AIG損保
→https://travel.aig.co.jp/ota?p=oPG00402
インターネット、保険代理店、空港のカウンターで申し込み可能です。60日前から出発当日まで申し込みができます。
留学保険の対象期間は最長1年です。治療・救援費用の無制限プランがあります。
東京海上日動
→https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/service/travel/kaigai/
6か月以内の加入期間であればインターネットでの申し込みが可能です。それ以上になる場合は、問い合わせが必要です。最長2年間加入できます。45日前から出発当日まで申し込み可能です。
治療・救援費用の無制限プランがあります。
損保ジャパン日本興和
→https://www.sompo-japan.co.jp/kinsurance/leisure/off/
インターネットでの申し込みができます。1年以上の加入希望の場合は問い合わせが必要です。45日前から出発当日まで申し込み可能です。
治療・救援費用の無制限プランは無く、治療費は最高2000万円のプランがあります。
三井住友海上
→https://www.ms-ins.com/personal/travel/
インターネットは加入期間が短い場合は申し込めます。長期留学に対応しているものは、書面や店頭での手続きが必要です。60日前から出発当日まで申し込み可能です。
治療・救援費用の無制限プランはありませんが、最高1億円の補償プランがあります。
Chubb損害保険
→https://www.chubb.com/jp-jp/
加入期間は最長1年以内です。3ヶ月以内であればインターネットで申し込み可能で、それ以上の場合は代理店での申し込みになります。治療・救援費用の無制限プランがあります。
あいおいニッセイ同和損害保険
→https://www.aioinissaydowa.co.jp
加入期間は最大2年間です。代理店でのみ申し込みができます。治療・救援費用の無制限プランはありませんが、最高1億円の補償プランがあります。
エイチ・エス損害保険
→https://www.hs-sonpo.co.jp
加入期間は最大1年間です。代理店でのみ申し込みができます。治療・救援費用の無制限プランがあります。
加入の時期に関して
長期留学の場合は書面での手続きが必要な場合が多いため、申し込み手続きに時間がかかる場合もあります。
出発当日まで申し込みができるのは短期のプランのみの場合が多いですので、余裕をもって準備をしましょう。
また、短期留学の場合であれば、急いでいる場合はインターネット申し込みができるものを選択するとスムーズですし、コストも抑えやすい傾向にあります。
保険料については留学先の国や補償額とカバーする範囲によっても異なりますのでそれぞれご紹介はしていませんが、留学期間に合わせて加入できる保険で見積もりをとって比べてみることをおすすめします。
また、キャッシュレスで支払いができる病院が留学先にある場合は、対応している保険を選ぶとより便利です。語学に不安のある方は通訳のサービスがあるものなどもありますので、ご自身の状況に合わせて検討してみてくださいね。
実際に保険を使うときは?
体調不良やケガの場合
病院を探し、受診します(予約や紹介状がなくても受診ができるか要確認)。その際、キャッシュレス診療対応の保険をかけていて、また受診した病院がキャッシュレス診療対応であれば、保険会社に連絡をし、費用はその場で支払う必要はありません。
後日、簡単な報告手続きが求められる場合が多いですが、立て替えする必要がないというメリットがあります。田舎ではキャッシュレス診療対応病院が少ないのでご注意ください。
キャッシュレス診療非対応の保険、もしくはキャッシュレス対応の保険はかけているけれど受診した病院が対応していない場合には支払いは自分で行い、後日保険会社に申請し、保険金が支払われる流れになります。
加入している保険によって、必要な提出書類などもありますので、受診する際に慌てなくても済むように事前に用意しておきましょう。
また、保険があるからいつでも受診できると思いがちですが、国によっては、受診のシステムが日本とは大きく異なる場合もあるので、事前に滞在する場所付近の病院のシステムや情報をチェックしておくと安心です。
例えば、日本では予約がなくても、当日待てば診療してもらえる場合も多いですが、完全予約制で数日待ちだったり、総合病院を受診するということが、救急搬送の場合を除き難しかったりということもあります。
筆者も留学中にケガをしましたが、総合病院へは紹介状が必要で、まずはホームドクターの診療を受けるのに数日待ち、そして総合病院の予約が取れたのが1ヶ月後、結局夏休みの一時帰国中に日本で治療したということもありました。
ただ、キャッシュレス診療対応の保険と病院のおかげで、保険証の提示で高額な検査費用を現地の病院で支払う必要がなかったのは非常に助かりました。
携行品が盗まれた場合
スリや置き引きなどは海外では非常に多く、旅行や留学中に被害にあわれている方も多いと思います。もし盗難にあったら、まず現地の警察へ行き状況を説明して盗難届をもらいましょう。
後日、保険会社に盗難届を提出し、保険金を申請する流れになります。
保険はなんとなくかけておけば安心という意識ではなく、必要な補償を受けることができるよう計算してかけるようにしてくださいね。また、実際に保険を使うことになった場合のシミュレーションもしておくと、最適なプランが選べると思います。
クレジットカードの海外旅行保険
クレジットカードも種類によっては海外旅行保険が付いているものがあるのをご存知ですか?
