コンサル業界は忙しい。
このイメージが先行するばかりにプライベートは全くなく、毎日終電で帰っていると思っている方も多くいるのではないでしょうか?
この認識は半分正解で半分不正解です。
どういうことかというと、忙しい認識は正しいですが、年中忙しいわけではないということです。
皆さんのイメージする忙しさは、繁忙期と呼ばれる一年の間で忙しい時期に該当します。
この繁忙期をどう乗り切れるか、我々は毎年頭を悩ませながらも迫りくる期限に間に合わせるべく膨大な量の仕事をこなしています。
この繁忙期の後に待っている閑散期を夢見てモチベーションを保っているといっても過言ではありません。
では、具体的に繁忙期はどのくらい忙しいのか、また繁忙期に実感する英語力の差について説明していきます。
監査法人は時期ごとに忙しさが異なる?
先ほども言いましたが、私の勤める会計系のコンサルでは、一年中忙しいわけではありません。
決算ごとの繁忙期を乗り越えさえすれば、比較的ゆったり仕事ができる閑散期がやってきます。
では、具体的に繁忙期はいつやってくるのか。
原則として4∼5月中旬まで忙しい、と認識していただければ大丈夫です。
なぜこの時期なのかというと、日本にある会社のほとんどは3月決算であることが深く関係してきます。
3月に決算がある場合、3月が一番忙しいのではないかと考える方も多いでしょう。
しかし、我々が担当する仕事は決算整理です。通常3月決算の会社の場合、4月~3月までの情報を整理します。この作業は3月31日に終わるものではなく、通常5月の中頃までかかります。
担当するクライアントの決算の時期に関連して繁忙期が決まると覚えておいてください。
ここまで読んでくれた方は、
1年のうちでたった2か月しか繁忙期がないのか…
全然きつくないのではないか…
と思われる方も多いでしょう。
しかし、繁忙期は1シーズンに一回ではありません。
先ほどほとんどの企業で3月決算と述べましたが、例外もあります。
例を挙げるとアパレル業界です。一般的に2月決算が主流になっていますので、アパレルをクライアントに持つ方は3~4月が繁忙期となります。
また、外国企業の大半は12月決算です。外国企業のクライアントを持つチームに配属されると繁忙期は1~2月となります。
このように担当するクライアントの決算時期がばらばらである場合、繁忙期がずれるので1年を通して割と忙しいという方も多くいます。
裏を返せば、担当するすべてのクライアントが3月決算の場合、繁忙期の時期は短いですが、とんでもなく忙しいです。私個人的な意見を言うと、同月決算のクライアントを複数担当するより、決算期が分散されている方が仕事しやすいです。
これは個人によって考え方は異なると思いますが、複数クライアントの決算整理を担当するのは本当に大変です。
皆さんが想像する忙しさの数倍は忙しいでしょう。
この忙しさに耐え、順調に仕事をこなすことができる方は少ないでしょう。
忙しすぎて体調を崩すなんてのは日常的にあります。
では、その繁忙期を乗り越えることができた後に待っている閑散期はどういったものか、繁忙期と閑散期を比較しながら見ていきましょう。
繁忙期と閑散期はどれくらい違うのか?
先ほどの段落で、繁忙期は大体どの時期にあるか理解していただけたと思います。
この繁忙期を終えるとやってくるのが閑散期です。
この閑散期の期間では、空き時間が増えるので、基本的にスケジュールが開いている時は自由時間です。
有休を一気に消費して海外旅行に行く人もいれば、繁忙期に蓄積された疲労を取り除くべく、数日家に引きこもって休養する方もいます。私は後者です。
本当に疲れ切って、いざ長期休暇だ!となっても旅行に行く気分になれません。
それより、思う存分寝ることができる幸せをかみしめるタイプですので、家に引きこもります。
休暇中は好きな時間に寝て、夕方に起きてドラマや映画を見るというニート生活が10日ほど続きます。
これだけ有休を消費して長期休暇をとると、ほかの社員の仕事が増えて大変になるのではないか?と疑問に思う方もいると思いますが、結論から言うと全く問題ありません。
ほとんどは決算が終わった段階で仕事が入っていないため、有休をとったからと言ってとがめられることはありません。
なにより上司も休みます。
繁忙期頑張ったね!やっと乗り越えたねムードがしばらく続きます。それほどまでに繁忙期はとてつもなく忙しいです。
朝から晩まで仕事で頭がいっぱいです。もっと言えば寝ている時も仕事の夢をよく見ます。
繁忙期の期間は全くプライベートがないといっても過言ではありません。
まさに皆さんの想像するコンサルのイメージ通りの生活を送ります。
激務に耐えきれず入院はよくあること
ずっと仕事に追われる生活を2か月間続けるとどうなると思いますか?
普通の人であったら体調を崩しますよね。「普通の」と前置きしたのは例外もいるからです。
どれだけ働いても、疲れ一つ見せず淡々と仕事をする人がたまにいます。朝早くから終電までぶっ通しで仕事をしても、効率を落とすことなく集中して仕事をできる人がいます。
すごいなぁと思う反面、逆に心配にもなります。
そういう人ほど急に倒れたりします。やはり疲労は蓄積されるんだなと思う反面、ちゃんと人間で安心しました。
人はストレスがたまると集中力が欠けてきます。我々の仕事はストレスがたまりやすいです。ミスが許されない作業ですので、常に気を張って作業をし続けなければなりません。
そういった環境で長時間集中することは至難の業です。
疲労が積み重なりストレスがたまるが、やらなければならない仕事は山ほどあります。
そのような状況になると体調を崩すことは容易に想像がつくでしょう。
結構みんな体調を崩します。ひどい人は鬱状態になったり、ストレスが原因で入院したりします。
これはよくあることです。毎年繁忙期を経験している上司陣も倒れます。倒れたらチームメンバー、あるいは、他チームから応援に来てくれますので、心配する必要はありません。
繁忙期こそ能力、スキルで効率化が大切
毎年やってくる繁忙期を乗り越えられる人とそうでない人にはどのような違いがあると思いますか?
