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国別英語力ランキング【2021年版】日本と韓国、英語力を比較!

国別の英語力のベンチマーク(指標)として知られる「EF EPI英語能力指数」の2021年版 世界ランキングが公開されました。

その結果は、あまりに衝撃的です。

日本は昨年度の55位から大きく順位を下げ、78位にまで後退しています。
英語教育改革が2020年度からスタートし、国をあげて英語力を上げようと取り組んでいるにもかかわらず、なぜ日本人の英語力は目に見えて下がっているのでしょうか?

その原因と対策について、掘り下げてみます。

1.アジア各国は英語力はそれぞれ何位!?

「EF EPI英語能力指数」とは、海外留学や語学教育などの事業を展開する国際教育のリーディングカンパニーとして有名なイー・エフ・エデュケーション・ファースト(EF)が、2011年より毎年秋になると発表しているデータです。

具体的には、EF社がオンラインにて無料で公開している英語力測定テスト「EF SET」の受験データを元に、非英語圏の国と地域ごとの英語能力を年単位で指数化したものです。

今年はコンゴ民主共和国、ガーナ、ハイチ、マダガスカル、ソマリア、南スーダン、タンザニアなどを含む9ヶ国が新たに調査対象として加わり、過去最多の112ヶ国・地域のランキングが発表されました。

EF EPI英語能力指数ランキング全体
トップの座は3年連続でオランダが守り、2~3位にオーストリア、デンマークと続き、4位にはアジア地域からシンガポールがランクインしています。

「EF EPI英語能力指数」では、数値によって英語力のレベルを「非常に高い・高い・標準・低い・非常に低い」の5段階に分けています。

今回のランキングではトップから13位までが「非常に高い」と評価されており、具体的には「ネイティブスピーカーと英語で交渉ができる」レベルとされています。

アジア圏ではシンガポールに続いて18位にフィリピン、28位にマレーシアが入り、英語力が「高い」と評価されています。具体的には「仕事で英語プレゼンテーションを行うことができる」レベルです。

近年、留学先として人気が高いフィリピンの順位が、英語教育が盛んなフランスやスイスを上回っていることに注目してください。

EF EPI英語能力指数2021年版 アジア
その次に32位に香港、37位に韓国、49位に中国と続き、英語力は「標準的」と評価されています。

EF EPI英語能力指数日本
一方、日本はネパール・パキスタン・ベトナムにも抜かれ、78位にようやく顔を出しています。日本が振り分けられたのは英語力が「低い」グループです。具体的には「同僚とスモールトークができる」程度とされています。

今回のランキングで日本は、ランキングが発表されて以来、初めて下位三分の一のグループに落ちています。先進国のなかでは断トツの最下位です。

2019年は53位、2020年が55位、2021年が78位と今年度は大きく順位を下げています。実は日本の順位が落ちるのは11年連続です。日本の英語力は世界と比べると相対的に落ちているといえます。
*こちらのEF EPIエグゼクティブ・サマリーもぜひ読んでみてください。

韓国をはじめとして近隣諸国の順位が高いなか、なぜ、日本人の英語力は、ここまで低下したのでしょうか?

2.日本人の英語力低い一番の理由

日本人の英語力が低いことには複数の理由があると思われます。

言語が違いすぎるから

ひとつは、日本語と英語があまりにもかけ離れた言語であるためです。
文法にしても日本語と英語ではまったく違います。発音も同様で、日本語にはない英語の発音を聞き取り、正しく発声するには苦労がともないます。

言語が似通っていた方が、マスターしやすいことは説明するまでもありません。

その証拠に、今年度のランキングで1~3位を占めるオランダ・オーストリア・デンマークの母国語は、いずれもゲルマン語派に属しています。英語もゲルマン語派のひとつです。

「ゲルマン語派」とは、「ゲルマン祖語」という古い言語から分かれてできた、さまざまな言語のグループのことです。同じゲルマン語派に属する言語同士は共通項が多いため、彼らは日本人と比べて、ずっと楽に英語をマスターできます。

日本語と英語の距離があまりにも離れているため、日本人がその距離を埋めるには、同じゲルマン語派を母国語とするヨーロッパ圏の人々と比べると、その何倍もの努力が必要とされます。