期間は3ヶ月のものが多いので、短期留学には利用できます。年会費が無料のクレジットカードであれば、実質無料で海外旅行保険に加入することができるのでさらにお得ですよね。
1点注意していただきたいのが、クレジットカードの海外旅行傷害保険は、必ずしもそのクレジットカードを保有していれば補償されるというものではないことです。
自動付帯となっていれば、そのクレジットカードを保有しているだけで保険が付いていますが、利用付帯の場合はクレジットカードで旅費の支払いを行わなければ補償を受けられないサービスになりますので事前にチェックが必要です。
では、実際にクレジットカードの海外旅行保険の内容を、カードの年会費、付帯のタイプ、そして最も重要な治療費の補償額を中心にみていきましょう。
エポスカード
エポスカード(VISA)は年会費無料で、自動付帯されます。
治療・ケガは疾病が270万円、傷害が200万円です。またキャッシュレス診療が可能です。
ミライノカードゴールド
ミライノカードゴールド(JCB)年会費が3,300円、利用付帯のタイプですが、補償される治療費は500万円とクレジットカードの海外旅行保険の中では高額です。その他の、救援者費用、携行品損害の補償額も高いです。キャッシュレス診療が可能です。
楽天カード
楽天カード(VISA/JCB/Master/Amex)は年会費無料で、利用付帯のタイプです(交通費支払いでは利用付帯有効化ができないため注意が必要です)。治療費は200万円まで補償されますが、携行品損害の補償はありません。キャッシュレス診療が可能です。
ジャックス横浜カード
ジャックス横浜カード(Master)は年会費無料で、自動付帯です。治療費は200万円まで補償されます。キャッシュレス診療も可能です。
心配な方は複数枚のクレジットカードを所持
1枚のクレジットカードでは、比較的治療費用が安いアジア圏であっても補償内容は不安が残る金額です。
複数のクレジットカードを保有している場合は、「傷害死亡」「傷害後遺障害」は保有している複数のクレジットカードの補償金額の最高額が適用されます。
それ以外の補償に関しては保障金額を合算することができるので、300~500万円程度をみておきたいアジア圏、400~600万円ほどが見込まれるヨーロッパやカナダ、400万円程度が必要とされるオーストラリアであれば、2~3枚を組み合わせればクレジットカードのみでも十分な保障を受けることも可能です。
ただ、1000万円以上の治療費がかかることも多いアメリカや長期で滞在する必要があり、現地での治療日数も長引く可能性がある場合ではクレジットカードの補償を組み合わせるだけだと不安も残りますので、任意の海外旅行保険に加入しておくと安心です。
(こちらのサイト(https://choro.asia/creditcard.htm)の情報を参考にさせていただきました。また、70枚のクレジットカードの比較が載っていますので、補償を組み合わせたりする際に利用すると便利です。)
留学保険の選び方
留学先によっては保険に加入することを義務づけているところもありますので、まずはご自身の留学先がどのような内容の保険が必要なのかをチェックしましょう。
補償内容は渡航後変更できませんので、指定されている内容がカバーできているプランを選ぶよう注意が必要です。
留学期間にあわせて、保険を選びます。
3ヶ月以上であれば留学保険、3ヶ月以内であれば海外旅行保険がおすすめです。
そのほか、最長1年以内など加入期間が制限されているものや、加入期間が長い場合は書面での手続きが必要になるケースが多いですので、長期留学の方は早めに準備を開始しましょう。
留学先の治療費の目安を調べます。どれくらいの金額が保障されれば、あらゆる場合に対応できるのかを検討し、②で選んだ保険の中で条件に合うものを選んだり組み合わせたりしていきます。
3ヶ月以内であれば、クレジットカードの保険も利用できますので、ご自身のお持ちのカードを確認してみましょう。条件の良いクレジットカードがあれば時間に余裕があれば作るという選択肢もあります。