忙しさには個人差があるものの仕事量はおおむね同じくらいです。同じ仕事量を早く終わらせるためにはどうしたらいいでしょうか。
時間の無駄をなくしたり、作業の効率化が必須になります。
では、無駄をなくし、効率的に仕事をするにはどうしたらいいでしょうか。
私の過去の記事を読んでくれた方でピンと来る方はいると思いますがタイムマネジメントのためのスケジュール管理が大切です。
しかしこれだけでは足りません。なぜならば、皆それを当たり前にこなしているからです。
繁忙期で差がつくポイントとして「能力やスキル」が挙げられます。
能力やスキルと聞いても漠然としていてイメージしづらいと思いますが、これは単純なことです。
人が持っている地頭力や勉強で培った知識量、あるいは特定の分野に精通するスキル等のことを指します。
IQ数値と親和性が高い地頭力については伸ばすことは難しく、ある程度生まれたときに差ができているものです。後天的に伸びにくい要素です。
では、知識やスキルはどうでしょう。
勉強すればするほど身に付きますよね。
作業効率に差ができる要因として知識やスキルに個人差があることが一番の要因です。
同じ作業をしても、早く終えることができれは効率的だと解釈できます。
コンサル業界で役に立つスキルや経験と言ったら何が思い浮かびますか?
ExcelなどのPCスキル、一般教養や時事ニュース、会計知識…
いろいろ思い浮かぶと思いますが、ここではズバリ「英語力」に焦点を当てて述べていきます。
やっぱり高い英語力は必要
私の記事をいくつか読んでいただけている方は、コンサルと英語がどれほど親和性が高く、求められるスキルであるか理解していただけていると思います。
英語力は数あるスキルの中でも勉強量にきれいに比例する形で結果が出る比較的努力が報われやすいものです。
複雑な処理や深い思考力が必要なスキルとは異なるため、弁子湯を始めるハードルは低いです。
やればやるだけ伸び、かつ社会で求められる重要なスキルであるとわかっているのに、みなさん英語を勉強しない理由は何だと思いますか?
私の今までのTOEIC講師や家庭教師の経験を踏まえて判断するならば一言で、「危機感がないから」と答えます。
必要なのはわかっているけれど、別になくても困らないしな…
日本で働くから英語なんていらないよ…
という気持ちで、学習に取り組む方が非常に多いです。表には出さないけれど心の内側で無意識的にそういう思考になりがちなのだと思います。
学生の方はなおさらそういう思考に陥るのかもしれません。
しかし、英語学習を避けてきた人は社会に出ると後悔する傾向にあります。
コンサル業界に限らず、いろんな場面で英語が必要なケースが意外と多いからです。
希望の部署につくために…
昇給、昇進のために…
いろんな場面でもっと英語を勉強していればよかったなぁと後悔します。
この英語に対する後悔の念が最も大きくなるのが繁忙期です。
朝に今日やる1日のタスクを整理していても絶対終わらないだろと思いながらも、膨大な仕事量をこなすためにはぎりぎりのスケジュールだと自分に言い聞かせながらパンパンのスケジュールを組みます。
やらなければならない仕事は山のようにあり、なおかつスピードと正確性が求められるタスクが多いです。
ここで、スケジュール通りタスクを完了させていき、繁忙期ながら少し余裕をもって帰宅していく人たちがいます。
なんで彼らはあんなに早く正確に仕事ができるのだろう…
自分と何が違うのだろう…
私の経験上、『英語力』が一番差の付きやすいポイントだと感じます。
書類を整理するタスクが多いので、素早い処理力が求められます。そのような状況において、英語で書かれた書類を読み解く際、英語力があるかないかで圧倒的な時間の差が生まれます。
辞書や人に聞く時間、労力は繁忙期中は特に大ダメージです。
心身ともに疲労困憊します。英語を本気で勉強しておけばよかったと心から後悔します。
でも後悔してばかりはいられません。必要だと思ったら勉強して身につければよいのです。
自分の英語力が乏しいためにチーム全体に迷惑をかけたという経験が必ず次の原動力となります。
その一種の挫折経験を経て、英語の重要性を理解します。
危機感から生まれる意志や決意、熱量、モチベーションはすさまじいものです。
まとめ
今回の記事で保守系コンサルには繁忙期と閑散期があり、必ずしも一年中忙しいわけではないこと、繁忙期において英語力の差で業務をこなすスピードが大きく異なることを理解していただけたのではないでしょうか。
今いらないからやらないではなくて、将来必要になるから今やる
という意識が重要になります。
1:「求められる最低限の英語力」
2:「コンサルで英語ができる人の5つのメリット」
3:「コンサルに勤める人の英語学習法」
4:「若いうちに自己投資すべきスキル2選」
5:「日常業務でのリアルな英語使用頻度」
6:「結果を出す時間管理術」
7:「転職を成功させるたった1つの秘訣」
8:「USCPAホルダーの私が感じた取得メリット3選」
9:「繁忙期で仕事スピードに差がでる理由とは?」
10:「コンサル退職後のキャリア・転職はどうなる?」
11:「コンサル社員の一日のスケジュール」
12:「なぜあなたはUSCPA(米国公認会計士)を取得すべきなのか?」