とはいえ、これは近隣諸国(アジア)にしても同じことです。ですから、日本人の英語力が低いことには、なにか別の理由があると考えられます。

日本の教育の問題

そのひとつとして、従来までの日本の英語教育についての問題が指摘されています。

高校入試にしても大学入試にしても、問われるのは文法を中心に「読み・書き」に関する設問ばかりです。なぜなら日本の英語教育は「読み・書き」のみを重視してきたからです。

本来の英語力とは「読む・書く・聞く・話す」の4技能を総合的に評価するものです。ところが日本では「読む・書く」の2技能のみが偏重されたため、「聞く・話す」力、つまり英会話力については、ほぼ無視されてきました。

そのことが、高等教育を受けていながらも初歩的な英会話さえ交わせない日本人を、大量に生み出す結果となりました。

数年前からスタートしている英語教育改革は、この反省のもとに、英会話力を伸ばすことを目的としています。その成果が現れるのは、まだ数年先になりそうです。

このように、日本の歪んだ英語教育に問題があることはたしかですが、日本人の英語力が低い根本的な原因は、実は別のところにあります。

それは、日本にいる限り、英語ができなくても問題なく暮らせるからです。

そもそも英語が必要ない

英語を身につける必然性が低いこと、それこそが日本人の英語力が低い最大の理由です。

一方、近隣諸国では事情が大いに違います。たとえば中国やベトナムでは、数多くの外資系企業が進出しています。それらの外資系企業で働けるかどうかは、彼ら自身の、さらには彼らの家族の豊かさに直接つながっています。

国内企業と外資系企業では、給与から福利厚生に至るまで大きな差があります。ことにベトナムでは国内企業自体が少ないため、外資系企業に就職できなければ、職にありつけないこともザラにあります。

外資系企業に職を得られれば生活は安定し、将来も有望です。

では、外資系企業に就職するために、どのようなスキルを求められるのかといえば、まず英語力です。海外に進出している外資系企業は国際ビジネスを手がけているため、なんといっても英語力が求められます。

だからこそ、多くの人が必死に英語を勉強します。英語をマスターすることが外資系企業で働く道を切り開き、豊かな安定した生活へとつながっているからです。

韓国にしても同様です。韓国の企業で国際ビジネスといえば、財閥系企業の独壇場です。財閥系に就職できれば豊かな生活が待っています。韓国は日本とは比べものにならないほどの学歴社会です。英語の成績が高学歴と深く関係しています。

さらにビジネスレベルの英会話力がなければ、財閥系への就職はかないません。財閥系という狭き門をくぐるために、徹底した英語教育を受ける韓国人は少なくありません。

近隣諸国の事情は、どこも似たり寄ったりです。国内の経済が弱いため、外資系企業に頼ったり、ごく一部の国内有力企業に入れないと、家族もろとも路頭に迷うことになりかねません。

ところが日本は違います。

以前よりはかなり落ち目とはいえ、依然として世界第3位の経済大国であることに変わりはありません。

日本は内需のみで回せるだけの経済規模を抱えているため、国内企業の力が強く、どこで働こうと近隣諸国ほどの差はありません。

外資系企業や一部の大企業の方が年収にしても待遇にしても優遇されてはいるものの、それ以外の職場を選んだからといって、豊かさが根こそぎ失われるわけではありません。

英語ができなくても、普通の生活は十分に成り立ちます。これは、日本経済という世界にもまれな強い経済力があったからこそなしえたことです。世界の常識からいえば、「奇跡」に近いことです。

しかし、これまでの常識が今後もずっと続くと思うのは、間違いかもしれません。現在、日本社会から豊かさが急速に失われつつあります。

そのことは、日本もまた、英語ができないと豊かな生活を維持できない社会へと大きく様変わりすることを意味しています。

3.円安が招く日本の没落

現在、円安が進行しているニュースが連日のように報道されています。目下の注目は、いわゆるボックス圏内に円安が留まるのか、それともボックス圏内を突き破り、なお円安が加速していくのかどうかです。専門家の間でも見通しが分かれており、実際にどう転がるのかはわかりません。

しかし、確実にいえることは「円安によって日本円の価値がどんどん低下している」ということです。それは、日本人が貧しくなっていることを意味しています。

たとえば、月に30万円の年金があるとします。それだけあって一人暮らしであれば、今なら比較的豊かな生活を送れるはずです。

しかし、日本経済が下降をたどり、円安が進行すれば、10年後に同じレベルの生活を続けることはまずできません。なぜなら円の価値が下がれば、物価が上がるからです。食品にしても家賃にしても電気水道代にしても、今の何倍にも跳ね上がっているかもしれません。

物価は上がっているのに月々の収入は変わりません。これでは日々の生活は苦しくなる一方です。

一般的に円安になれば輸出金額が増えるため、海外に製品を販売する企業であれば儲けが増え、有利になります。一方、輸入金額が増えるため、輸入して国内で販売している企業にとっては不利になります。

失われた利益を取り戻すために、輸入企業は円安によって増加したコスト分を製品価格に上乗せすることが一般的です。そうなると消費者は、同じ商品を以前よりも高い値段で購入する羽目に陥ります。こうして物価が上昇することで、インフレが進行していきます。

さらに現在は、世界的に原材料価格が高騰しています。

2021年10月の輸入物価指数は、円ベースで対前年比38%もの増加という異常な上昇を見せています。そのツケは、すでに一部の消費者物価に転嫁されています。

たとえば原油価格高騰にともなうガソリンの値上がりは、誰しも実感しているのではないでしょうか。

物価は上がっていくのに、給与はほとんど増えないのが、大半の日本人がおかれている今の状況です。それでも、まだまだ序の口といわれています。

私たちの日々の暮らしは、今後ますます厳しくなると予想されています。大枠で捉えるならば、かつてあったはずの豊かさが、日本から急速に失われつつある、ということです。

iPhoneの価格が高いと感じる理由

たとえば iphone の価格です。2021年9月16日の日本経済新聞によると、「iPhone価格、10年で3倍の19万円 日本人平均月収の6割」と報じています。

iPhone13の値段

iPhoneの最高価格は、ここ10年で3倍に上がっているそうです。問題は月の賃金に占めるiPhone端末価格の割合です。10年前は最大19%にすぎなかったのに、現在では59%までに上昇しています。

つまり、日本人にしてみれば、それだけ iPhone の購入負担が増していることになります。

しかし、この感覚は国ごとに大きく異なります。iPhone の購入負担増は、欧米に比べて日本の方がはるかに大きくなっています。

なぜならば、世界の先進国を見渡してみると順調に経済成長しているため、手にする収入も増えているからです。

たとえばアメリカでは、1人当たりの名目国内総生産(GDP)が10年前と比べて35%も増えています。このことは、相応に年収が増えていることを意味しています。

日本と世界の給料比較 1990年〜2020年 30年間
OECD G7 1990-2020 Average wagesより引用

iPhone 自体の価格が高くなっても給与も高くなっているため、月の賃金に占めるiPhone端末価格の割合は、日本よりもぐっと下がります。

ところが日本は、長い低成長から未だに抜け出せていません。そのため、上記のOECDのグラフでも分かる通り、先進国の中ではイタリアと並び、ここ30年で給与はほとんど増えていません。

iPhone の購入負担が重くのしかかっているのは、そのためです。高級時計や高級車、ブランド物のバッグや服、アクセサリーなども同様です。

10年前と比べてブランド物が高いと感じるのは、商品自体が高くなっているというよりも、日本のGDPがさほど上がっていないために、相対的に価格が高騰しているためです。

それは、日本人の購買力低下を意味しています。

実際、物価の違いを考慮した日本円の各国通貨に対する為替レート(実質実効為替レート)を見れば、そのことは明らかです。国際決済銀行(BIS)が月次で公表する円の実質実効為替レートは、2021年末の時点で1970年代前半並みの水準にまで落ち込んでいます。

円の実質実効レートの推移表
日本「ジリ貧」鮮明に、円の“弱さ”が1970年代前半と同等まで低下:ダイヤモンドオンライン』より引用

80年代、90年代の豊かさは日本からすでに失われた、ということです。長期的に見て、日本経済が長い下降トレンドに入っていることは否めません。

政治に期待したいところですが、旧態依然とした財務省の横槍もあり、大がかりな財政出動がなされる可能性は低く、日本経済が好転する兆しは今のところ見えません。

コロナ禍において、日本は他国と比べると被害を最小限に留めたにもかかわらず、経済回復は鈍く、欧米各国に大きく後れをとっています。このままでは日本は国際社会のなかで、ますますジリ貧に陥りそうです。

では、私たちはどうすればよいのでしょうか?

4.仕事の範囲に「海外」を入れる

極端な話、下降トレンドが続く日本を脱出し、豊かな国で職を得られれば、豊かな日々を送れる可能性が高まります。経済成長が著しい国(G7ではアメリカ、カナダ、ドイツ)の方が、数多くのビジネスチャンスに恵まれていることは間違いありません(もし今後20年間、日本の賃金が変わらないとしたら、上がり続ける先進国の格差を想像するのは怖いものがありますね。。。)

また、ここ最近は世界のビジネス全体がオンライン中心へと移行したことにより、日本に居ながらにして世界を相手にビジネスを展開できるようになりました。

そのため、日本を脱出しないまでも、豊かな海外の人からお金を引っ張ってくることができれば、成功の確率はぐんと跳ね上がります。

しかし、言葉にすれば簡単ですが、実際にはほとんどの日本人にとって、海外で職を得たり、オンラインを活用して世界を相手にビジネスすることは、現実的ではありません。

なぜなら、ビジネスに対応できるだけの英語力(+度胸)が必要だからです。

英語力といっても、読み書きだけではありません。何より必要とされるのは、ビジネスに活用できるコミュニケーションツールとしての英語能力、いわばリスニングとスピーキングです。

具体的には、英語会議にリアルタイムで参加できるレベルの英会話力が必要です。

詳細については、こちらの記事を読んでみてください。
統計でわかる年収1000万円稼ぐ人たちの本当の英語力【英語力×年収の関係性#01】

冒頭でも紹介したように、日本人の英語力は世界と比べて格段に低く、大半の人はビジネスレベルの英語力をもっていません。

ということは逆に言えば、ほとんどの人がまだ備えていない能力であるだけに、ビジネスレベルの英語力を身につけることができれば、極めて有利なポジションをつくれます。

その一例はYouTubeで海外の情報を日本人へ提供しているチャンネルです。大谷翔平選手の情報にしても、政治経済ニュースにしても、仮想通貨にしても多くの日本人がリーチできない情報を持ってこれる人は、こういった形で稼ぐチャンスが生まれます。

全くの余談ですが、今回仮想通貨市場は高騰した中で、2012年に一緒にフィリピン留学をした3人が、俗に言う「億り人」になりました。

彼らはビットコインに投資したのではなく、もっと人が知られていない海外の仮想通貨情報をキャッチして、早くからそこに目をつけて投資していました。

フィリピン留学で2ヶ月、3ヶ月間集中して身につけた英語力を活かして、ホワイトペーパーを読んだり、YouTubeを聞いたり、テレグラム・ツイッター・海外ニュースを理解したり、オンラインセミナーに参加して交流など、英語力がない人ができない行動をしてきました。

彼らは普通の人が売ってしまうようなところで一切売らず、日本語と英語での情報収集を駆使して相場を読み切って、ことごとく当てていました(正確には現在進行系の案件もありますが)。

私はそういう彼らを見て「仮想通貨でさえ、偶然はないんだな〜」と思った次第です。

数億〜数十億を手に入れた一番の理由は、彼らが実際にリスクを張って行動してからです。
しかし彼らいわく、「フィリピン留学で学んだおかげでYouTubeが理解できるようになったり、外国人多数のセミナーにも参加できた」とのことなので、これもまた真実です。

5.英語を身につけてチャンスを活かす!

英語力とはいわば保険のようなものです。
英語力を身につけたからといって、必ずしも億り人になれるわけではありませんが、どこかで活かすチャンスに恵まれる、手堅い保険です。

では、そのために何をすればよいのでしょうか?

学校で英語を習ったときと同じことをしても、あまり意味はありません。日本の英語教育が間違っていたことは、すでに説明したとおりです。

自習だけを徹底しても、TOEICの点数は高くなるかもしれませんが、実戦的な英語力が身につくとは思えません。

こちらがその証拠となる記事です。
統計でわかる年収1000万円稼ぐために必要な英語勉強法【英語力×年収の関係性#02】

当サイトとしては、(現在はコロナ禍で難しいですが)できれば海外留学、国内ならオンライン英会話をおすすめします。

ビジネスレベルの英語力を身につけることで、たとえ日本経済が没落しても困ることのない「安心」を、ぜひ手に入れてください。

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マナビジン編集部
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マナビジン編集部チームでは「英語が伝わる楽しさをより多くの方へ」をモットーに英語学習や英語を使ったキャリアに関する情報発信を行っています。

引き続きお楽しみに!

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